「ありがとう」そんな言葉を伝えたかった。その人のことを思い浮かべて、言葉を綴ってみて。』の作文集

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「ありがとう」そんな言葉を伝えたかった。その人のことを思い浮かべて、言葉を綴ってみて。』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

5/4/2023, 4:04:51 AM

[「ありがとう」そんな言葉を伝えたかった。その人のことを思い浮かべて言葉を綴ってみて。]

 きっと今の僕があるのは、姉さん達が居たからだと思う。
 もう居ないけど。一言だけ届けられるなら、「ありがとう」と言いたい。

 僕は元気でやってるよと。
 色々あったけど、今は割と楽しく暮らしてるよと。
 話したいことはたくさんあるけど。

 きっと、僕が今こうしてやっていけてるのは。
 貴女達のおかげです。


「……これ、姉さんが見たら指さして笑いそう」
 その姿を思うとなんだか恥ずかしくなってしまって。
 全部選択して、削除ボタンを押した。

 どうせもう言えないんだから、心の中に認めておこう。
 そうすることにした。

5/4/2023, 3:45:34 AM

優しさって当たり前じゃないんだよ
 人に優しくするって
 勇気がいることなんだ
 そんなことも分からずに
 私は貴方の優しさに甘えていたね

 ごめんね
 どうしようもなく鈍い私で
 今さらこんなことを言っても遅いかもしれない

 けれど言わせてほしい

 ありがとう

 貴方が差し出してくれた手を
 今度は私が誰かに伸ばすよ



【「ありがとう」そんな言葉を伝えたかった。その人のことを思い浮かべて、言葉を綴ってみて。】

5/4/2023, 3:36:33 AM

「大丈夫?連絡してないけど生きてる?笑」
17歳の誕生日、そう送ってくれてありがとう。
「生きてる生きてる笑」って返した途端に生きてる実感がして、電話したら貴方は出てくれて。
貴方の大丈夫?で今年も無事に生きてます笑。

5/4/2023, 3:27:19 AM

『ありがとう』そんな言葉を伝えたかった


なんてタイトル、なかなか難しい。

『ありがとう』を伝えたい人、ならまだわかる。

何故、過去形?

伝えたかった人。。。

う〜ん、難しい。

『ありがとう』と言えばSMAPなので、最近、『ありがとうございます!』だったのは、『まつもtoなかい』に携わってくれた人全員!

久々の中居君とと慎吾ちゃんの共演。

なんか色々滾って、ずっと『ありがとうございます!』な気分だった。

私は、どっちかって言うと単推しだと思っていたけど、2人が同じ画面の中に居ることに、恥ずかしながら本気で涙してしまった。

TVの画面を拝む感じ。

ありがたや~!

みたいな。

しかも大好きなダウンタウンのまっちゃんまで居るんだもんなぁ。

しかも、それ!それが聞いて欲しかったの!みたいな質問してくれるし。



ネットニュースで、SMAP再結成の鍵を握るのはダウンタウン、って記事があったのよ。

まっちゃんは中居君と親友だし、浜ちゃんは木村君とゴルフ行ったりする仲良しだし、この二人が本気で動けば。。。みたいな。

『まつもtoなかい』見てて思ったんだけど、まっちゃんの「SMAPが脅威だった」って言葉でストンと胸に落ちた。

きっとそれは、ダウンタウンだけでなく、爆笑問題とかもそうだったんじゃないかなぁ。

脅威、だけど目が離せない。

だから『いいとも』最終回の、レジェンド芸人さんが勢揃いの大騒ぎのまとめ役に中居君が引っ張り出されても、誰も文句言わなかったのかな、なんて思う。

そうか。

タモリさんも、明石家さんまさんも、笑福亭鶴瓶さんも、とんねるずも、最近ならアンタッチャブルとかも。


SMAPとしても、それぞれの個人としても、なんと一流芸人さんとの共演の多いこと。

そしてそれが、それぞれ密!

