『「ごめんね」』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【「ごめんね」】
友だちと喧嘩した。
悪いのは、あの子だ。
自分勝手で、わがまま言って…
そのくせ臆病で、勘違いしては周りと距離置いて。
いつもの通学路だって、いつもずっと一緒だったのに、彼氏が急に出来たら『あー、ごめん私今日から彼ピと一緒に学校行くから行くから。適当にその辺の人と登校してて』って。
そう言って早歩きで登校して。
……そして、彼氏と別れたら『アイツと別れた!ねー愚痴っていい?ムカつく!』って。
何言ってんだか。
こっちの方がムカつく。
…そう思いながら「そうなんだね」って言いながら、笑顔で話を聞く。
他にも、家族からの愛情や家族と温泉が有名な県に行ったり、懸賞で当たったからって言って家族全員で大きなテーマパークに行ったり……それを『本当は行きたくないんだよねー』とか『また懸賞当たったー。誰か行く?もう飽きたんだよねー』とかわざわざネットや学校で言う。
これが、あの子。
私は、懸賞なんて当たった事ないし、家族旅行なんて行ったことない。愛情も無い。
いつも罵られて、蹴られて殴られての毎日。
それを聞いたあの子は、『かわいそー。何かあったらいつでも言ってよ?友だちなんだからー何も言わなかったら絶交だよ?』って言ってくる。
ウザい。ムカつく。近寄んな。可哀想な子だからってこっち来んな。
…そう思いながら、「ありがとう」って言ってた。
ずっと耐えてきた。
約12年間ずっとずっと謎のマウントやら私病んでるから助けなさいよアピールやら彼氏が公務員とか同業者とか変なアピールしてきても、ずっとずっと我慢してきた。
ネットの人たちの集まりなのに、普通に私のこと本名で呼んでくるのもムカついた。私はあの子のことちゃんとネットネームで呼んでたのに。って思いながら。
喧嘩した理由は、我慢出来なくなってしまって、私がブチ切れてしまったことからの始まりだった。
「そうやって、ずっとずっと学生の頃から思ってたけどウザいんだよ。友だちだからなんでも言えると思うな!可哀想だからって近寄ってくんな!バカにしてんの!?大人ぶるなよ!お前も私と同い年のくせに!!」
って。
そしたら
『あーあー。そうですかー。じゃあさ、ネットで私が悪いってみんなに言えば?お前の味方してくれる人なんていないけど。私、人気者だし。あとさ、大人ぶるなってさぁ…なに?え、もしかして心配してたこと?私は心の底から心配してたのに…ひどい。まあ、逃げない方も悪いよねー笑んじゃあ、ネットでもリアルでも孤立しててくださいね笑』
って言われた。
本当に最後の最後までムカつく人。
あれから何ヶ月かした。
私は、精神病になった。眠っても夢の中で出てくる。
あの子は、喧嘩した後すぐにネットで『私が全部悪いの。』って言って周りの人たちが心配してた。
私は、小さく誰に言うわけでもなく、
「ごめんね。」
と言った。
伝えたいことしかないのに何も声が出なくてごめんね
僕は毒虫になった。
そんなに興味もないと思うけどさ
時間が惜しいので今度は手紙をしたためるとしようか
不甲斐ない一日を 今日も始発の便に乗って
見返すには歩くしかないのに上手く足が出なくてごめんね
アベリアの花が咲いている 眼下の街を眺めてる
窓の桟の酷く小さな羽虫を掬って押し潰した
初夏の風に靡いた、白花が今日も綺麗だった
教科書にさえ載っていない心情は
今日が愛おしいようで 誰かがつまづいたって死んだふり
僕らは はら はら はら はら 心を知って征く
今更 ただ、ただ 花を摘まんでいる
あなたは カラカラ カラカラ 遠くを歩いて征く
震えた言葉で書くまま紙が終わっていく
伝えたい事しかないのに何も声が出なくてごめんね
ただの毒虫になった そんな僕の変な歌だ
『始発とカフカ』
お題「ごめんね」
隠し通せぬ嘘。
一度言の葉となった嘘は、解けて、失くなってはくれない。
「兄なんかいない方がいいよ」
友達と馬鹿笑いしながら通話で放った言葉。
この時知らなかったんだ。――扉の向こう側で、泣いていたあなたがいた事を。あの日、あの時。声なき声の涙に気づいてたなら、何か変わったんだろうか。
「ごめんね」と一言だけ書かれたメモ。
兄の部屋に向かった母の泣き叫ぶ悲鳴が、私に“罪人”という刃を突きつける。
壊れた母の壊れた叫び。
それを必死になだめる父。
――神様。私の一言はそんなに“悪”だったんでしょうか?
