『あじさい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あじさいが咲く頃の
雨上がりの夕暮れは
空が信じられないくらいに
赤く染まることがある
どこからともなく
聞こえてくる子供達の声は
僕の心に心地良く響いて
何となく心が温まるのさ
さっき別れたばかりなのに
もう…君が恋しくなるなんて
今までに感じたことのない
この感覚と胸のざわめき
多分…これが愛なんだと
そう感じる
あめが降ると
じかんが止まる
さいごの夜に
いつもの戯言
#あじさい
あじさい
あじさいが咲きましたね。今、貴方の心は何処にありますか。
日々家
道に咲くあじさいを見ると、梅雨と夏が近づいてきたなと思う。そして、そう思うことが年々早くなってきた気もする。
歳をとると1年が早く感じるというのは本当なのだなと感じた。
移り気なこの色は君が染めた色
わたしはただ空ろに咲むだけで
/お題「あじさい」より
『あじさい』🧡
この時期になると現れる。
様々な色をして
可憐に咲く。
僕の心をひきつける
その小さな花は
憧れでもある。
あじさい
雨に濡れて…
あなたの涙に
惹かれ…
ときめいた
でも…
あなたは他のお花を
想っているの
切なくて…
胸が痛む
愛してる
彼があの日私にくれたのは白い紫陽花だった。
白い紫陽花の花言葉は「一途な愛情」
反射的にOK出しちゃった。
私も彼が好きだから本当に嬉しかったの。
彼が久しぶりにくれたのはピンクの紫陽花だった。
ピンクの紫陽花の花言葉は「強い愛情」
あの頃から変わらない愛をくれてたことが嬉しかった。
きっとこれからも愛し愛され生きていくのだろう。
ーそう思ってた。
次の日、彼は亡くなった。
彼が死んだ場所の近くにはたくさんの紫陽花が咲いていたの。
ピンクや白の紫陽花の中に、青や紫の紫陽花も隠れている。花言葉はいいものだけではない。
ー「移り気」、「浮気」
紫陽花にはそんな花言葉もある。
彼の部屋からは浮気の証拠となるものがゴロゴロ出てきた。
…なんとも言えない気持ちになった。
貴方は亡くなってしまった。
だからどうしてやろうとかは思わない。
でも、私は貴方が好きでした。
いつもくれた紫陽花はピンクや白だったね。
実は、青や紫の方が好きなんだ。
…そっちの方が花言葉も私に似合う。
お題『あじさい』
青の紫陽花の花言葉「無情」
移ろうはあなたの心か、ぼくの方か、
思へば思へ、狂い咲く花よ
梅雨どきに愛らしく咲き癒されるたとえ謎の毒秘めた花でも
題-あじさい
#あじさい
木々の間を、六月の雨が通り抜けた
のちに静かに落ちていき、大地の一部となる
人間たちはその地を踏み締めて歩んでいく
一つの傘に、二つの足跡
少し嬉しそうなアマガエルの鳴き声
ゆっくりと進むカタツムリたち
時折、足を止めて私に目を向けてくれる人もいた
普段よりも少し暗い
じめじめした空間
どれもこれも、何度も見てきた景色
桜の咲く暖かい季節
彼岸花の咲く涼しい季節
そういう景色も、本当は見てみたいと思ってる
でも、やっぱり私にはこの時期が合っているのかも
雨に打たれながら、こうやって笑ってることが
一番の幸せだから
そういえば、校舎の傍にあじさいが咲いていたのを覚えている。ずらーっと並んでいて、他の人は気にもとめない。「花なんてどこにでもある。」きっとそう思っているのだろう。わたしも去年まではそういう人間だった。君につられてしまうまでは。
初めて君と話した日、部活動見学に行くと教えてくれたので着いて行った。部活に興味は無かったものの、何か君に惹かれるものがあったので、君への好奇心で入部を決意した。君と関われたら何か変われる気がする、と、私の本能が示したのだ。そして、わたしの入った部活は季節感をよく意識する事がわかった。季節の置き物、季節の言葉、そして、季節の花。お花が毎日入れ替わり、その度「今日はこういった花でね、」と、先生が教えて下さる。その習慣が根付いたおかげで、外で花を見ると「どのお花かな…、こんな季節もあったな」と、季節の趣を感じるまでにも成長した。
きっと、毎日に溢れている自然のものの、その愛おしさに、私たち日本人はもっと目を向けるべきなんだ。でないと、本当に幸せなことを見逃してしまう。小さな幸せすら大切にできないのに、大きな幸せを大切にできるわけがないのだ。あの時感じた私の本能は、確実に正しかったと思う。変われたのは、心の中の幸せを導くための触覚を持つこと。そして何より、わたしの腐り切った恋心を君が光と照らしてくれたことだろう。
