ただなんとなく生きていた。
流されるままの人生。
都会の雑踏の中にいると、ときどき自分が存在していないんじゃないかって錯覚する。
スクランブル交差点、行き交う人々。
真ん中で立ち止まってみた。
誰もが邪魔者扱いして通り過ぎて行く。
そんな現実に少し安堵した。
「――何でとまってるの?」
たった一人、足を止めた。
目の前のその人は、真っ直ぐこっちを見ている。
全てを見透かしたような大きな瞳、
そこに映る『自分』が見えた。
瞬間、生まれて初めて、本当に生きてるんだって思えた。
これが君との出会い。
君こそが存在証明。
6/20/2023, 1:01:17 PM