あいまいな空』の作文集

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あいまいな空』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

6/15/2024, 3:58:36 AM

晴れない顔をしてどうしたの?
何か悩んでいるの?

いっそのこと、
季節外れの雪でも降らしてパーッとしちゃおうよ

#あいまいな空

6/15/2024, 3:55:07 AM

曖昧なのは、未だ梅雨入りしていない天気ではなく、私自身だ。

離婚して息子と2人で暮らしながら、今の仕事をしている。子供の将来のためにはもっと収入の良いところに転職した方がいいのかな?。子供との時間を優先するなら、もっと時間が自由になるところに転職すべきかしら?

けれど貯金が少しできる収入と毎日ではないけれど定時で帰ることや有休をとっても文句を言われない、今の会社から転職するのが本当に最善?なんて考えてばかり。
迷ってばかりで決断できず、資格を取るみたいな些細な行動すらおこせずに、日々に追われて生活しているのだ。
そのくせ、この前の雨の夕方、後輩君からの突然の映画のお誘いに一瞬ときめいたりして。即、断ったけど。最後に映画に誘われたのはいつだったっけ。



そんなことより。
さぁ、どうするんだ私。どうしたら良いのだろう私。


(一部加筆修正いたしました)
お題「あいまいな空」

6/15/2024, 3:48:56 AM

雨が降ったり止んだり、一日ずっと繰り返している。
傘が手放せなくて、水を纏ったびちょびちょの折りたたみ傘を後生大事に持っているが、この傘を差す度に、いいかげん新しい傘が欲しいと思う。
でも毎回買うタイミングがなくて、ずっとこの色褪せた水玉の傘を手放せずにいるのだ。
新しい傘との出会いがまだなのか、この傘がまだやれると粘っているのか。
まだ当分は雨の日の相棒でありそうである。

6/15/2024, 3:46:38 AM

「こんにちは、雨の件でお越しですね。私が雨散らしです。そして、後ろに」
「僕が雨呼びです」
黒衣の二柱を目の前に、緊張はピーク。
でも、祈りを伝えるべく、震える唇を無理やり開く。
来週末の地区予選が終わるまで、梅雨入りを延ばしてほしい。どうか、お願いします。
「部活のマネージャーさんって、昔も今も熱心だよね」
「本当に。どうして寿命投げ打ってここに来ちゃうんだろう」
不思議だね、と言いながら、少し微笑んでくれた。
それが、最後の記憶。

【あいまいな空】

6/15/2024, 3:46:35 AM

天気予報では晴れと言われていたが、今見上げている空は雲がたくさん広がっている。中学生の頃の古い記憶の中で、眼鏡に白衣姿のおじいちゃん先生が言っていた。

「雲が八割以上、空を埋めているとくもりとなりますぅー。反対に八割以下だと晴れ予報、なんですよねぇー。今日は雲が大変多いので勘違いしそうになりますが、雲と青空の割合がぁー、目測でぇー、まぁー、だいたい半々くらいなので、この新聞、あっ、今日の朝刊なんですが、これに載っている晴れ予報は正しいんですよぉー」

 よく分からないところで語尾を伸ばすその先生は、それでも優しくて理解のある人だった。物事をハッキリとさせたくない、まずいことになったら逃げて何事もなく振る舞いたい。そんなズルしたい気持ちを、よく理解して、でも諭して正しい選択肢へ導いてくれる先生だった。生徒から人気の高い先生だった。

「あのぉー、話聞いてた?」

 中学生の頃を思い出して感傷に浸っていたら、目の前に座るタケルに話しかけられた。私はカフェの窓から空を眺めていた目線をタケルに戻す。テーブルに両肘をついて、アイスコーヒーのストローを意味もなくぐるぐる回すその仕草が以前まで可愛かった。可愛いと思っていたのに、今は無性にイライラしてしまう。
 私はすっかり大人になってしまった。あの頃、曖昧な答えでも良しとしていた自分はいない。白か黒かハッキリさせたいし、曖昧な答えになるならなぜそうなるのか追求しないと気が済まなくなってきた。
 私は背中と背もたれの間に置いていたハンドバッグを、膝の上に移動させた。テーブルの上に置いていたスマホを手に取る。画面をチラッと見て、ボイスレコーダーがしっかり作動していることを確認した。

