『あなたがいたから』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今日は彼と夫婦になって3年目だ。こんなに続くとは思わなかったなと考えながら祝うためのケーキやごちそうを準備していた。全ての準備が終わり、彼を待つだけだ。瞬間、玄関で音がした。
「ただいまー」
「おかえり。もう準備してあるわよ。」
「そっか。ちょっと待っててくれ。」
彼が着替えた後ワインを用意しグラスを合わせる。
「今日の記念日に乾杯。」
「乾杯。」
食事をしながら今まであったことを語り合った。語り合う程たくさんのことがあったなと思う。
「───でさあの時すごく怒ってたな。」
「それはあなたが悪いのよ。」
「すみませんでした。」
「ねえ。」
「うん?」
今日だからこそ言わなければならないことを彼に告げる。とても恥ずかしいけど。顔から火が出そうになる。
「いつもありがとう。あなたがいたから私は辛い時も苦しい時も乗り越えられた。」
「こ、こちらこそありがとう。」
見ると彼の顔は真っ赤に染まっていた。暫く見つめ合った後お互い笑い合った。今まで喧嘩もしてすれ違うこともあった。でもこうして幸せでいられるのは彼のおかげだ。これからもずっとこの日々が続きますようにと私は
願った。
『あなたがいたから』
『あなたがいたから』
あなたがいたから僕は今、毎日を楽しく過ごせている。
笑っていられる。
自分を好きでいられる。
人と繋がりが持てる。
誰かを好きになれる。
自分の足で道を歩く事ができる。
悲しい時は悲しいと言える。
涙を流す事ができる。
寂しい時は寂しいと声に出して、甘える事ができる。
嫌な事は嫌だと言える。
辛い毎日でも、苦しくて息が詰まりそうな日々でも
息が出来ている。
あなたがいたから僕はあの時、この命を手放さなかった。
あなたがいたから誰かを愛し、自分を認め、夢を見て、
その夢に向かって1歩を確実に踏み出せている。
あなたがいたから僕がいる。
あなたがいたから僕は今、この世界を生きている。
今日のテーマ
《あなたがいたから》
「間に合った!」
階段を駆け上がり、ぜーぜーと息を切らしながら電光掲示板を見上げる。
そこには予定の電車を示す表示。
それを確認したのと同時、構内に入線を知らせるアナウンスが流れる。
隣で同じように息を整えている親友と顔を見合わせ、小さく拳を合わせて喜びを示し合った。
今日は大事な試験の当日。
昨日は不安で寝つけなかったこともあって、結局起き出して明け方近くまで悪足掻きのように問題集に齧りついていた。
おかげでものの見事に寝坊した。
そしてこいつは、時間になっても待ち合わせ場所に現れない俺をアパートまで迎えに来てくれた上で叩き起こし、こうしてあわや遅刻するかという事態に巻き込まれてくれたというわけだ。
これで間に合わなかったら謝っても謝りきれないところだった。
「いやあ、それにしても、間に合って本当良かった。迎えに来てくれなかったら詰んでたよ。ほんとにありがとな」
「待ち合わせ時間、余裕持たせといて正解だったでしょ」
得意げに告げられた言葉に深く頷く。
俺の寝坊まで見越してたわけじゃないだろうけど、待ち合わせ時間にかなり余裕を持たせていたことで、こうして遅刻ギリギリラインの電車には間に合ったわけだ。
しかし俺が感謝しているのはそればかりではない。
「それもだけど、先に行ってても良かったのに、わざわざ家まで来てくれるなんて」
「だって携帯に電話しても出ないし」
だから、もしかして寝坊してたり体調を崩してるんじゃないかと家まできてくれて、アラームにも着信音にも気づかず寝こけてた俺をアパートのドアをガンガンぶっ叩いて起こしてくれたというわけだ。
それがなかったらきっと俺は今も夢の中だったに違いない。
見捨てて先に行くという選択肢もあったはずだ。
家に寄って起こしてくれたところまではともかく、その時点で俺を置いて先行していれば、こんなに息を切らしてギリギリの電車に乗る羽目にはならなかっただろう。
