8月。夏休み真っ盛り。
プールの帰り道、僕たちは寄り道をする。
――「今日も良い天気だ~!プール楽しかったー!! 明日も晴れかな?」
なんて何気ない話。
でも本当は、明日も遊びに行こうよ!って言いたい。宿題はまぁ、うん。なんとかなるよね!
――「たぶん晴れだね~。明日も暑そ~!」
――「じゃあさ明日、晴れたらさ…」
―――「「遊びに行く??」」
2人で笑った。考えてることは同じ。
次の日はもちろん晴れだ♪
夏の朝
日の出まえの
まだ涼しい時間。
周りに誰もいない
静かで
どこか違う世界みたいな雰囲気。
見慣れた景色なのに
不思議な感覚がする。
この時をひとりじめしたい。
だから今は、
一人でいさせて。
都会の濁る空の下、
君の瞳は澄みきったまま。
宇宙まで見えてるんじゃないかって、
そんな透明感を放ってる。
繁華街、澱んだ空気、
君の瞳は透き通ったまま。
心の奥を読めるんじゃないかって、
そんな純真さを振り撒く。
君は清らかすぎるね。
その曇りのない両目には、
混沌とした世界はどう映ってるんだろうか。
明けない夜はないよ
止まない雨もないよ
嵐だっていつか過ぎ去るから
安心していいんだよ
私だけはずっとあなたのそばに…
太鼓の音が聞こえる。
赤と白の提灯に、ぼんやりと照らされた道を進む。
下駄がカランカランと鳴った。
さぁ、夏祭りのはじまりだ!
人々のざわめきと、香ばしいにおい。
色とりどりの浴衣は、まるで景色の一部だ。
ここにいるだけでドキドキする。
お祭りって楽しいな♪
狐のお面をつける。
かき氷を買った。冷たくておいしい。
水風船をとるのは難しいなぁ。一個だけだ…
射的でおもちゃをとった。水鉄砲だぜ!
盆踊りの輪の中にまざって踊る。
その中に、同じお面のやつがいた。
「あ」
「ん? …お前!」
どうやら気付かれた。
「なんでひとりなんだよ?! ダメだろ!バレたら怒られるぞ!」
「君もだよね」
「あー!そうだった。とにかく俺とは会ってないし、お前も来てないことにしろよ?」
「わかったから、一緒に遊ぼうよ」
「えー、まぁいいけど…
ヒトビトに気付かれてないだろうな?」
「これがあるから大丈夫だよ」お面に触れた。
人混みに紛れた人間ではないものたち。
お祭りにはたくさんやってくる。