『あなたがいたから』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【あなたがいたから】
じわじわと頬を汗が伝う。雲ひとつない真っ青な空が目に痛い。気持ちわ落ち着けるために、深く息を吐き出した。
夏は嫌いだ。イヤなことばかりを思い出す。暑くて、苦しくて、悲鳴をあげても誰も助けてはくれなかった。幼い日の癒えきることのない傷痕が、私の心臓を冷たく覆い尽くしていた。
「やっぱりさ、夏って良いよね。空が綺麗で!」
あなたの朗らかな声が、不意に鼓膜を揺らした。にっこりと無邪気に笑ったあなたは、私の顔を至近距離から覗き込む。
「ねえ、今度一緒にひまわりを見に行こうよ。有名なひまわり畑が近くにあるらしいんだ!」
弾むような声が耳に心地良い。私の過去を知っても、『かわいそう』だと決して言わなかった、ただ一人のひと。その存在にどれだけ私が救われたか、きっとあなたは知らないのだろうけれど。
「うん、良いよ。一緒に行こう」
気がつけば胸を埋め尽くす不快感は、すっかりとどこかへ消えていた。あなたと繋ぎ合った手の温度だけを全身で感じながら、私は静かに瞳を閉じた。
――あなたがいたから。大嫌いなこの世界で、それでも私は息をしている。
あなたがいたから…
高校時代に付き合っていた彼に言われた一言は今も私を元気付ける。
中学生の時、私はちょっとやんちゃをしていた。それを知っている子が、彼に「あいつ中学の時悪かったんだぜ」と話しているのを聞いてしまった。
高校生の私は中学生のころの面影はなく、どちらかというとまじめ…彼にがっかりされて、嫌われるかもしれないと不安がよぎったそのとき…
「それは中学の時のことでだろう。だから何?今は違うんだかから、それでいいんじゃないの」と半分怒った口調で相手に言い返した。
予想もしなかった彼の言葉が嬉しくて胸がいっぱいで…
信頼されることの喜びを感じた瞬間でした。
あなたがいてくれたから、本当に楽しい高校時代を遅れました。
心からありがとう。
ただなんとなく生きていた。
流されるままの人生。
都会の雑踏の中にいると、ときどき自分が存在していないんじゃないかって錯覚する。
スクランブル交差点、行き交う人々。
真ん中で立ち止まってみた。
誰もが邪魔者扱いして通り過ぎて行く。
そんな現実に少し安堵した。
「――何でとまってるの?」
たった一人、足を止めた。
目の前のその人は、真っ直ぐこっちを見ている。
全てを見透かしたような大きな瞳、
そこに映る『自分』が見えた。
瞬間、生まれて初めて、本当に生きてるんだって思えた。
これが君との出会い。
君こそが存在証明。
『ワンダーフォーゲル』
この七並べが終わったら きっとあなたとさよならだ だから僕はいかさまをする 山になるトランプ さめざめとクローバー 寂しさはすっかり居候してる この山はきっと一人で越えられないだろう 恋人なんてとうに過ぎてる 二人で登ろう 頂上で疲れきってオレンジを頬張ろう
『あなたがいたから』6/20
アナタが居たから、
私は、頑張ろうと思えた。
アナタが居たせいで、
私は、努力なんて無駄だと思えた。
アナタが居なくなったから、
私の人生が楽しくなると思えた。
でも、あなたがいたから、
私が、私らしくいられたと思えた。
あなたがいたから。
それは"あなた"に責任を押し付ける言葉。
プラスの意味で使えばいいけど、例えば、あなたがいたから私は暗算が苦手になった、と続けたら、暗算が苦手なのは自分のせいなのにあなたのせいにしてることになる、そんな、身勝手な非難もこもった言葉。
でも、実際。
こちらが考える暇なく暗算の答えを言われたら、自分で考えることを放棄したくもなる。
負けず嫌いとは程遠い性格なのだ。
私は。
あなたとの関係を聞かれたときに、お決まりのセリフのように『幼馴染』だと答えちゃうけど、いつもどこか腑に落ちないのは昔から。
それは好きな人だからって、ちょっと前まで思ってたけど、今は好きなんだけど、付き合いたいとかそういうんじゃなくて、なんていうか…恋愛的なやつは薄れてるのかな?