それなのに、お人好しのこいつは、俺が慌てて身支度している間に、勝手知ったる俺の部屋で試験に必要な受験票やら筆記用具といったあれこれを一通り鞄に詰めてくれたりと甲斐甲斐しく準備まで手伝ってくれたのだからいくら感謝してもし足りない。
そういったことを話しながら改めて礼を言うと、にこにこ笑いながら首を振った。
「だって今こうしてここにいられるのはあなたのおかげだし」
静かな眼差しといやに真剣な表情で見つめられ、何の話を指しているのか察する。
子供の頃、危うく死にかけたこいつを助けた時のことを言ってるんだろう。
親御さんにも命の恩人だって散々言われたけど、俺自身はそんな大袈裟なことをしたとは思ってない。
友達が高所から転落しそうになってたら助けようとするのはごく当たり前のことだろう。
まあ、あと少し大人が駆けつけてくれるのが遅かったら俺も諸共落下してたかもしれなかったし、親からは後先考えろってこっぴどく叱られたけど。
「今までだって散々世話焼いてくれてるんだから、もう充分すぎるくらいあの時の恩は返してもらってるだろ」
「そうかな? 全然返し切れてる気がしないんだけど」
「そんなことないって。俺は助かったけど、例えば今日の試験が間に合わなかったとして、これでおまえまで巻き添え食らわしてたら、謝っても謝りきれないし、後悔してもし足りない」
「でも、あの場でこっちが先に行ってたら『間に合わない』って諦めてたでしょ」
それは確かにその通り。
家を出た時間は全力疾走しても間に合うかどうか微妙なラインで、俺一人だったら途中で諦めてた可能性は否定できない。
巻き添えを食らわした上にこいつまで遅刻させるなんてあっちゃならないと思えばこそ、息が切れても脇腹が痛んでも、足を止めることなく駅まで走り切れた。
「恩返しどうこうってのはともかく、こっちだけ間に合っても意味ないしね」
「それはそうかもしないけど」
もともと今日の試験は俺が一緒に受けようと誘ったもの。
それなのに肝心の俺が遅刻して受けられなかったりしたら本末転倒ではある。
「おまえがいてくれてほんとに良かった。ありがとな」
ホームに滑り込んできた電車の音で聞こえなかったかもしれない。
そう思いながらちらりと横目で窺えば、嬉しそうに顔を綻ばせてる。
どうやらちゃんと伝わったらしい。
そうして俺達は遅刻寸前ではあったものの試験の時間には無事間に合い、揃って満足のいく結果を出すことができたのだった。
あなたがいたから
辛い 苦しみも
乗り越えられた
あなたに恥ることのない
生き方をして来たのもある
あなたの 存在は
ずいぶんおおきい
No.54『あなたが教えてくれたこと』
散文/掌編小説
今日は朝から蛙が鳴いている。いつもは夜の騒音とも言えるその声は、恐らくは一匹のもので、途切れ途切れに。でもずっと。
風が強く、まだ降ってはいないけれど、空を覆う鈍色の雲が降雨を予感させている。ガタガタと音がする窓越しにそれを眺めながら、わたしは思わず溜息をついた。
わたしは雷が世界で一番嫌いだ。
恐らく、わたしの前世は、雷に撃たれて死んでしまった何かしらの生き物だったに違いない。人間と言い切れないのは自分が虫だったり花だったりの夢を見るせいで、それはそれで雷に撃たれるでもなく、平穏な時間を過ごしているのだけれど。
溜息をついてその場を離れようとしたその時、
「キャッ!」
いきなりの雷光に思わず声を上げてしまった。しかも、まるで若い女の子のような。ハッとして本を読んでいた恋人を見やると、意味ありげな視線をわたしに寄越したが、直ぐに手にした本に目を移した。
心臓がバクバク言っている。今にも口から出てしまいそうだ。雷光から遅れること数十秒後に、微かにゴロゴロと遠方から雷鳴が聞こえて来た。と言うことは……、
「大丈夫。こっちには来ない。離れて行ってるよ」
また意味ありげに笑う恋人が、ここにいてくれて良かった。
「あ」
鳴いている蛙が増えた。あなたがいたから、わたしは今、こうして笑っていられる。
お題:あなたがいたから
あなたがいたから
高校三年生の夏、私は今屋上の柵の外に立っている
