リビングの扉を開けた目の前に
プレゼントが積まれている
それは、きっとわたし宛
なかにはわたしのために選ばれたものが入っている
中身は包装紙に包まれていてわからない
山積みにされた箱の真ん中に、
ちょこんとすわる白い布に包まれた陶器の壺と木の札
その包装紙をあけて
出てくるのが、ただの骨じゃなくて
あの日いなくなった猫ならどんなに幸せだろう
初めて1人で冬の夜を過ごした
暖かな君がいないまま
腕の中に、壺を抱いて。
少し傾ければ乾いた音がした
こんな軽くて小さなものが君なわけないけれど
他によすがもない
冬は毎晩一緒に寝ていたから。
眠り方もわからない
朝起きて
腕の中の小さな君に
キスを落とす
このまま、私も君のところへいきたいよ
今朝、猫が死んだ
私の大事な大事な弟。15歳だった。
悲しくて悲しくて涙がずっと止まらない
待っていれば来てくれる気がして、
目をつぶっていれば足音が聞こえる気がして
泣いていたら、いつもみたいに来てくれるんじゃないかって
でも来ない
見えない。聞こえない。
でも、そこにいるんだろうなって気はするの。
よく乗ってた段ボールの上、ベッドの上
私の膝の上、ご飯のある場所
そこにいて、私をじっと見てるんだろうと思うの。
心配してくれてるんだと思うの。
だけど、だけど、だけど
どうしようもなく涙が止まらない
これから寝れない夜はどうしたらいいの?
1人で泣いてる時誰が気付いてくれるの?
あのふわふわでもふもふでぷにぷにな体はもうないの?
早すぎるよ。今じゃないよ。
君無しでどうやってこれから生きていけばいいの
わたしは不登校の人間が嫌いだ。
もちろん、その不登校の人間とは、わたしと同じ学校学年の1人だけなんだけど。
学校にこない理由がいじめとかじゃなくてただ単に面倒くさいからとか言ってるのが嫌いだ。
去年せかせかサポートしてあげたのに、裏で実はサボってたところが嫌いだ。
当たり前に学校にこなかった分のプリントを頼んでくるのが嫌いだ。
まるで、自分がわたしの一番の理解者であるみたいな顔をしてくるのが嫌いだ。
提出物を出していないのを心配した先生を一蹴したのが嫌いだ。
何度も、好きになろうとした。だって部活も一緒だから。
いいところを探して。
頑張ってみた
けど、おまえ、だめだよ。
距離感おかしいもん。
なんて、書いたけど、書いてる時に気付いたよ
わたしの心せっまいなあ…
お前の方がわたしと距離置いた方がいいよ。
心と身体が、心と精神が離れ離れなんだ
私、AOぜーんぶ落ちちゃった。
いろんな人が私がAO入試で受験を終わらせようとしてたことを知ってる。
だから、みんな聞いてきた
「どうだった?」って。
私は笑顔で答えるの。「全落ちだった!!」って。
だって、余計な心配させたくないじゃん。
泣いてくれる子もいて、心配してくれる子もいて、そんな時に泣けるほど空気読めない奴じゃないんだよ。
笑って、取り繕って、大丈夫だよって何回も言った
落ちたことを正当化して、一般に向けての理由付けもちゃんとして
それでみんな「本当にAOに向いてたんだよ。だってめげずに頑張れてるじゃん!」って。
違う。違うんだよ。
今もふとした瞬間に涙が溢れるんだよ。
塾の友達のSNSが目に入るのがいやで全員ブロックしちゃったんだよ。
でも、この気持ちに蓋をして、私は学校で笑うんだ。