夢ならサメテ………。
「なんとか言ったらどうなんだよ!?」
君が目の前で声を荒らげる。
両手の拳を固く握りしめ
ブルブルと震わせている。
うつむいた僕からは
君の淡いオレンジ色のスニーカーと
見慣れたジーンズ
そして両手の拳しか見えない。
何も言わず
顔もあげず
ただ ただ だまり続ける僕に
「もういい!おまえとは絶交だ!」
君のスニーカーが踵を返し
僕から遠ざかり
やがて足音も消える。
僕は小さく息を吐き
ゆっくりとあるきだす。
僕は一生謝らない。
それは君に負けたくないからでも
君のほうが悪いわけでもなく
僕が君に赦されたくないから
僕が君に忘れられたくないから
最後までずっと謝らなかった僕のことを
どうか
どうかずっと許さないで
どうか
どうかずっと覚えていて
これは僕の一生のおねがい
すきになってしまって
ごめんね
幼稚園のおべんとう
わたしのだいすきなそぼろごはん
ピンクと黄色と茶色と緑
おかあさんが早起きをして
わたしに作ってくれた
だから今日はとっても楽しみ
朝からずーっとお昼が楽しみ
待ちに待ったお昼のじかん
かばんからとりだしたお弁当
両手に持って駆け出した
あっ…つまづいた瞬間
お弁当箱は手から離れて
さかさまに床に落ちた
わたしのだいすきな、
きれいな色の、
おかあさんが早起きして…
手渡してくれたときの
おかあさんのにっこり笑顔
急いでお弁当箱にかき集めて
胸に抱き締めトイレで泣いた
ごめんね、おかあさん
ごめんね、おかあさん
おかあさんの気持ちを
ぐちゃぐちゃにしてしまったようで
取り返しのつかない
悲しくて震える思い
泣きながら帰ったわたしを
おかあさんは抱き締めてくれた
いつでも作ってあげるから
あやまらなくていいのよ、って
「ごめんね」
#119
僕は〝ごめんね〟を知らない。
親に教えられたことも言われたこともないから。
だから〝ごめんね〟って
君に言われた時
困惑しか無かった。
僕は人生で初めての仲直りをした。
【ごめんね】
#34
ごめんねと貴女が言う。
「✕✕✕✕✕✕✕ごめんね」と。
僕は謝って欲しくなかった。
これからを話したかったのに、
貴女の中にこれからは存在しないらしい。
さようならと言えばいいのか。
でも離れられるわけもなく、
呪縛というかなんと言うか。
どうすればいいかわからなかった。
とくに責め立てる気も起きやしない。
ただひたすらに時が経つのを待った。
長い、長い時間が過ぎた。
忘れた頃にふと、あの日を思い出す。
小さな田舎の一軒家。
泣きじゃくる貴女。
鮮血に塗れた浴場。
「産んでしまってごめんね」という言葉。
#ごめんね
Nerr
満たされないから
満たそうとし
失いと秤を掛けて
孤独が纏わり
締め付けられた…
求められないから
求めるが故に
自我を殺め続けて
狂しい傷みに
刻み付けられた…
上手く嗤えないから
哀しみが積り
上手く演じないから
切なさの雫は
「堕チテ ヒビ割レタ…」
崩壊の連鎖
鎖錠の想鬱
悲哀の現冷
冷焉の虚幻
心黎の永悠
悠罪の在概
サァ… 共ニ…
「ごめんね」も大切な言葉
だけど
「ありがとう」をたくさん言える人で
ありたいと思う
ー半袖ー
同じ県内だけれども学校も住んでる場所も違う。
高校に上がってそれぞれ勉強と部活に追われ時間もお金もない。
ガラケーでやり取りするメールに一喜一憂していたあの頃。
季節はそんな“あの頃”の梅雨。
初めて私は……いや、僕は君の半袖姿を見たんだったね。
『なんだか恥ずかしいね』
付き合って初めてのデートの待ち合わせでそんなことを言いながら少し不安げに腕を隠す君がとても愛おしく思えたのを今でも鮮明に覚えているよ。
その後乗ったデート先への電車は残念な空模様のせいかいつもより混みあっていて。
でもその分いつもより縮んだ距離感がとてもくすぐったく思えてつい目を背けてしまう僕を見て君はニヤリ、と笑う。
そして悪戯を思い付いたような顔で更に距離を縮めた君には本当に参ったよ。
そんなこんなで季節はめぐり夏が来て、半袖姿の君にようやく見慣れた頃。
花火大会の待ち合わせに現れた君は艶やかな水色が眩しい浴衣姿でニヤリと笑ったね。
デート中に突然手を組んできた時も、初めてキスした時も、文化祭にサプライズで学生服を着て現れた時も、別れの時も。
僕の心の中に残る君は未だに半袖姿で、まるでイタズラが成功した子供のようにニヤリと笑っているよ。
嗚呼、あれから何年経っただろうか?