まさしく『一流は一流を知る』だなぁ。

ダウンタウンだけじゃない。

きっと数多くの人が、再結成するしないは別にして、SMAPメンバー全員が幸せになる方向を模索してくれてるような気がする。

勿論、人任せじゃなくて、SMAPのメンバー本人たちが、ちゃんと進んでるんだろな、見えないところで。

だって、今回だって、慎吾ちゃんが毎日中居君にメールしてたなんて何処にももれなかったんだもの。

中居君の休んでる間の写真撮りたくて仕方ない記者さんでさえ、慎吾ちゃんのアトリエで二人が合ってたなんてスクープ取れなかったんだもの。

きっとそれは水面下で着々と進んでいる。

なにせ、『華麗なる逆襲』な人達だから。

5/4/2023, 2:36:50 AM

一番初めに覚える言葉 
パパ ママ
あっとう
小さな頭をちょこんと下げて

嬉しいおもちゃをもらった時
美味しいお菓子をもらった時
優しくしてもらった時
頭を撫でてもらった時。

こう言うんだよと教えてもらって
意味はよく分かっていないかもだけど
あっとう
と言う

パパ ママ わんわん にゃあにゃあ
そして「あっとう」

やがて言葉と意味がピッタリ合って
自然にあなたの口から
出てくるようになるんだね
「ありがとう」

5/4/2023, 2:29:38 AM

『 ありがとう』

私が元気ない時とか鬱になった時に必ず助けてくれたのは親友だよね。いつもありがとう。これからもよろしくね

5/4/2023, 2:01:25 AM

―「ありがとう」そんな言葉を伝えたかった―

10年以上前に修学旅行で屋久島へ行った。
白谷雲水峡を訪れた。
大きな岩を乗り越えたり、山道を登ったりしながら屋久杉を目指した。
しかし、私は途中で具合が悪くなり、先生と入り口まで戻ることになった。
その時「大丈夫?これ、よかったら飲んで」と、ペットボトルのスポーツドリンクを渡してくれる子がいた。
その子は他のクラスで顔も名前も知らない。
とても嬉しかったのにお礼を言いそびれた。
「ありがとう」と伝えたかった。

5/4/2023, 1:55:41 AM

「ありがとう」
浮ついただけの軽い言葉、なんて思ってた。
相変わらず酷い性格をしている。どうしてマイナスとしか捉えられないのだろうか。
素直になれない。自分の気持ちを伝えられない。
恥ずかしいとかそれ以前の問題だった。
「バカみたいだ…」
素直に感謝くらいしていれば

彼は轢かれた。
俺を庇った。
ほんとに馬鹿みたいだった。
なんでこんな俺が生きて彼が死ななきゃならないんだ。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
ただ謝った。頭の中はそれでいっぱいだったから。
彼は息さえしているが、目を離したら死んでしまいそうで。
「謝るなよ、俺が悪いみたいじゃん」
何言っているんだ。
「守ってやったんだから、感謝くらいしてくれよ」
本当に馬鹿なのだと思う。自分が何をしたかも知らずに
「あー、しんどい…帰りてぇな…」
「ごめん……俺が…」
「だからもういいって!辞めろ!」

「先逝ってごめんな」
最後に謝ったのは彼だった。
やっぱり俺が悪かったんだ。

たまに自己暗示に陥る。
彼の顔を思い浮かべる。
自分がどんどん嫌になる。
何も言えていなかった。そういう状況だったとかじゃなくて、ただ、紡ぐ言葉すら出てこなくて。
「ありがとうとか…感謝とか…」
よく分かんねぇよ。