“あじさい”
題【あじさい】
あじさいが咲いているのを見ると、梅雨の時期がきたな~。って思ってしまいます。
梅雨ってちょっと悲しいですよね。
気持ちが落ち込む。
でも梅雨が来ないと水不足になる、っていうよね。
まあ、雨も嫌いじゃないけど。
あじさいを思い浮かべる時は、だいたい雨が降っている情景がセットで浮かんでくる。
色は淡い水色。たまにしおれてるものもある。
子どもの頃に行った、あじさいに囲まれながら歩けるお寺を思い出した。
エピソード付きの記憶より、景色だけの記憶ばっかり残ってて、昔の自分は何を考えてたのか、あんまり分からん。
あじさいを見るとしっとりとした気分になって、お肌も両生類並にしっとりしてくる気がする。だけ。
あじさいががっこうにさいた
とってもきれいだった
なんにもようはないのに、あなたをみにいくためにあゆ
んだ
かれてしまえばみにいけないのかな
いつまでもきれいにさいてるとはかぎらない
あじさいががっこうにさいた
なんとなくさいているちっぽけなはなだ
たったの
にしょくしかさいてないけど
あじさいががっこうにさいた
えごころをくすぐられるようなはながさいた
るりいろだった
のどかながっこうにさいたちっぽけなはなだ
《あじさい》
かつての相棒が私の様子を見に来てくれた。
渓谷に咲いていた、とあじさいを手にして。
園芸用によく見られるそれとは違い、たくさんの蕾の周りにぽつりぽつりと咲く様が可愛らしい。
滝が落ちる涼やかな光景を思い出しつつ、青や白のあじさいを眺める。
「移り気」「浮気」なんて、色の変わり具合を揶揄するような花言葉が有名だったけれど。
私は、異国の医師の恋愛話から来た「辛抱強い愛」が好きだなぁ。
遠く離れ離れになっても互いを想い続けた医師と妻。
自分はそんな風になれるかな。
決して出会うことのない彼。遠くから見ているだけだったあの頃ならばそんな幻想も抱けたけれど。
隣に立てる喜びを知ってからは、離れる怖さがムクムクと大きくなる。
まるで光を浴びて出来る影のように、光が強ければまた影も強さを増す。
ダメだダメだ!
両手で自分の頬をパチン!と叩く。
金属製の家具の中、青いあじさいが目に映る。
大丈夫。彼は本当に辛抱強くて優しい人。それは絶対に変わらない。
ならば、私の想いも変わることはない。
彼の強さを見習って、私も強くあろう。
気合を入れ直して立ち上がり、部屋を出る。
白いあじさいが揺らめいた気がした。
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ヤマアジサイの青と白のイメージで書かせていただきました。
母親の誕生日プレゼントに、ピンクの紫陽花の髪飾りを買った。花言葉は「元気な女性」。喜んでくれるといいな。
【あじさい】
あの人に出会ったのはある雨の日
紺色の傘を差して佇んでいた彼の背後には
青い紫陽花がたくさん咲いていた
彼の白い肌にその青がよく馴染んでいて
世の中にはこんなにも紫陽花が似合う人が居るのだと
初めて知った
やがて彼は紫陽花へと手を伸ばし
しばらくすると細い指先が何かを捕らえたのが分かった
よく見るとそれは蝸牛だった
細い指の上、ちょこんと乗った蝸牛
これはこれで似合っていた
そして
彼が蝸牛に向かって微笑みかけたのにドキッとして
私はそのまま恋に落ちてしまった
それから彼を見かけたことは一度もないけれど
紫陽花を見ると彼のことを必ず思い出す
あの紺色の傘
あの白い肌
あの指先
あの蝸牛
あの微笑み
あの日見た光景の全てが
一年経った今でもはっきりと思い出せる
あの人のことは何も知らないけれど
雰囲気や仕草、笑顔
どれも好きだった
まだ新しい恋も見つけられていない
あの人より心惹かれる人に出会えていない
紫陽花の青のように淡い色をした恋心は
今も消えることなく私の胸に残り続けている
【あじさい】
花に興味がないせいか、花瓶に活けられた紫陽花を見て「ああもうそんな季節か」と思うだけだ。風流を理解できれば魅力的な人間になれるのかもしれない、が、机に飾られたそれを見て「花がある」としか感想を抱かない辺り、あまり望みはなさそうだ。
その土地に素直に馴染んで、
素敵な彩りを見せてくれる、
紫陽花の花たち。
紫陽花のように、
素直なこころでありたいな。