「ちょっと、今、俺が真剣に話してんだけど」
「え? これ? 今までのアンタの真似だけど」

 ムッとした表情を浮かべたタケルに、表情一つ変えずに私は言った。タケルはぐっと口を強く結んだ。

「話の焦点が分からなかった。私と付き合っておきながら、他の女性にちょっかいをかけて。それも複数人と関係を持ってた。その中の一人に既婚者の女性がいて、その人の旦那が激怒してその奥さんとアンタに慰謝料を請求してるってことは理解した」
「なんだ、ちゃんと聞いてるじゃん」
「でもそれが私にどう関係しているの?」

 私がそう言い放つとタケルはポカンと口を開いた。

「だって私たち、たった今、別れたじゃない」

 タケルの目がこぼれ落ちそうなほど見開かれた。
 私の口はまだ止まらない。

「仮に付き合っていても、だから何? って話。アンタが支払わなきゃいけない慰謝料を、私が肩代わりするべき根拠がどこにあるの?
 それとも何。私なら泣き落としでどうにかなると思ってるの? そんな甘ちゃんだと思われてたの? 三年も付き合えば人となりは分かるはずでしょう。私のどこを見てそう決めつけたの? マジどの女と勘違いしてんの気持ち悪い」

 開いた口が塞がらないらしい。でも言いたいことがあるのか、タケルの口がぱくっと動く。驚きのあまり声が出ないようだが。
 私はテーブルの隅に置いてある伝票を手に取って立ち上がる。ハンドバッグの中にスマホをしまい、最後にもう一度タケルを見下ろした。タケルは立ち上がった私を見ることなく、ただ呆然と座っていた。

「謝罪の一つもないのね。いらないけど」

 私が言うや否やタケルはハッとして私を見上げた。

「ほんとごめん、なさい、ミカ」

 目を潤ませてタケルが言った。私はにっこりと笑顔を浮かべた。

「私、アリサだから。その謝罪は受け取れないわ」

 トドメを刺せたようで、固まって動かないタケルを一瞥して私はカフェを後にした。
 外は青空に白い雲が浮かんでいる。遠くの方にある雲は黒っぽい。日差しが出て暑い空気なのに、冷たい風が吹いている。もうすぐひと雨、来るのかもしれない。
 私は駅までの道を歩く。軽やかに足が動く。不安定な空の下、私の心は快晴だった。


