たまにサボる書き手

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あなたがいたから

高校三年生の夏、私は今屋上の柵の外に立っている
何故ここにいるかと言われると答えにくい物であるが
簡単に言えば人生を終わらせたくなった、生きていくのが辛いという物が妥当だろう だが違う。
私はくだらない事で命を絶とうとしてる、そう、ずっと片想いをしていた彼に「恋人」が出来てしまったのである、それだけ?と思うかもしれないが私には生死に関わる事だった、小学校5年から今の今まで想いを伝えずにうじうじしてた私もどうかと思うが仕方ない、友達以上恋人未満としか見られていないような気がしたのだ。
そんなことを考え空を見上げていれば屋上のドアが開く音がして。
「ッ!?お前何やってんだよ!!」
今1番聞きたくなかった大好きな声、振り向かずに私は
「何も、」
可愛げのない返事、呆れられただろうと思い俯けば彼も柵を越えてこちら側へ近寄って来て。
「何してるの!?」
私は焦りで顔を上げてしまった、顔を見たら泣くって分かっていたのに。
そこからは涙が止まらなかった、泣き止むまで隣に座っていてくれた彼に事情を聞かれたが、とても貴方に彼女が出来たから。
なんて言えるはずもなく黙ってしまった、ほんと可愛げのない女だなぁ私、と心底思う。
そこでまた可愛くない事を言ってしまった。
「彼女さんの所、戻らなくていいの。」と
そう聞いた途端に彼の顔は暗くなった、とても驚いた
見たことも無い顔をしていたから。
心配になり顔を覗きこめば彼が口を開いた
「別れたんだ、昨日 俺が約束破ってばっかで。」と衝撃の事実を告げられた
「そうなんだ、大丈夫?」と彼を慰めたくて私は彼の頭に手を伸ばしたが、彼女でも無いただの幼なじみだし、と思ったら自然と手は引っ込んでいた。
しばらく黙って座っていれば
彼がいきなり顔を上げこう言った
「教えてやったんだからお前もなんであんな事しようとしたのかちゃんと言え。」と真剣な眼差しを向けられ、これは逃げられないなと思い白状した。
「貴方に彼女が出来たから」と言った瞬間彼の顔は赤くなり私はまた驚いた。
そしてまた彼が口を開いた
「俺もお前の事好きだよ、お前の事かき消したくて彼女作ったけど結局傷つけちゃってさ。」と俯く彼。
両思いだったのを知り嬉しさが絶頂に達し思わず彼を抱きしめた。
そして私はこう言った
「絶対に悲しい思いとかさせないから、付き合ってください。」と私は震える声で伝えた。
彼は笑った、そして真剣な表情になり。
「俺が先に言いたかったのに、よろしくお願いします。」と見たことも無い笑顔で伝えてくるもんだから私は泣きじゃくってしまった。
暫くして泣きやみ、彼に手を引かれ柵の中へ戻り
手を繋ぎ教室へ戻った、恥ずかしかったけどそれ以上に嬉しかったからなんとも思わなかった。

ありがとう。

6/21/2023, 5:33:58 AM