No.340『夢じゃない』
……夢を見たよ。世界が平和になる夢。
でもそれは所詮夢でしかなくて、変わらない現実に吐き気を催した。
この世界で本当に平和を願ってる人ってどのくらいいるんだろう。
きっと世界を一回リセットしないと平和には永遠にならないんだろうな。
ね、なんのために歴史を学ぶと思う?……血濡れた愚かな歴史を繰り返さないためなんじゃないの?
ああ、でも無理か。
だってその歴史をもとに永遠に恨みあって憎しみあって、そうして歴史は繰り返されていってるんだから。
小さい子に憎しみを植え付けるんじゃなくて、平和になりますようにって願いを植え付ければいいのに。
平和のためのプロパガンダは許されない?争い続けるよりはいいと思うけど。
……叶うなら、今日見た夢を「夢じゃなかった」って言える日が来ますように。
No.339『泡になりたい』
どうせ叶わない恋心だと分かっている。
だって僕とあなたは違う世界の人間だから。
それならこの恋心ごと泡となって消えてしまえ。
あのお伽話の人魚姫のように。
No.338『涙の跡』
涙を拭うことはできるけど涙の跡を拭うことはできない。
遅いんだよ。泣いた後に僕のところに来ても本当に苦しい時、僕は君のそばにいることができてないじゃないか。
ねえ、どうか、君の涙を拭わせて。涙の跡がつかないように、全部ちゃんと拭うから。
No.337『もしも過去へと行けるなら』
年齢を重ねるほどに世界の醜さを思い知らされる。
今日ネットで見た。みんながみんな、訴えられるのが嫌だから女の人が倒れてても助けないんだって。
一番悪いのは恩を仇で返した奴なのに。
誰かがとる無責任な行動の被害者はいつも優しい人たちだったり、何もしてない無関係な人たちだ。
こんな世界知りたくなかった。
もしも過去へ行けるのなら、何も知らずに生きていた幼い頃の私へ──。
No.336『またいつか』
私は今まで大切な人を亡くしたキャラに「またいつか」を願わせてきたけど、実際に大切な人を亡くした私は「またいつか」なんて願えなかった。
だって、私はあの日、「もう2度と会えない」ことに心の底から絶望したんだから。
そうだよ。もう2度と会えないから苦しくて、悲しかったんだ。今までのありがとうもさようならも言えずにその日を迎えてしまったから、私は痛いほど後悔したんだ。
きっと、私がこれまで書いてきたキャラも同じ。
ここはファンタジーの世界じゃない。そう、それが現実だった。