『あいまいな空』

6/15/2024, 3:42:38 AM

空模様は、曇天。

 とはいってもその色合いはライトグレーで、雲の層も重苦しいものではない。

 給湯室の脇にある、そう広くもないカフェスペースでスマホの天気アプリを起動してみる。

 一つは、夕方ぐらいから小雨を予測し。
 もう一つは、曇りのままと表示されている。

 ふむ、と僕が首を捻っていると。

「お疲れさまでーす」

 同僚の女性二人がやって来た。

「お疲れさまです」

 会釈すると、僕と目を合わせたショートカットの女性も小首を傾げた。

「どうかしました?」

「え、いや別に。……単に、これから雨が降るかどうか少し気になっただけで」

 ああ、と女性は合点して頷いた。

「取引先に行かれる予定でしたね——大丈夫じゃないですか」

 窓の向こうの空を確認して言う。

 連れ合っていた、ふんわり髪を片肩で一つにまとめている女性がえーっと声を上げた。

「私だったら傘、持っていきますー! 降られたらヤじゃないですか」

 この季節の雨って湿気で乾かないですし、と言うなりスマホをちゃちゃっと操作して画面を見せてきた。

「それに、見て下さいよ——可愛くないですか?」

 画面に表示されているのは単色ではない、色付きのビニール傘だ。

「あら可愛い」
「へぇ、ステンドグラス風だ」

 僕とショートカットの女性の同意に、ふんわり髪の女性社員は嬉しそうに、少し自慢気に微笑む。

「ですよねー! だから私は絶対、傘持っていきます!」

 こういう傘にしたら持ち歩きたくなりますよ、と言われて僕はいやいや、と手を振る。

「ちょっと派手かな、僕には」

 遠慮しつつ。

 だけど今や日傘だって性差なく市民権を得つつある時代なんだ、と考え直す。

 近い将来、僕もこういった傘を何の気兼ねなしに選ぶようになるのかもしれない。


「いくら可愛くても、荷物になるのは面倒だと思っちゃうわ。私は」

 ショートの女性がコーヒーを入れながら言う。

「うん、そこは確かに。僕もその派かな」

 そこへ、銀縁眼鏡の男性同僚がすっと入ってきた。

 彼の席は僕の近くだが、ほとんど喋ったことがないな、と思って声をかける。

「君だったら、今日みたいな日の外回りに傘を持っていくかい?」

「——は?」

 意外そうに僕を見て、彼は眼鏡の縁に指を当てた。

「私は、折りたたみ傘を常に持っていますから」

 なるほど、隙のなさそうな彼に相応しい答えだと納得する傍らで、女性二人が声を上げる。

「常に? えーっ!」
「何色の傘なんですか?」
「普通に黒ですが」
「可愛くなーい!」
「か、可愛く……?」

 生真面目な彼が目をパチクリとしばたたく様子が珍しくて、僕は慌てて口元を覆った。


 ——雨が降るか否や。

 あいまいな空模様のお陰で同僚の意外な表情が見れたのは、雲の切れ間の晴れ模様のようなものか。


 ……傘は、いらないな。

 僕は一人、空を見つめて頷いた。

6/15/2024, 3:42:18 AM

「『あいまい』ってなんだって、検索したのよ」
前回投稿分、13日のはやぶさの日を、まだ引きずっているらしい某所在住物書き。当時の画像を見ては泣き、当時の動画を観ては鼻をかむ。
弱い涙腺の面目躍如。歳をとるとは、かくの如し。
すなわち落涙のタガにガタが来るのだ。

「サジェスト検索に『アイマイミーマイン』だとさ。最初『何だっけソレ』って、約15年前の某『アイマイマイン』な歌と脳内で誤変換したわ」
単純に英語「アイ」の三段活用よな。懐かしいわな。
物書きはぽつり呟き、口をとがらせて、
「『曖昧な空』じゃなく『I My な空』とか一瞬閃いたんだ。……『どう書けってよ』って即ボツよな」

――――――

「でもね、昨日の話、藤森先輩のハナシによると結局はやぶさの育ての親の故郷、今アジサイあんまり咲いてないらしいの。見頃は7月頃なんだってさ」
「よく知ってるね」
「去年先輩から聞いた。『日当たりや周辺温度の条件が良い場所なら、ごく一部咲いている筈』って」
「藤森、そこの出身だっけ?」
「違うって言ってた」

土曜日だ。 土曜の午前営業だ。
相変わらず、ふぁっきん梅雨シーズン継続中。
職場は再拡大してきたらしい感染症への対策ってことで、換気機能付きの冷房と空調機をダブルで稼働中だけど、なんだろう、雰囲気が既に多湿。
窓の外は今のところ晴れてるけど、天気予報によれば、午後2時頃から曇り空。
降水確率40%の、たまにどこかで降ってそうな降ってなさそうな、非常にあいまいな空がずーっと続くとみられてる、らしい。
何度も言うけど、雰囲気的湿度が酷くて、蒸ッし蒸しだ。ふぁっきん(大事二度)

「ところでさ」
私のデスクの向かい側で作業してる付烏月さん、ツウキさんが言った。氷の入ったクラフト紙色の紙コップを差し出して。
「昨日、その藤森がちょくちょく通ってる茶っ葉屋さんに、言ってみたんだけど」
中身はミントをブレンドした台湾烏龍茶。
冷房使ってるとはいえ蒸し暑い雰囲気の店内。スッキリしたアイスティーは、ひとつの救いだ。
「今年の新発売ってのを、店長さんが丁度お店に並べてたの。ミント入り水出し台湾茶だってさ」

「丁度チョコ持ってる。付烏月さん2個あげる」
「後輩ちゃん、チョコミン党?」
「言うほどじゃないけど好き」
「月曜日、少しミントきかせたチョコ系プチマカロンか何かでも、せっかくだし」
「やった付烏月さん愛してる」

ところでお仕事、進捗は? 私を見る付烏月さんに、ひとまずリュックから出したチョコを2個シェアして、チョコ食べつつミント台湾茶飲みつつ。
これからあいまいに傾く予報の空と、じめっとした雰囲気が、ちょっとだけ気にならなくなる程度には、ミントの冷たさとチョコの甘さは偉大だ。
「そういえばこの近所に、おいしいチョコミントの専門店あるよ。去年見つけたの」
「『午前営業終わったら一緒に行こう』って?」
「別に、強制はしないの。でも付烏月さん、お菓子作り趣味じゃん。今後のアイデアのひとつにでも、ならないかなぁ〜、なんて」
「はぁ。そりゃどうも」

何度も聞いて悪いけど、本当に進捗大丈夫?
少しだけ心配色の濃くなっていく付烏月さんをチラ見しながら、私は知らんぷりのつもりで、もう少しだけミント台湾茶を楽しんだ。

6/15/2024, 3:39:33 AM

高次元存在から教わったこと 19
【地球は統合の種族を作る目的で
作られた】

ダーウィンの進化論は、ご存知かと思いますが
あれは地球を支配する者にとって、都合のよい
話です。
猿が人間に進化したり、ネコが何千年後に
トラになるなどありえません。