考えをまとめようと思い出を引っ張り出してみるけど、ふざけあった日々に勉強を教えてくれたこと、頑張って作ったお菓子をちゃんと最後まで食べてくれたこと。
あとは…たまにムカつくし、クラスメイトには優しくするくせに私にはたっっまぁにしか優しくしないし、私と話しててもスマホばっかり見るし、話を本当に聞いてるのかわからない態度だし。
引っ張り出せば出すほど、いいところ4割、悪いところ6割で悪いところが勝ってるんだけど(笑)
でも、あなたがいてくれたから救われたこともたくさんあって、だからってわけじゃないけど、私にとって「大切にしたい人」なのは昔から変わらない。
それはきっと変わることがないと思いたい。
だからさ、今はその揺るがないもので結論をだしちゃうね
今の私の答え。それは………
あなたは私の『大切な人』です。
テーマ:あなたがいたから
お題
『あなたがいたから』
「ねぇ、颯(はやて)今日ね、新しい友達が出来たの。」
「これも全部颯のおかげだよね……」
私はそういい、ふっ、と笑みを零した。
高2の春
私は陽キャでもなく陰キャでもない、誰1人話す人もいない。そんな毎日を送る能無しの人間だった。
高1では3人の友達。私含めて4人で仲良くしていたけれどその3人とは離れ離れになってしまい、元々コミ障なせいで、1ヶ月がたち5月になった今でも話した人はいない。
ある日、高1の時の友達の1人に会った。
「やっほ!麻里(まり)!」
「新しいクラスどう?」
「全然(笑)まだ仲良い人いないよ」
「そういう美奈(みな)は?」
「私?私も全然だよ笑笑」
「みなー?」
「あ、ごめん呼ばれてる!じゃあね!麻里」
「あ、うん」
なんだ、友達いるじゃん、”嘘つき”
『ねぇ、』
「ひゃっ!」
「誰……!」
いきなりすぎて変な声を出してしまった。
「す、すみません!私に何か用ですか?」
きっと、人違いをしただけだ。
私に話しかける人なんていないから…。
そう言って自分を落ち着かせる
『えぇっと、麻里ちゃんだよね?』
「へ?」
『あれ、違った?』
突然すぎた、私の名前を知ってる人がいるなんて
「あ、いえ、あってます。」
『あー、良かったw間違えるかとw』
「それで、えっと……」
『あー、ごめんごめんw本題言うの忘れてた。』
『麻里ちゃんってさ国語係だよね?』
「あ、、はい。」
『俺同じクラスの颯って言うんだけどさ、』
『そんなことはどうでもいいか、みんな待ってるんだけど』
「あ、ごめんなさい。」
やっぱそうだよね、そういう理由だよね……笑
勘違いしてバカみたい、
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「み、皆さん、国語のノート提出してくださ…い。」
ガヤガヤガヤ
誰も見向きもしてくれない。
はや……誰だっけ。その人嘘ついた?
みんな待ってるって……
と、とにかくはやく集めなきゃ!
「ノート……出して……っくだ」
『みんなーノート出そー!』
「あ、っ……」
「え、颯ナイスすぎw」
「それな、w忘れてたww」
「え……?」
「麻里ちゃん、だっけ。ノートここ置いておくね」
「あ、はいっ!」
名前……覚えててくれてるの……?
仲良くできないって思ってたの私だけ?