何故ここにいるかと言われると答えにくい物であるが
簡単に言えば人生を終わらせたくなった、生きていくのが辛いという物が妥当だろう だが違う。
私はくだらない事で命を絶とうとしてる、そう、ずっと片想いをしていた彼に「恋人」が出来てしまったのである、それだけ?と思うかもしれないが私には生死に関わる事だった、小学校5年から今の今まで想いを伝えずにうじうじしてた私もどうかと思うが仕方ない、友達以上恋人未満としか見られていないような気がしたのだ。
そんなことを考え空を見上げていれば屋上のドアが開く音がして。
「ッ!?お前何やってんだよ!!」
今1番聞きたくなかった大好きな声、振り向かずに私は
「何も、」
可愛げのない返事、呆れられただろうと思い俯けば彼も柵を越えてこちら側へ近寄って来て。
「何してるの!?」
私は焦りで顔を上げてしまった、顔を見たら泣くって分かっていたのに。
そこからは涙が止まらなかった、泣き止むまで隣に座っていてくれた彼に事情を聞かれたが、とても貴方に彼女が出来たから。
なんて言えるはずもなく黙ってしまった、ほんと可愛げのない女だなぁ私、と心底思う。
そこでまた可愛くない事を言ってしまった。
「彼女さんの所、戻らなくていいの。」と
そう聞いた途端に彼の顔は暗くなった、とても驚いた
見たことも無い顔をしていたから。
心配になり顔を覗きこめば彼が口を開いた
「別れたんだ、昨日 俺が約束破ってばっかで。」と衝撃の事実を告げられた
「そうなんだ、大丈夫?」と彼を慰めたくて私は彼の頭に手を伸ばしたが、彼女でも無いただの幼なじみだし、と思ったら自然と手は引っ込んでいた。
しばらく黙って座っていれば
彼がいきなり顔を上げこう言った
「教えてやったんだからお前もなんであんな事しようとしたのかちゃんと言え。」と真剣な眼差しを向けられ、これは逃げられないなと思い白状した。
「貴方に彼女が出来たから」と言った瞬間彼の顔は赤くなり私はまた驚いた。
そしてまた彼が口を開いた
「俺もお前の事好きだよ、お前の事かき消したくて彼女作ったけど結局傷つけちゃってさ。」と俯く彼。
両思いだったのを知り嬉しさが絶頂に達し思わず彼を抱きしめた。
そして私はこう言った
「絶対に悲しい思いとかさせないから、付き合ってください。」と私は震える声で伝えた。
彼は笑った、そして真剣な表情になり。
「俺が先に言いたかったのに、よろしくお願いします。」と見たことも無い笑顔で伝えてくるもんだから私は泣きじゃくってしまった。
暫くして泣きやみ、彼に手を引かれ柵の中へ戻り
手を繋ぎ教室へ戻った、恥ずかしかったけどそれ以上に嬉しかったからなんとも思わなかった。
ありがとう。
あいつには、随分助けられたわ…と
電話越しに聞いた
彼の言葉。
お前が、居たからと…
私もその言葉がほしかった。
【お題:あなたがいたから】
あなたがいたから
あなたがいたから、私はアイドルになった
ネットで誹謗中傷されたりもしたけど、あなたがいたから頑張れた
あなたがいたから、苦手な水着撮影だってやった
あなたがいてくれたから、今、私はここにいる
…私はお仏壇の前で手を合わせる
写真立てには、今の私とよく似た顔の母が笑っている
この写真を飾るのよ、なんて笑っていたのを覚えていた
夏の虫が鳴いた時、秋の虫が鳴いた時にも、私はその虫たちを武蔵と呼んでその音色を楽しみ、ありがとうといいます、川のほとりで、あまりにも美しく鳴く武蔵が居たので、私は思わず、ボイスレコーダーに録音しようと携帯を近ずけたら、ぴたりと鳴くのをやめてしまった。
そっかぁ、自然じゃないものは嫌なんだね。
私は携帯を鞄になおすと、
その武蔵は再び美しい声で
鳴き始めた。
ああ、綺麗な声に、涼しい川風。武蔵たちの、御先祖様たちもこうやって、柳のなびく川のほとりで鳴いていたんだなぁ、そう思うと武蔵の命が
愛しく思えた。
また来るね、武蔵、
ありがとう。
あなたがいたからっていうテーマ良いね。
もちろんあなたがいたから今の私があるのだけれど。
でも今後の人生を考えた時に
わたしって今のままでいいのだろうか?
