『あなたがいたから』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あなたがいたから
私は不幸になったの。
あなたがいたから、私がいる。とでも
いうと思った?ざんねーん。
善人なんてそうそういないものなんだよ。
悪党さん。
見送りはいいよ、って言ったのに、ケイくんは駅まで来てくれた。改札の中までついてきてくれて、列車が来るまで荷物も持ってくれた。
「……ありがとう」
本当にそう思ってるけど、今のあたしの言い方は世界一ブサイクだったと思う。顔も、テンションも声のトーンも何もかも。これでしばらく会えなくなるって言うのに。なんでこんな可愛くない態度取っちゃうのかな。どうして素直になれないのかな。
「環境変わると体壊しやすくなるから気をつけてね」
「そんなこと分かってるよ」
「ならよかった」
にっこり笑ってケイくんは私の頭に手を伸ばす、のをまた引っ込めた。多分、頭なんか撫でたらあたしが“子供扱いしないで”って怒ると思ったからだろう。そんなふうに言わないのに。今日だけは、今だけはもう、別れを惜しんでただただ寂しい気持ちでいっぱいなの。それを簡単に口に言えたらいいのにできない。やっぱりあたしはまだまだ子供だ。
「あ、来たよ」
汽笛を鳴らせて列車が向こうから近づいてくる。あれに乗って、あたしはこの街を出て少し離れた地へ向かう。そこはきっと、時間的にも金銭的にも大人じゃないと気軽には来れない場所。あたしと3つくらいしか違わないケイくんがそう簡単に会いに来れるなんて思えない。それでも。
「元気でね。会いに行くからね」
ケイくんのその言葉が耳に沁みて、思わず涙が出てしまった。ぼろぼろと両目から溢れ出て、ケイくんの顔がうまく見えない。
「泣かないで。永遠のお別れじゃないんだよ」
そう言って、ケイくんは今度こそあたしの頭を撫でた。あったかくて大きな手が優しかった。
ありがとう。あなたがいてくれてよかった。あなたのこと、好きになれてよかった。きっとその気持ちを今なら言える。あたしは1歩ケイくんのほうへ踏み出す。そして、頭2つぶんくらい大きい彼に向かってぐっと背伸びをして飛びついた。
友達、親友へ
いつも仲良くしてくれてありがとね
あなたが話しかけてくれなかったら
今頃こんなに楽しい時間はなかったよ
どんな話でも笑って聞いてくれてありがとう
恋も応援してくれてありがとね、諦めちゃってごめんね
これからもよろしくね、大切な人たち
『あなたがいたから』
相合傘
雨は降っていなかった。
ひとけのない静かな国は、たった数週間前に滅びていた。じろじろと太陽に監視されているこの国には、もう誰もいない。
たった今、八人の人影が国に入ってきた。
七人の青年と、一人の少女だ。
彼らは少しの間、ぞろぞろと国をみてまわった。
危険がない事が分かると、ばらばらになって観光を始める。
少女が大きな傘を開いて持ち上げる。かなり重たそうに見えるが、彼女は涼しい顔をして歩き出す。
と、そこに一人の青年が戻ってきて、彼女の傘を取り上げる。なにか二言三言喋ったあと、二人は並んで歩き出す。丸い影に守られる少女の、横に立つ青年の肩は、太陽に覗かれていた。
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あなたがいたから
いつか書く
あなたがいたから
あなたが私を
見つけてくれたから
見たことのない景色が見れた
救い出してくれたから
知らなかった感情も気づいた
めぐる季節のなか
あなたがいたから
今ここで生きていられる
心からありがとう
私は“副”生徒会長。
全教科学年2位だし、
多分学校の中で2番目に可愛い。
全部2番目。
全てはあの子のせい。
黒髪ロングのサラサラヘアーに
彼岸花のような赤い瞳。
チューリップのような赤い唇。
全てが整っている。
私はあの子が好きじゃない。
完璧なあの子が。
ある日の夜、あの子が不審者に殺されたと聞いた。
正直嬉しかった。
これからは私が1位だと。
翌日学校へ向かうと、生徒会長になれた。
全教科学年一位になれるだろうし、
多分学校の中で一番可愛い。
だけど、みんなはそれを気にしなかった。
みんなあの子のことを考えている。
私は悔しかった。
やがてみんなはその子のことを話題にするのはやめ
私を褒め称えるようになった。
だがそれは私が望んだことではなかった。
心の底から1番だと思えなかった。
上を目指す人もいないし、
どうすればいいのか分からない。
私は実感した。あの子はとことん優秀なのだと。
あなたがいたから。
あなたがいたから
****
残酷描写があります。
****
あなたがいたから生き延びることができたのです。この氷に閉ざされた島に、あなたは私と一緒に打上げられた。覚えてはいないけど、あなたは私と同じ船に乗っていたのでしょう。当初私は淋しくて息をしていないあなたに何度も話しかけました。救助された私は島に向かって手を振ります。ありがとう、名前も知らないあなた。あなたが持っていたライターで焚き火を熾しました。あなたが持っていたカッターであなたの肉を削ぎ落として焼いて食べました。あなたがいたから私はいま生きています。
あなたがいたから
いい意味でも
悪い意味でも
あなたは
私の人生そのもの
「あなたがいたから」
目を開けたら…あなたがいた。
「道標」は私が求めていたからこそ現れたのだとしても、
それがあなたで本当に良かった。
別の時間の別の誰かが現れなくて、
本当に良かった。とても嬉しい。目を開けたら、
そこにあなたがいたから。いてくれたから。
とても嬉しいの………
時間の隙間に挟まって動かない足をさすりながら、
私は笑う。
またあの世界へ帰れる「道標」がやって来てくれた。
それがあなたで良かった。
私をこの場所へ落として閉じ込めた、
あなた本人で、本当に、良かった!!!!!