というか…………
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『ごめんっ!嘘ついて』
「いや、全然」
「むしろ教えてくれてありがとうございました。」
『……。ねぇ、麻里ってさなんで誰とも仲良くしないの?』
ドキンッ
「あ、えーっと、自分に自信が無いから…とか?」
自分のことなのに何故か疑問形になってしまう。
『え?自信?麻里は可愛いじゃん』
「ん……?」
『俺さ、実は去年から麻里のこと見ててずっと好きだったんだ。』
『突然でごめん。ずっと話しかけたかった。でも最後の日になっちゃって……』
「最後?」
『俺、心臓の病気でさ、明日から入院するんだ』
『今まで話しかけれなかった分今日話せてよかった。』
『また続きは来年話そ?バイバイ』
颯……くんは自分のことを早口に話してからそそくさと行ってしまった。
”来年”その言葉を信じて待っていたけれど颯が帰ってくることは無かった。
でもあの時颯が話しかけてこなかったら今の友達はいないだろう。
"わたしたちは双子だから何があっても一緒だ"
そう言っていた兄さんは争いで命を落とした。
兄さんの死は耐え難く、ぼくの心は深く暗い。
父さんに頼んでぼくは兄さんの元へ行くことにした。
最期に見た父さんはとても悲しそうだったけれど、ぼくは兄さんの元へいけることが嬉しかった。
父さんはぼくたちを星にしてくれた。
兄さんが一緒にいてくれるからぼくたちは夜空で輝けるんだ。
#あなたがいてくれたから
貴方がいたから、私はこうやって生きてこれたの。
貴方がいたから、このクズな世界を愛してみようと思えたの。
貴方がいたから、下らないと思っていた感情に振り回されてもいいと思えたの。
私の乱れた髪を、そっと撫でてくれた貴方の手が恋しくてたまらないの。あの時と同じくらいに髪を乱れさせてるのに、貴方の撫でてくれる手の温かみは一向に感じないの。
だめなの。だめになっちゃったの。ずっとずっと蹲ったまま、動けなくなっちゃったの。
あなたがいたから、わたしはいつも通りのわたしでいられた。
あなたが誰かに殺されたと聞いて、わたしはわたしではなくなってしまった。
だけれど、あなたがいてもいなくても、世界が回っているし、いつもと変わらないニュースが流れてくる。変わらず昼と夜が繰り返されていく。
まるで、あなたがいなくなったことに世界は気づかないみたいに。
知ってる人でさえも、数日たてば、あなたのことが話題に出ない。 なぜ? あなたがいないことを誰も語ろうとしないのは。
お願いだから、あなたがいた事実までも殺さないで。
あなたがいたからやれたことも頑張れたことも沢山あったの。
だけどね、もう今は見たくないよ。
もう頑張れないよ。
だってあなたに会う度に泣きたくなって泣きそうになるから。
でもあなたと会えたこと後悔してないよ。
あなたがいたからできたことなんて数え切れないほどたくさんあるもん。
だからね、ありがとう
「あなたがいたから、私は今生きてるの。あなたは私の希望で神様で命でもある。これからも頑張ってね。」
「ありがとうございます。」
あまりにも重い言葉に、当たり前に笑顔で返す。
すると、彼女はとても嬉しそうに笑って、手を振って去っていく。
それに振り返すと、小さく悲鳴が上がった。
ああ、馬鹿らしい。
そんなことを思いながら、次にやってくる人に対応する。もちろん笑顔だ。研究しつくした、最高の笑顔。これでいろんな人を騙してきた。わたしの持つ武器だ。
「大好き、本当に。今日、始発の新幹線に乗ってきたの。本当に会いたくって。」
「ありがとうございます。」
少し高く甘く、それでもくどくはない声。これも研究を重ねた結果生まれたものだ。
目を合わせて相槌を打ちながら感謝の言葉を繰り返す。