働き方を変えた方がいいのではないか?
ちゃんと自分の人生を楽しめているのだろうか?
ってとても思うことが多々あるよね。
それは、投資をしないか?と言われてるのもそうだし、
それに怪しそうだからってやらないっていう選択肢ももちろんあるし、なぜか口論したし、わたしの優柔不断な決断が、自分の時間を浪費してるのももちろんあるとは思った。
すぐに決断すれば悩む時間もないのにな、という感じ。
言ってることはごもっともだし、
ただ単に勧誘されてると思ってしまった。
まぁ正直なにが、真実なのかは不明すぎるんだけどね。
どんな人種問わず言われることは、
“もったいない”
とか
“人生楽しみなよ”
とか
“気楽に”
とか、その外国人からは、
“趣味とかもっと他に時間を使ったら?”
とかさ、色々言われる。
別にわたしは熱心に仕事人してるわけでもなく
単に自分の夢のために忠実なだけで、
そういう時は必ずといって他の人と波長が合わなくなる。
しかし、金銭的な部分でいうと、もっと違う働き方があるのではないか?という問いがたくさん出てくるのは間違い無くて
そんなに、みんな稼いでるの?自由なの?って聞きたいけど。
うん、働きがながら投資してるのはそうだと思うけどさ。
わたしにとってほんの些細な事務作業でさえ苦痛と思ってしまうこの謎のプライドなんなんだろうってマジで思ってます。
というか知り合ったばっかの人 & わけもわからない媒体。で、どう信用しろと?って感じだけどね。
他の知り合いの人にも聞いたけど知らないようだったし、情報少なすぎて判断ができないw
でも有名じゃないからこそってのもあるよね逆に。
まぁ両方とも口論みたいになってしまったけど、
なんで同じ時期に同じような話がしかも、別々の人からくるわけ😂なんで?進めってことなの?
元々ハマってた某チャットアプリを辞めて10日ぐらい経ったけど、ようやく慣れてきたし、自分のSNSにも投稿が戻ってきた。熱量がない去年の夏からのプロジェクトに関しては社長が後回しにしてるし、こっちがプッシュしないと進まない感じ & 契約書も交わしてないから一体どんな感じ?って感じだけど。私も自分の方のプロジェクトをメインにしたいからそれぐらいのペースで丁度良いのかもしれないなとは思ってる。
他のクリエイターが、仲介として入ってくれたことによって、わたしだけに負担がないのでそれは安心してるところではある。連絡で、プッシュし続けるなんて余計な神経使う。
それにしても受付事務みたいなので入った女の子が何も言わずに退室したけど、礼儀がなってないよね。抜ければいいって、一応仕事としてやってるんだからなんか、一言ぐらい言ってから退出しなよって思ったけど。まだ若いからとかでカバーされるかもしれないけど、大人としてどうなのかね。
あなたがいてくれたからここまで頑張ってこれた
ずっと隣にいてほしい
わたしの唯一の人
Theme.あなたがいたから
あなたがいたから私は幸せでもあり、不幸でもあります。あなたのおかげで幸せや愛を知りました。でも、その中で依存というものを知ってしまいました。あなたと別れたおかげで辛い日々です。
あなたがいたから、頑張れた。
あなたがいたから、サボってしまった。
あなたがいたから、仕事が楽になった。
あなたがいたから、余計な仕事も増えた。
あなたがいたから、友達が増えた。
あなたがいたから、疎遠になってしまった人もいた。
あなたがいたから、愛を知ることができた。
あなたがいたから、たまに喧嘩した。
あなたがいることで良いことも悪いことも増えた。
