小雪

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私は“副”生徒会長。
全教科学年2位だし、
多分学校の中で2番目に可愛い。
全部2番目。
全てはあの子のせい。

黒髪ロングのサラサラヘアーに
彼岸花のような赤い瞳。
チューリップのような赤い唇。
全てが整っている。
私はあの子が好きじゃない。
完璧なあの子が。

ある日の夜、あの子が不審者に殺されたと聞いた。
正直嬉しかった。
これからは私が1位だと。
翌日学校へ向かうと、生徒会長になれた。
全教科学年一位になれるだろうし、
多分学校の中で一番可愛い。

だけど、みんなはそれを気にしなかった。
みんなあの子のことを考えている。
私は悔しかった。

やがてみんなはその子のことを話題にするのはやめ
私を褒め称えるようになった。
だがそれは私が望んだことではなかった。
心の底から1番だと思えなかった。
上を目指す人もいないし、
どうすればいいのか分からない。
私は実感した。あの子はとことん優秀なのだと。

あなたがいたから。

6/20/2024, 10:36:24 AM