今はまだ、彼に会えないから、会えたその時は
人生で最後の感謝を伝えたいなんて。

#タイトル忘れましたごめんなさい

5/4/2023, 1:53:34 AM

「ありがとう」そんな言葉を伝えたかった。その人のことを思い浮かべて、言葉を綴ってみて。


私の事を愛してくれた彼。
私は社長令嬢として生まれた、父の会社はかなり大きく
ある程度知名度がある会社だった。
だが、父は過労で倒れてしまった。
その時、夫が代理で働いてくれた。
夫が海外に商談にいくとき飛行機が爆破された。
夫が乗り込んだ飛行機は爆弾が仕掛けられていた。
爆弾を仕掛けた人は手紙を残し自害した。
私は愛する夫を亡くした、どうしても許せなかったが手紙を読むと仕方ないのかと思うほど
残酷な過去があった。
葬式を行うと、多くの人が駆けつけてくれた。
夫は、優しくいろんな人から信頼されていた。
そのため、皆が夫の死を悲しんだ。
また、会いたい。
そんな思いを、愛してくれた彼へ伝えたいかった。
もし、また会えたなら、「ありがとう」この言葉を当たり前に伝えたい。

5/4/2023, 1:51:33 AM

ぐずついていた天気は次の太陽を連れてくる。
水の痕跡は大気に残されたまま、静かに天に帰り続けているのがわかる。
眩しい季節も、雨に濡れる路面も、肌に感じている温度すらそこに存在する空気を生み出している。

時間をかけた一日のはじまりとおわり。
明日を失うこの土地は、記憶を抱いたまま水底に沈む。

わずらいがもたらした眠りについている、あなたのおもいでと一緒に。

5/4/2023, 1:32:43 AM

『透と祐希』

 同棲を始めて12年。お互いに言葉を交わさなくてもいろいろわかるようになっていた。
 おはようとかお疲れ様とか、そんな会話はあるけど、同棲を始めた頃に比べたら、お互い口数は減っていった。
(祐希はいつもブラックだったわ)
 コーヒーを淹れた透は、無意識にミルクを入れてしまってからハッとした。自分も飲むつもりだったから、これは自分用にシュガーも入れようと棚に手を伸ばす。
「おはよ」
眠そうな顔で寝癖をつけたままの祐希がダイニングへやってきた。いつもの自分の席に腰を下ろして大きな欠伸をしている。
「おはよ。昨日も遅かったね」
「まぁね。この時期は忙しいから」
 テーブルには厚めの食パンにマーガリンを塗り、その上にスライスチーズを乗せグリルしたこんがり食パンが皿に乗っている。
 スライスチーズが目玉焼きだったり、スクランブルエッグだったりするが、今日はスライスチーズの気分だった。
 朝食を準備するのは決まって透で、そのメニューに祐希が文句を言うことは一切なかった。
「そっか。俺は自宅仕事だし今はそんな忙しくないけど、祐希は大変だね」
「まぁね」
 透は祐希の向かいに座り、朝食を食べ始める。リビングのテレビは朝の番組が点いていて、高校生特集が流れていた。それをときどき見ながら食べ続ける。
「ごちそう様」
 先に席を立ったのは祐希だ。テーブルの食器はそのままに洗面所に向かい、歯ブラシを咥えたまま自分の部屋に入っていった。これもいつものこと。着替えて出勤の準備をするのだ。
(お馴染みの光景だな)
 少し遅れて透も食べ終わり席を立つ。祐希の食器も合わせてシンクへ持っていき、片付けを済ませた。
「今日も遅くなるから」
「うん」
 自室から出てきた祐希はスーツに身を包みすっかり準備が整っていた。いつの間にか寝癖もなくなっており、今日もやっぱり格好いいと思う。
 透は玄関まで祐希を見送るために向かった。黒の革靴に足を入れている祐希の背中を見つめる。
「いってらっしゃい。気をつけてね」
 毎日の言葉だ。
「うん、行ってくる」
 祐希がそう言っていつもは振り向かないで出ていくのだが、今日は透の方に向き直り顔を見てくる。どうしたの? と透が小首を傾げて無言で問う。
「いつも、ありがとう」
 照れくさそうに言われて透は面食らう。
「え、あ、うん。どうしたの?」
「いや、ありがとうって、あんま言ってなかったなって、急に思ってさ」
 祐希の目元にすっと赤みが指す。こんな顔は久しぶりに見る気がした。
「うん。俺も、ありがとう」
 透は自分より頭ひとつ分背の高い祐希に抱きついた。今でも愛しくて、好きで好きでしかたがない人。ずっと抱き合っていたかったが・・・・・・。
「あ、時間」
 焦ったような祐希の声に、透は慌てて腕を離した。
「ごめん。今度こそいってらっしゃい」
「うん、いってきます」
 ドアが閉まる前に振り返った祐希が、小さく手を振って微笑んだ。いつもは振り返りもしないのに。
 立ち尽くす透は閉まったドアを見つめ、顔を真っ赤にさせその場にしゃがみ込む。
「なんだ? 祐希のやつ・・・・・・」
 今日の夕食は祐希の好きなメニューにしてやろう、と思う透なのだった。