だけども、それはあなたがいない時よりマシになっていたらいいな、とも思う。
あなたがいたから…やめなかった。
恋も仕事も人生も。
あなたは自分がいなければ、
自分と出逢わなければと、考えるかもしれない。
でも、あなたと私は宿命だから。
これからも、よろしく。
なんて、そんな人がいたらなぁ。
あなたがいたから、楽しかった
あなたがいないなら、つまらない
あなたがいたから、嬉しかった
あなたがいないなら、ただ苦しい
あなたがいたから、幸せだった
あなたがいないと生きられない
驚いただなんて生易しいものではなかった。けたたましい叫び声と同時に状況を表す短い単語。錯乱に陥った脳が指令を出しあぐねているのも構わず、身体は防災用のヘルメットを頭にふとん叩きを手に持っていた。
混乱した脳はそれでも『脱衣所』の文字を浮かび上がらせて見せた。
引き戸が反動で戻ってくる前に下着姿のあなたと『それ』を確認。
あなたの顔は真っ青で、『それ』から目を離せずにいた。恐怖か行方をくらませたくないのか。
「そこ! そこぉッ‼」
指も指さずに声だけで指示を出す。うんと拙くあまり意味もなさないそれに従うまでもなく、わたくしはふとん叩きを振りかぶった。
ダァンッ‼
『それ』は力なく壁を伝い落ちてゆく。
床で完全に事切れているのを確認して、わたくしはその場でへたりこんでしまった。
「……っ、はぁっ」
「うぇ…っ、じぬがとおもっだぁあッ!」
「わ、わたくし、だって……」
ふたりで抱き合って慰め合って。
心臓も冷や汗も尋常じゃないくらいにひどく、いまでも足は震えている。
動くことはないと分かっていても、もうその姿さえ見たくなかった。おぞましく恐ろしい。あんなものが家に存在していると思うと、涙がちょちょぎれてしまう。
「知らなかった…きみってば、平気なほうなの?」
「まさか。あなたのためにすべて奮ったんです」
「ゔぁあ……ありがと。ほんと、どうなるかと思った。ほんと、ほんとにありがと」
「この家の安寧が保たれてほっとしています」
まだタオルドライの途中だったのでしょう。水滴がぽたぽたとわたくしの腕や服を濡らした。このままではあなたが風邪を引いてしまうだとか、家中が濡れてしまうだとか気にする余裕はまだない。
あなたがさっさと行ってしまわないように腕に閉じ込めて、耳元でおねがいを。
「わたくし、もう、勇気も気力も絞りきりました。カラカラです」
「おっしゃあとは任せて。チリトリ持ってくる!」
ぽんぽんとわたくしの背を叩いたあなたが、勇ましく立ち上がって廊下に飛び出してゆく。その音を聴きながら思った。
(互いのために動けるこの関係性、ぜったいに手放したくなどない)
そう、強く強く、思ったのです。
#あなたがいたから
「あなたがいたから、『選択を誤った』のか『ミスを回避できた』のか、『新しい発見ができた』か」
何かの困難に耐えることができた、なんてバリエもあるんだろうな。過酷なダイエットとか。某所在住物書きは己の腹をプルプル、掴んでは上下に揺らした。
「あなたがいたから『そこに行くのをやめた』とか『アレを食えなくなった』とか、『彼は彼女と別れた』とかつったら、不穏なハナシも書ける、か?」
まぁ俺の場合、このアプリと、ハートくれる誰かがいたから、こんな自己満作文でもハナシを書き続けてこれたワケだが。
つんつんつん。物書きは腹を突っつき、体重計をチラリ見遣って……
――――――
今日も真夏日一歩手前。東京の6月は今年も高温多湿で、たまに気になっちゃう生乾きな服とか加齢臭とかが無駄に滅入る。