“僕”ではなく“俺”でもなく“私”になった今。
初めてデートしたあの時のような雨音に耳を傾けつつ湧き出る若き日の思い出にそっとまた蓋をしよう。
そして半袖姿でニヤリと笑う笑顔が素敵な君が、どうか幸せな人生を歩めていますように。
ごめんね
救えなくて
笑顔にできなくて
そばにいてあげられなくて
ごめんね
見てみぬふりをした
なにもしてあげられなかった
ごめんじゃすまされないけど
ごめんしかでてこない
後悔ばかりしてる
君と屋上に行ったあの夜
予想はついてたけど止められなかった
「ありがとう」
君の最後の言葉はそれだった
私は言葉がでなくて何も言えなかった
ただその場から消える君を見ているだけだった
あぁなんて情けないんだろう
本当にごめん
もう君を思って泣くのは嫌だ
笑顔になりたい
だから
私もそっちに行くよ
待っててね
〈「ごめんね」〉
「ごめんね」
お母さんお父さんごめんね
高いお金払って私立高校入れてもらったのに
なんでか分からんけど毎日楽しくなくて
中学の時みたいに心から笑えんくて
毎日演技して頑張って笑って
サッカーも頑張って一年でレギュラーとった
サッカー楽しいからってゆうのは多分嘘で
本当は褒めて欲しいだけで
認めて欲しかっただけで
あなた達に褒められたから頑張れただけで
でも限界が来たんだと思う
2週間前から俺不登校になりました
演技しすぎて全部わからんくなった
重い文章でごめんなさい。読んでくれてありがとうございます。
私は料理が出来なくて、不細工で、太ってて、運動が得意ではなくて、いつも怒られてばっかだよね。
ごめん、ごめんね。
「生まれてきてごめん」
「ごめんね」
と言って、あなたは目を閉じた
こっちこそ、ごめんね
私と結婚しなければ、あなたの人生はもっと輝いていたのに
ごめんね。
それから、こんな私と一緒にいてくれて、ありがとう
「ごめんね」
なにもできなかった
そばにいられなかった
なんて無力なんだろう
あなたを失ってしまった
「ごめんね」
あなたは帰ってこない
この気持ちが届くのならば
「ごめんね」じゃなくて
「ありがとう」と伝えたいと思った
「ごめんね」
この言葉で
解決にならないことが
増えてしまった
もはや死語のフラグ付きか
謝ることが
恥とされているのか
確かに現実では
自我を押し通すのが
正義とされている
ごめんね
いま、私は調子よくないの
優しい雨に濡れて…
あたまを冷やして
くるわ
あなたを
困らせたから
ごめんね
「ごめんね、ごめん、ごめんなさい」
私は何故謝っていたんだろう
何故こんなに自分が悪いと思い込んで
謝っていたんだろう
萎縮して萎縮して考えが狭くなる
あの頃は誰も…違うよ…そうじゃないよ…
君は悪くないんだと言ってはくれなかった
もうボロボロで疲れて涙は枯れて
私が悪いんだ、私が…って自分を責めてたんだ
けどね、でもね、違うよと泣いてくれる人に
出会って…私のために涙を流してくれて
萎縮した私の心に響かせたんだ
あぁ私はなんて狭い所にいたのだろう
バカみたいだって枯れた涙が溢れでた
だから私は自分に自分自身に「今までごめん」って
謝りたい
『ごめんね』
間違っていたのは何時だって私だった
そんな事、どうしようも無い程に分かりきっていたけれど
私の中に巣食う醜いプライドがその言葉を喉の奥に閉じ込めた
君は仕方無いなと笑っていたけれど、
その胸の内ではきっと私に呆れていたんだろう
一方的に頼って、甘えて、都合が悪くなれば突き放して
こんな我が儘な人間を放って置けないなんて、
お人好しにもほどがある
それとも別の理由があったのだろうか?
今となってはその答えに価値など無く
君に伝えたかった親愛の言葉は言えず仕舞い
けれど、無責任かもしれないけれど
この言葉だけはどうしても伝えたい
「ごめんね」
お金が無くて、子供をいい学校に連れて行けない。
あの子は僕の事どう思ってるのか。
ある時子供に「ごめんね」と呟いてみた。
反応は、驚きと困惑。普通中学生ともなれば、反抗期が訪れて、悪口の一つや二つあってもいいものだ。
だけど、この子は「どうして謝るの?」と天使の一言
この一言で、僕は頑張ろうと決意した。