おわり

5/4/2023, 1:18:01 AM

「ありがとう」そんな言葉が伝えたかった。

私は普段あまり喋らない。
だからといって友達がいないと言うわけではない。
でも、瞬間的に何かを言うことが苦手なのだ。

例えば、話しかけられた時。
すぐ反応することができないし、
そもそも自分に話しかけてきていると
気づけないことがある。
また、何かしてもらったとき、
「ありがとう」とすぐ言うことができない。
「あ、、、、ありがとう。」
ぐらいのスピード感になってしまう。

考えられる理由は、昔、
人をいじめたこと、いじめられたことがあったからだ。
言葉に敏感になっているのかもしれない。
相手を傷つけないように、
相手に傷つけられないように、
どんな言葉が最善か
考えているうちに時間が過ぎてしまう。

前、可愛いなと思っている人がいた。
その人に何かしてもらった時、
「ありがとう」が言えなかった。

「ありがとう」って言わなきゃ。
と思ったけど、色々考えていて、
とうとう何も言えなかった。

でも、それから、ちゃんと「ありがとう」を言えるようにと意識したら、前よりは言えるようになった。

まだ、反応が遅れることもいっぱいあるけど、
新しい考えを引き出してくれたその子に、

「ありがとう」そんな言葉を伝えたい。

5/4/2023, 1:07:05 AM

●想いに乗せて●

小さな頃、行き場の無かった
寂しい心に居場所をくれて、ありがとう。


困った時はいつも助けてくれて、
ありがとう。そして、いつも祈り、
想ってくれていてありがとう。


会った時には美味しいご飯を
いつも奢ってくれてありがとう。
いい年になって、
やっと言えるようになった、
私のわがまま、聞いてくれてありがとう。


沢山喧嘩はしたけれど、
寂しい時はよりそって、
時には助け合ってきたよね。
大人になって、もっと
大切な存在に出会わせてくれて、
ありがとう。


一生を誓い、私の隣を、
選んでくれてありがとう。
私をみつけてくれてありがとう。
私を愛してくれてありがとう。
さよならのその時まで、
私は側に居るし、
あなたも側に居てね。



あの時、生きる事を選んでくれて
ありがとう。
今では君たちが
私の生きる意味です。

まだ先の話だけど、君たちの方が
先にお空にいくでしょう。

その時は側にいるからね。

そして、また改めて
あの時生きる事を選んでくれて
ありがとう。と、
お礼を言わせてね。

まぁ、これは、
ずーっと先の話しだけれどね。
そう願ってる。

さて、
これは、私の人生半ばの
“ありがとう”の、はなし。



とある文字書きの
“遺書のような手記”より抜粋。




#今回のお題は、
【ありがとう】でした。

5/4/2023, 12:53:35 AM

あの時言えばよかった
そう思った時にはもう遅いだろうから
後悔したことは
学ばないと意味が無いから
思ったことは言葉にして伝えるようにしている
だから、
これを見ているあなたにも
ありがとう
あなたの周りにいる人にも
ありがとう
僕の周りにいる人にも
本当にありがとう