昨晩某赤い人の美容スペシャルで、体臭減らすには朝シャワーが良いし、いい匂いになるにはカシスも効果的って覚えちゃったから、今日は近場のフルーツ屋さんでカシス入りのアイスティー貰って出勤だ。
案の定、昨日の番組観たひとで、店内そこそこ賑わってた。娘さんっぽい画像写ってるスマホとカシス持ってちょっと涙目の中年さん、大丈夫かな(察し)
「その番組なら、私も観た」
その日のお昼はチラホラ数名、カシスっぽいドリンクをチョイスしてるのが、あっちにも、こっちにも。
「個人的に気になったのは、希少糖と腎機能の方だったが、……私もカシスを飲んだ方が良いのだろうか」
同じテーブルで一緒にお弁当突っついてる、雪国の田舎出身っていう先輩も、スンスン手の甲とか袖とか嗅いで気にしてた。ちょっとかわいい。
でも先輩は別に加齢臭も何もしてないから、そんな気にしなくて良いと思う。
「先輩、アレ観たんだ」
「そうだが」
「あんなにニュースオンリー派だったのに」
「どこぞの誰かさんのせいだろう?ほら眼の前の」
「いいと思う」
「えっ?」
「ニュースばっかりより、別のも観た方が多分楽しいよ。きっと良いことだよ」
「……どうだか」
で、そのニュースオンリーで十分だった私から、恨み節のひとつでもないが。
コホン咳払いした先輩が、私から目をそらして、バッグのファスナー開けて、少し大きめの、250mLくらいの瓶を4個取り出しテーブルに載せた。
ほぼ黒な赤紫だ。多分ジャムだ。先輩の実家が故郷の四季をプチDoSアタックしてきたんだ。
先輩の、あきれ顔だか諦め顔だか、そんな表情に気付いて私はだいたい察してしまった。
あざす先輩。あざす先輩のご実家様。
あなたがいてくれたから、あなたが年に4〜5回、雪国の四季を送ってくださるから、私も極上美味をお裾分けしてもらえます。
なのに私先輩に数える程度しかお礼したことないや。
「お前、桑の実は――マルベリーは食えるよな」
先輩が言った。
「実家の母がな。『今年もたくさん採れた』と。ジャムにして大量に送りつけてきたんだ。
プレーンと、イチゴ入りと、実山椒入り、それからグミの実入り。……気に入った味だけで構わない。
食うの、手伝ってくれないか」
良くも悪くも
あなたがいたから
そう
お互いに影響を受け与え
良くも悪くも
または一方的に
孤独も充足感も
言い訳にも
生きる糧にも
どうとでもなる
あなたがいたから
それは生き物の息吹、音、気配
無機質な何かさえ
理由になりえるのか
「あなたがいたから」
この仕事に就いてから、よく感謝されるようになった。
満面の笑みを向けて俺に、俺なんかに「ありがとう」と心を込めて言ってくれる。
「先生、ありがとう」
ほら、今だって。
「こちらこそ。今日も生きててくれてありがとう」
この人生に救いがないと言うなら、俺が光になってみせる。
そんな台詞なんて吐けないけど。
だから、
「明日も待ってる。」
俺といる時くらいは心から笑ってほしい。
あなたがいたから
子供の頃の、私は、人見知りでしたが弟がいたので
物心がつく頃には、姉らしくあれと育ちました。
弟が悪さをしても、姉のせいになり望んで
なったわけではない現状にいき通りを感じることも
屡々ありました。
そんな、日々を経て私も弟も一緒に大人へと成長して行きました。
私が、結婚に失敗しても弟は、気にしない方がいい
子供と頑張って俺も手伝える事は、手伝うと
言ってくれる素敵な男性になっていました。
私に、兄弟を与えてくれた、両親、私の元に産まれてきてくれた子供、そして弟に感謝しています。
あなたがいてくれて良かった。