No.250『夜空を駆ける』
星になって夜空を駆ける。
どうかみんなの願いを届けられますように。
何もできない私だけど誰かのために行動するにはそうなるのが1番いいと思った。
大丈夫、大丈夫。怖くない。大丈夫だからあと一歩踏み出して。みんなのための星になるために。ここから飛び降りて。
No.249『ひそかな想い』
ひそかでいい。お前に拒絶されるくらいならこの想いは胸の奥深くに眠らせておいてやる。
知ってるよ。僕がお前に想いを告げたらお前は僕の目の前から消えてしまうんだろう?
分かってる。例えお前が僕を受け入れたとしても世界が許してくれないんだ。
それならだ。
想いなんて伝えなくていい。ただ僕の想いを知らないまま僕という存在をお前の隣に置かせてくれ。
いいんだよ、お前は何も知らなくて。
ただ笑っていてくれればそれだけで…。
No.248『あなたは誰』
僕はずっとずっと怯えてる。
君から「あなたは誰?」と尋ねられることを。
そういう病気なんだから仕方がない…そう、どうしようもないことなんだ…。
そうやって自分を言い聞かせるけど納得なんてできなかった。
君と僕の大切な思い出が一夜にして忘れ去られることを仕方がないなんて言葉で終わらせられなかった。
別に神様を信じるわけではないけど、今だけはどうか願わせてくれ。
どうか、1分1秒でも長く僕を覚えていてくれますように。
願わくば、君の病気が完治しますように。
No.247『手紙の行方』
約束、守ってくれてありがとう。
これはさ、私にとってとても大切なものなの。
だからこれは私と一緒のお墓に入れてって言ったら君は泣いちゃったんだよね。
いやだ、君と一緒の墓になんか入れてやるか、ねえ、そんなこと言ってないでさ、生きてよ……!!
ってそう言いながら泣いちゃった。
でもごめんね。それはできそうにないの。
だから強引にその約束を結ばせた。
酷い人間でごめんね。
でもどうしても君が私にくれたラブレターと一緒に眠りたかったの。それと一緒に眠れば私は安心していられるから。ずっと君のそばにいられると思ったから。
無理矢理の酷い約束だったけどさ、守ってくれて本当にありがとう。
No.246『輝き』
お前の持つ輝きが欲しかった。
お前の輝きが羨ましくて羨ましくて仕方がなくて、毎日のように妬んだ。
ある日お前が言った。
「なんでそんな顔してんの?」
いつもなら笑って誤魔化したけどその日は誤魔化せなかった。正直に白状する。
「お前の輝きが欲しい」
ああ、どんな反応を返されるだろう。とても怖かった。
「……俺はお前の輝きが羨ましいよ。俺もお前の輝きが欲しい。でも俺たちの輝きを交換したら、それはもう自分の輝きとは言えないだろ。お前だけが持ってる輝きを誇れよ。俺に羨ましがられるような輝きを持ってんだから」
はは、そういうところだよ、本当に。
ほんと、かっこよすぎだわ…。