─ありがとう─

5/4/2023, 12:52:16 AM

「ありがとう」
言えなかったその言葉を思い浮かべるのなら、母?
産んでくれてありがとう?
でも、なんか恥ずかしいな。
言葉にするのはなんか気恥ずかしいから、母の日を口実にして、花にして伝えるんだ。

--色とりどりに並んだ花屋のカーネーションを眺めながら浮かんだ言葉

5/4/2023, 12:49:16 AM

ありがとう
大好きな言葉
ありがとう
今日が来てくれて
ありがとう
ごはんが食べられることに
ありがとう
水が水道から出て飲めることに
ありがとう
太陽に風に
ありがとう
生んでくれて
ありがとう
生まれてきてくれて
ありがとう
地球に
ありがとう
当たり前なんてないことに
みんな当たり前じゃない
だから
ありがとうございます
さて今日は
どれ位ありがとうに出会えるかな

5/4/2023, 12:46:29 AM

#「ありがとう」


昔、私は漫画を描いてた、
性格の悪い泥棒が呪文で犬に姿を変えられ「ありがとう」の感謝を10000回集めるためにお人好しの女の子の家に転がり込むお話し

編集の人はずいぶんその話しを気に入ってた
50ページにおよぶかなりの長編になり私は自分の人生の全てをその漫画の制作にぶつけた

今思えば絵は拙く見れた作品ではなかったかもしれないけど、今でもあの漫画が良かったと話しをされることがある。

結局最後はどんな人生も誰かに感謝しされるように生きたかで決まってくるのかもしれない
誰にも感謝されずに悲しまれない、自分の葬式なんて嫌だからね

家族と編集さんあの時漫画の制作を支えてくれて「ありがとう」

5/4/2023, 12:23:52 AM

#0004
#ありがとう

「ごめんなさい。」


私は人に手伝ってもらったり何かしてもらった時につい謝ってしまう。
それは、迷惑をかけてしまったという思いと自分への自信の無さによるものだろう。

ある時、あの人は言った。

「君は優しすぎるくらいに優しいんだね。大丈夫、みんな君を助けたいから助けてるんだよ。」

いつの間にか私は助けてもらった時には自然と「ありがとう」を言えるようになった。

あの人に再会したらまず言うんだ。

5/4/2023, 12:21:15 AM

わたしは日々多くの人に感謝を伝えている。
それに世話になった人が多すぎて、誰にありがとうを伝えればいいかいまいちわからない。

そこで、私は私という人格を形作ったものに感謝をしたいと思う。だが、そもそも我々は相互に影響を受けているから、これもまた選択肢が無限大だ。

良い影響を与えた人を考えるだけでも、正直、数えきれない。

ああ、一人だけいた。

彼との出逢いは、ずいぶんと前、家を飛びだした時のことだ。

たぶん、思春期特有の溢れる自信と、甲斐性のなさが引き起こしたものだったと思う。

わたしはすっかり暗くなった高架橋の下を走っていた。車に轢かれそうになりながら、通行人に怪訝に見られながら、衝動に身を任せていたのだ。

いつ間に公園に着くと、そこに彼はいた。
整った顔立ちの人で、黒装束に全身を包んだ
男とも女ともとれない、不思議な姿の人。

彼はタバコを吹かせながらベンチに腰掛け、ひどく疲れ切った顔をしていた。
当時の私はタバコが嫌いだったので、勢いのまま文句をつけた。
「ここ、禁煙ですよ」

「そうか」
タバコを捨て、踏みつけて火を消す。
「なんで君はこんなところにいるのかな」
「日も落ちてるし、子供は帰る時間だと思うよ」

「別に良いじゃん」
理由にならない理由を述べる。

「そうね」
彼は頷いた。
しばらくの沈黙を嫌って、再び聞く。
「姉…兄ちゃんは何してるの?なんか、普通じゃない感じがするけど」
「意味」

「ん?」