地球人は、どのように人間に進化してきたのかと
いいますと、今で言う類人猿が、他の星からの
存在による遺伝子操作によるものです。

遺伝子操作される前の類人猿は、魚や樹の実を採ったりして、まさに野性的な生活で今のような
叡智はありませんでした。

はるか昔の天の川銀河では、絶えず戦争が
繰り広げられました。
そこで、全く考えの違う他の種族が
たくさん集まることで
学びとなり、宇宙連合と宇宙意識による
統合の種族を地球で作ろうという計画が
ありました。


それから、他の星からの地球外知的生命体に
よる遺伝子操作に実験がたくさん行われました。
アンドロメダ、シリウス、オリオン、プレアデス
の遺伝子は地球との相性がよかったようです。

逆に、さそり座、いて座とは相性がよく
ありませんでした。

類人猿が今の人間のように叡智を持つように
なったのも、何万年もの歳月をかけて作られた
ものです。

地球人は、単一民族ではなく黒色人種、
黄色人種、コーカソイドなど様々な
人種、民族が存在しているのは、
他の星からの遺伝子操作による実験の
成果だと言うことになります。

地球は、統合の種族を作る目的
のために作られたことを知って、いかがでした
でしょうか。

6/15/2024, 3:27:34 AM

「この中でどの色が好き?」
「うーん」
朝、昼、夜。その三つだけに限定されただけの数多の色に魅力を感じたことは今まで無かった。

「私は今日の空の色が好き。」

三つのどれにも分類されない曖昧な色の空が私に唯一魅力を感じさせる。
それはいつだって、私たち人間がこの曖昧な世界に生き、その曖昧の答えを求めているからだと思う。

「あいまいな空」

6/15/2024, 3:19:02 AM

あいまいな空

 雨がふりそうでふらない空のことかな?それともなにか別の意味があるのかな。

 あー、今日はちょっと日記を書く気がしないな。昨日今日とあまり寝れてない。理由はわからない。

 一つ確かなのは年を取ると眠りが浅くなるってことだな。最近眠気がすごいんだけど寝ようとしても寝れないんだよな。きつい。

 なにか睡眠系の食品とかサプリを買おうかな。でも金がないんだよな。人生金がないとなにもできないな。

6/15/2024, 3:12:48 AM

あいまいな空

あいまいな空。雨が降るのか降らないのか
微妙な天気。

6/15/2024, 3:02:52 AM

あいまいな空を見上げると、まるで自分のようだなと思った。
はっきりしていなくて、今にも雨が降るような、雲が晴れて空が見えそうな
私はいつだってあいまいなんだ。

6/15/2024, 3:00:36 AM

あいまいな空
快晴でもなければ
曇天でもないような天気
絵の具の分量を間違ったみたいだ
いっそ雨でもいいのに
空が中途半端だと
こっちもなんだかすっきりしないな

6/15/2024, 2:56:36 AM

あいまいな空。

朝は青、昼は水色、夜は紫色。

でも必ずとその色という訳じゃないよね。

例えば、朝日が上がる時はオレンジっぽい色

昼から夜にかけては赤みがかったオレンジ色。

曖昧だなぁ。

6/15/2024, 2:53:38 AM

あいまいな空のときは貴方と二人でピクニックをする。
まぁ、ピクニックと言ってもベランダでご飯を食べるだけだけど。
貴方とたわいもない会話をして、二人で作ったご飯を食べる。
幸せな空。

6/15/2024, 2:53:28 AM

「あいまいな空」

はっきりしない天気

晴れなのか?

曇りなのか?

そんな天気にも似た

わたしの心

気分もスッキリしなくて

何もする気にもなれない

心に余裕がないのか?

色々なストレスのせいなのか?

特に梅雨時期はあいまいな空と

心は同じになりがち!

梅雨の中休みには

強い日差しなり

不快な暑さになるけど

そんな時こそ高原に出掛けよう。

高原の澄み渡る空を沢山、吸って

嫌な物を吐き出す。

気分爽快になるのは

自然の恵みがもたらす力だと

狭い部屋から飛び出し

自然からの力を貰いに出掛けませんか?