時間の隙間の暗がりで、私は嗤う。
さぁ…もう少し近くに来てね?
今、捕まえるから……………
※バトルが始まるだけです😸
【あなたがいたから】
今日のお題はあなたがいたから。
少し捻って独創的な作品にしたいな。
どうせなら、読んでいて楽しい作品にしたい。
この詩の主役である“あなた”は誰にしよう?
友達?昔の恋人?アフリカのルーシー?宇宙人?
嫌いな人をあてはめて「あなたがいたせいで!」って展開にしても面白いかな。
どうせなら前向きで読んでいる人がほっこりするほうがいいね。
みんなはどんな作品を書くのかな。
多幸感溢れる恋人や母親や子供に宛てたもの。
切ない恩師とか別れた恋人宛のもの。
なんとなく、もう会えない人へのメッセージも多そうだね。
予想するのも楽しい。
あなたの作品、楽しみにしています。
今日も書いてくれてありがとう。
わたしの作品を読んでくれてありがとう。
決して交わることのない不思議な関係だけど
あなたがいるから、わたしは今日もここに書くよ。
「出会ってもう12年……ですか、時の流れは早いですね」
「ね!これからも色んな所行こう?」
「もちろん、沢山行きましょう」
ぎゅっと手を繋いで歩く女子2人。中学生の頃から、先輩と後輩の付き合いである彼女達は、今日もカフェ巡りをしていた。もう日が沈み始め、空は薄暗く色を変える。
「そういえば、𓏸𓏸さんは彼氏とどうなったんですか?」
「んー……特に進展はないね」
「もう付き合って2年……ですよね?」
「そうだねぇ」
「彼の方からは何かアプローチ……とか、ないんですか?」
「……んー、無い、かなぁ……最近冷たい……し、」
「そうなんだ……𓏸𓏸さん可愛いのに勿体無い」
「××の方が可愛いでしょ」
「そんな事ないです!𓏸𓏸さんすっごく美人だし、」
「あはは、ありがとね」
波風の心地よい防波堤まで来ると、空は真っ暗になり星々が輝いていた。××は𓏸𓏸の前に立ち、ニッコリ微笑んだ。風の音が静かになったような気がする。
「𓏸𓏸さん」
「何?」
「あなたがいたから、私は出会えた」
「……えっと、急に何の話?」
「最高の人に出会えた」
「××……?」
「私ね、」
××はおもむろにバッグを開き、𓏸𓏸との思い出の品を次々海に落としていく。何をしているのか理解出来ず、困惑している𓏸𓏸の腕を引っ張って抱きしめた。
「私、あなたがいたから∅∅に出会えました」
∅∅……𓏸𓏸の彼氏の名前。否、𓏸𓏸の“元”彼氏の名前。
「ここまで長かったです。とっても長かった」
「ど、ゆうこと」
「ありがとうございました。𓏸𓏸さん」
ぼちゃん!と音がして、この世界の地上から𓏸𓏸の姿が消える。××は、星々が反射する海を見てニッコリ微笑んだ。
『あなたがいたから』
詩(テーマ)
『あなたがいたから』
私が産まれて 喜び過ぎて
バイクでどぶ川 落っこちた父
あなたがいたから…
背中を見つめて 追いかけていた
楽しいって心 もらいました
とことん優しく 何でも買って
喧嘩も本気の 豪快な祖母
あなたがいたから…
人生の終わりの その仕舞い方
じっくり観察 していました
自分のことなど 平気で棄てて
私のためだけ 生きていた母
あなたがいたから…
命を棄てても 大切なもの
しあわせ探しに 気づきました
死にたくないって 初めて思い
黙っていたって 満たされるひと
あなたがいたから…
家族のぬくもり 教えてもらい
泣き虫な老後 迎えてます
【あなたがいたから】
私はあなたがいたから笑えたし
あなたがいたから楽しかった
あなたがいたから一人じゃなかった
けれど
あなたがいたから辛かった
あなたがいたから苦しかった
今も
あなたがいるから毎日が吐きそうになるほど嫌だ
私はあなたのことが
大好きだけど大嫌い
【あなたがいたから】
あなたがいたからなんでもできた。頑張れた。だけど、あなたがいない今、私はどうすればいい。どうにもできない私は、あなたがいたからなんでもできたんだと思い知った。もっと、愛してあげればよかった。手伝ってあげればよかった。恩を返せなかった私は、今日もまた、眠りにつく。あなたのことを思いながら…
あなたがいたからなんでもできた。頑張れた。今までありがとう