「この世はゼロと一だけでできている。得るか得ないか、その間を取ろうと思っても、できない」

よくわからなかった。

それから、私たちは話し込んだ。
と言っても、彼が一方的に喋るだけで、私はただ相槌に徹していた。

私は彼に何か近しいものを感じていた。

はたから見たら狂人の戯言、一種の事案だったかもしれないが、私は好奇心旺盛だったし、何より当時は、自意識や生きる意味を必死に探していた頃だったから、
彼の言葉には抗い難い魅力があったのだ。

それ以来、私たちはよく会うようになった。
互いに名前は知らなかったけど、楽しい日々だった。

クオリアを体感しに島へ行ったり、問答を繰り返し、答えのない(もしくは探さねばならない)疑問を解消したり、般若心経の意味を教えてもらったりもした。

彼の人生も聞いた。教養ある家庭で生まれ、親の虐待を受け、父に包丁で反撃したこと。そんな家庭に護身術や統計学を仕込まれたこと。

危ない仕事に関わり、追われる羽目にもなったことも聞いた。
実際、わたしがお手洗いに行こうと立ち上がったと同時に、ぐっすりしていた彼がすぐさま起きたのは、それの証明だと思った。


でも、彼は感情的になることは一切なかった。淡々としてて、自分の話をしているのに、誰かの経験を語るように見えた。
言葉の一つ一つが何か本能的に恐怖を覚えるような底知れなさがあって、それが余計に私を惹きつけた。

ただ、本人はその現状をあまり良くは思っていなかったようだ。
彼曰く、悪影響を与え兼ねないと。
おそらくそれは本当だ。

彼と出会ってから邂逅した友人は、私以上の変人が多い。

類は友を呼ぶものだ。

わたしは成長し、かつて崇拝の域に達するほどに憧れを抱いた彼との関係は薄くなってしまった。

連絡先は知ってるし、話もするが、彼自身がそういう話を避けるようになったのと、互いに忙しくなったので長く話すことはない。

それに、前よりもまともになったから、荒唐無稽な口ぶりに、魅力を感じなくなったのかもしれない。

今でも、私は彼に憧れを持っている。
何もかもできて、自分で答えを見つけ出せる天才、だけどもそれゆえに苦しんだ人。

記憶に多少の脚色はあるかもしれないが、私にとっては間違いなく、一種の神だった。

私が捻くれたのは彼のせいだが、
良い影響であれ、悪い影響であれ、彼には感謝している。

今の自分があるのは、彼のお陰なのだから。

『ありがとう』


いつも見てくれていた方へ:

久々の投稿となりました。
本当に申し訳ないです m(_ _)m

何度か筆を取って書こうとしたものの、
期間が終わったり、疲れ切ってしまったりと、中々難しかった。

これからも不定期になりますが、続けていきますので、よろしくお願いします。

5/4/2023, 12:06:17 AM

白い枕、白いシーツ、白い布団カバーに白いベッドのフレーム。壁も白い・・・そうか、ここは病室か。

看取りなんて物は、お互いの運が良くないとできないものだと思っている。「何月何日の何時に死にます」と宣告されていれば可能かもしれないけど。大抵の場合間に合わないか、死体直前の人の横で、それなりかそれ以上の時間を待たされる。私の場合は前者のようで、周りに人の気配はない。寂しいけれど、気を遣わなくていいと考えると、気分的には楽だ。

一週間前くらいからそんな気はしていた。医者や周りの雰囲気、何より自分の身体だし。なので、ブログを書いて予約投稿しておいた。その日時にパソ前にいたら変更すればいいだけだ。その文章を読めば、わかる知り合いには伝わるはずだ。私が前から言っていた事だから。

『ありがとう。
 あゝ、楽しかった』

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