こんな機械的な仕事がしたくて、女優になったわけじゃないのに。握手会なんてアイドルみたいな馬鹿っぽいことを提案した社長の顔を黒く塗り潰す。そういえば、写真集の発売もあいつが言い出したことだった。
ため息を吐きたくなったけれど、わたしは相変わらず笑顔を浮かべて馬鹿の一つ覚えのように「ありがとうございます」を繰り返している。
ああ、本当に。
大好きだとか使い古された言葉も、自分を人に支えさせるような言葉も、全部耳を通り抜けて、心を滑ってどこかへ落ちていく。
もう疲れた。それでもわたしは笑顔で居続ける。
今日はアイスクリームを一年ぶりに食べよう。
そう決めて、それでも誰にも悟らせないように変わらぬ笑顔で知らない人の手を握る。
「ありがとうございます。」
あなたがいたから
こどものように
わがままいえた
あなたがいたから
こどものままに
わたしでいれた
あなたがいたから
こどものなかに
いつでもとびこめた
あなたがいなくなったら
こどもにかえろう
あなたとともに
あなたがいたから 今の私がある
あなたがいたから 前を向いて 歩んで行ける
あなたがいたから 心が豊かになれる
あなたがいたから どんなに苦しいことも乗り越えられる
あなたがいたから 未来への希望が持てる
いつも 見守ってくれてありがとう感謝してます
「あなたがいたから」
しんどい時でも頑張れたし
頑張ろうと思える
【 父 】
人生は太く短く⋯それが俺の生き方やと思っとった⋯。
でも、お母さんと結婚して、お前らが生まれて⋯がむしゃらに家族ってもんを俺なりに過ごしてたら⋯
もう気がついたら70越えてたな⋯。
不思議なもんやな〜⋯俺、60くらいで御の字や思てたんやけどな(笑)
まあ、あとの人生は適当にのんびり人生楽しむわ⋯
あ〜…あと、たまにはお母さんに電話したれよ⋯。
俺か?
別に良いわ⋯俺は⋯。
まあ、何かあったら電話しに来い⋯まあ電話しても寝てたら電話出ーへんけどな⋯。
どうせ⋯毎日、暇やから大丈夫やろ〜けど(笑)
じゃあそろそろ散歩行ってくるわ⋯。
酒?どうやろな?途中で買うかもな?
あーわかっとる、わかっとる程々に飲むは⋯多分な(笑)
テーマ【あなたがいたから】㉖
#あなたがいたから
あなたがいたから今の私がいて
あなたがいたからこんなにも楽しくて
あなたがいたから可愛くなろうって思えて
あなたがいたからとっても幸せで
あなたがいたから好きって気持ちになれて
あなたがいたからすごく頑張れる
あなたがいたから強くなれる
あなたがいてくれたから私は私でいられる
大好きなあなたがいてくれたから、、
あなたがいたから
苦手な勉強も
体育も
頑張れた
生きることも
「待って!!その人は違うの!!お願いだから、お願いだから連れて行かないで!!」
あなたはわたしにはじめてやさしくしてくれたひとだった。
暗い深い闇から手を差し伸べてくれて、狭く孤独な監獄から救い出してくれたのはあなただった。
わたしはあなたと一緒に入れればそれでよかった。たとえあなたが、人殺しだとしても。
住んでいた村に、あなたが人殺しだと判明してしまった。わたしは助かった。あなたは助からなかった。わたしと同じ、暗い深い闇に呑まれていくんだな。そう思うと、冒頭のように叫んでしまうのだった。
「あなたがいてくれたからっ、わたしはたすかったの、今度はわたしがたすけないと、意味が無いの、あなたが、あなたがいなかったら、
わたしはどうしたらいいの…?」
「君はいつか、僕じゃない誰かを助けてね」
「それが僕からのさいごのお願い」
あなたは眉を下げて困ったように笑う。
わたしの涙は、意思と反対に溢れてくる。
「…あなたがいてくれたからっ、あなたのおかげでわたしは生きることができたの、だからっ、わたしから、あなたに、」
「「ありがとう、だいすきだよ」」
_2023.6.20「あなたがいたから」