外へ出た。外は思ってたよりも明るく、空一面に宝石を散りばめたみたいに星が光ってた。
足元からカシャカシャと愛犬の爪が地面を引っ掻く音がついてくる。普段リードを繋げばどこへもなく引っ張るのにリードがない方が大人しい。まさしく相棒のように足元にぴったりついてきてこちらを見上げている。
めったに車の通らない田舎の車道を堂々と歩く。
私は悩んでいた。皆と同じようにできないこと、普通ができないこと。足りない頭に知識を詰め込んでも、まだ「普通」には程遠いのを感じて不安でたまらなかった。
世の中には私の知らないもので溢れていて、私一人が何もわからずに孤立している。誰に聞いても教えてくれる人はいなかった。きっと、皆は生まれつき知っているのだ。私だけが知らされずに生まれてきてしまったのだ。
そんなことを考えてはいつも憂鬱になる。
はあ、これではわざわざ外に出てきた意味がない。
私は一旦、足を止め空を見上げた。白い息が大人が吸うタバコみたいに私の口から吐き出されていく。
透明な抜けるように透き通った空だ。手を伸ばしてみる。星に手は届かない。星たちが私を嗤っているような気がした。
手をおろし、再び歩き始める。
時折、足元を見る。とても祖先が野山を駆け回り獰猛に肉を探していたとは思えない、無邪気で優しい目がきょろきょろと楽しそうにあたりを見回していた。
最初に言ったように、リードをつければ散歩だとはしゃぐのに対して、リードをつけずに外に出せばはぐれないようにか。はたまた私に怒られるとわかっているのか、こうして私の足元をテケテケと歩いている。
時折、何かを見つけては離れたりするが私が足を止めたり軽く手を叩いたりすれば名前を呼ばずとも「なんですかい?」というような表情をして戻ってくるのである。こういった些か召使いみたいな動きは私にはとてもかわいらしく映る。
誰とも会うこともなく、かつ家族にすらも知られない夜の散歩は少し自由になれた気がした。
夜の散歩も案外良いものだな。そんなことを思いながら愛犬の方を確認する。先っぽだけ垂れた耳をヒタとたて、後ろの方を見て立ち止まっていた。その方向を見てみると、街灯に照らされて白猫が悠々と道を横切っているところだった。
私は軽く足を鳴らし、愛犬の注意をこちらに向けた。愛犬が私の不機嫌を悟ったのを見て、私は前を向き直って歩き出す。少し間をおいてから仕方なさそうに私の方へと向かってくる足音が聞こえた。
一言も話さない、足音だけの会話。私はこの時間をゆっくりと楽しみながら一歩一歩言葉を選ぶように、愛犬に寄り添わせた。
寂しい夜も君と一緒なら乗り越えられた。
(もういない愛犬へ、当時に書いた日記より)
あなたがいるから生きたいと思える
いつもありがとう、自分
【あなたがいたから】
あなたがいたからなんでもできた。でも、あなたはもういない。あなたがいない今、私は何もできない。ああ、あなたという存在がどれほど大切か、あなたがいなくなってから分かった。もっと大切にしてあげらればよかった。私はあなたがいたからなんでもやり遂げられたのではなかったのか。
ああ、あなたがいたからこそ、全部、全部、できたんだね。ありがとう。
あなたがいたから 俺はいる
俺たちは ずっと一緒だ
楽しいときは 一緒に笑おう
悲しいときは そばにいるよ
生まれなければ よかったなんて
何度も 考えたんだね
分かるよ
俺も 考えたことあるから
でも お前は 一人じゃない
これからも よろしくな
今日職場で、今月入ってきた新しいスタッフさんにこう言われた。
「私がここに入社したのは、あなたがいたから。一緒に働きたいと思ったから。」と。
新しいスタッフさんは私の母親と同世代の女性。
目上の方からこうやって慕って貰えるって、私はなんて幸せ者だろう。そう感じた1日でした。
丁度お題と重なって2倍で嬉しい。
「あなたがいたから」
あなたがいたからわたしは今、ここで生きてます。
あなたがわたしを助けてくれたから。
だから、あなたが今、辛いと、苦しいと言うのなら
わたしは、あなたを助けます。
わたしが命を失ってでも助けます。
ずっとあなたの味方でいます。
だから、これからもずっと傍にいて欲しいです。