本来、人も自然と共に生きてるのたから♡

めぐみより

6/15/2024, 2:48:43 AM

曖昧な空にみえる。
心がくすみ、疑心暗鬼の時は。
心が晴れやかなら、土砂降りも楽しい。
君とずぶ濡れでよく帰ったよね。

6/15/2024, 2:44:59 AM

あいまいな空

北陸の天気は変わりやすい。
「弁当忘れても、傘忘れるな。」という言い伝えが
あるくらいだ。
特に冬は変わりやすく、1時間ほどの間に、
晴れ、曇り、雨、雪と天気が変化する。
北陸の住民は慣れっこだが、北陸新幹線延伸による
観光客の方々は、折りたたみ傘の携帯を勧める。
あいまいな空などと、ロマンチックなものではない。

6/15/2024, 2:36:00 AM

『あいまいな空』

雨が降るでもなく晴れるわけでもないぐずついた曇り空を部屋に無気力に転がりながら憂鬱な気持ちで見ている。あの人のことが好きなのにいつまでも言い出せないでいる俺みたいな天気だった。お前はずっとこのままだよと言われている気がしてきて、そんなわけがあるかと身を起こした。
“今何してる?”とメッセージを入れて、返事を待つ時間から逃げるように家を出て歩く。気を紛らわせていたかったけどスマートフォンの通知を気にしてはポケットから出しては仕舞うのを繰り返して、何度めかのうちに手の中で通知を受け取ったときは取り落としそうになった。
“今ヒマ”
曇り空が画面を覗き込んでくるのを睨み返してメッセージを打つ。
“好きなんだけど、どうしたらいい?”
送信ボタンを震える指で押すと体中の熱がカッとあがった。今度は怖くてスマートフォンを見ていられない。足が向かう先はもうよくわからなくなっていた。
ふとポケットの中でスマートフォンが長く震える。それはメッセージではなく通話の合図だ。ディスプレイにはメッセージを送ったあの人の名前が映し出されている。
「も、もしもし」
「あー、送る人間違えて無い、よね」
「間違えてない、です」
「なんで敬語?」
ふふ、と笑う声が聞こえるので少しだけ緊張がほぐれる。
「今ヒマだからさ、どっかで会おうよ」
「えっ」
「ダメ?」
「ダメじゃない、」
「じゃ、準備できたらまたメッセする」
通話が切れた画面を見つめて立ち尽くしているとディスプレイに水滴がついた。あいまいだった空からついに雨が降り出して、あたりには湿気た土のような匂いが漂っていた。

6/15/2024, 2:35:51 AM

あいまいな空



夏が霞んだみたいなあいまいな空を見た。

時刻は21時52分で、8月の真ん中で、蝉の声がうるさかった。

強く握りしめた拳が少し痛い。

制服のネクタイがいつもよりきつく感じて、首が縛り付けられているような感じがする。

いつも通りの赤いチェックの入ったスカート、少しくたびれたワイシャツ、スカートと同じ柄のネクタイ。

どこもかしこもいつも通りなのにうまく動けなかった。

夏祭りですくった金魚の入った夏を閉じ込めたみたいな爽やかな水槽からエアストーンがちゃぽんと音を立てて空気を吐き出す。

あなたから奢ってもらった握りしめすぎて少しへこんでしまった缶コーヒーがごとんと音を立ててフローリングに落ちる。

夏の湿気がこの空気感を逃すつもりもないっていうみたいに私にまとわりついて、離れなかった。

冷房が静かに角度を変える機械音、弱い春雷の日に似た低い換気扇の音、微かな夏の残響の中で私はただ泣いている。

あいまいな空を見てる。

こうしていると改めて思う、空って綺麗だ。

今日、初めてあなたと夜遊びと言っても差し支えないほどの時間まで遊……ぼうとしてた。

そんな時間まで遊べなかったのは、私があなたに言った、ぽろっと口から出てしまった『好き』っていう二文字にあるんだろう。

自動販売機の前だった。

私に間違えてボタンを押して買ってまった忌まわしき缶コーヒーを押し付けて、あなたが他の飲み物を選んでいる時に、夜みたいで、でも夕方のみたいな、夏の終わりかけのまだ少し明るい時間帯のオレンジのような、青のようなそんな夕日に照らされるあなたがとても綺麗で、つい、口から出てしまった。

その言葉に明らかに悪いほうに動揺するあなたを見て、言っちゃダメだったなって思った。

だから、逃げた。

走って走って走って、家にたどり着いた時、玄関を開けた時、一人暮らしでよかったって思いながら、失恋を、さっきの夕暮れみたいな夜を吐き出した。

そして、もうすっかり夜になってしまった、でも少し夕暮れを帯びている空を見て、もう一度、涙がこぼれてしまった。

あなたが好きだっていってた夏祭りのいちご飴のような甘さを含み、でも少し酸っぱい感じのする空は私の涙で覆われてしまっていた。



涙で掠れてしまった空だった。

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