M.I.

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5/20/2025, 9:07:49 AM

No.319『どうしても…』

奪われてばかりの弱い僕だけど、どうしても譲れないものはある。
それのためだったら他に何を奪われたっていい。命令だって聞くし、プライドだってそれのためなら捨てたって構わない。
見てろ!僕はそれのためだったらどこまでも強くなれるんだから!
今まで僕を馬鹿にしてきた奴らにだってギャフンって言わせてやる!
……だからさ、君は僕のそんな姿を見てずっと笑っててよ。
遠くに行くなんて絶対許さない。
ねえ、だからお願い。どうか、早く目を覚まして。

5/19/2025, 9:59:28 AM

No.318『まって』

大事な人たちはみんな僕を置いていった。
両親も初恋の人も、そして唯一の肉親となった弟も。
もういないと分かっているのに心のどこかにある強い願望が自分に幻覚を見せてくる。
もうこれ以上、大切な人を失いたくない。
だから上からの命令を無視して彼を探した。
それが功を奏し、彼を見つけたが、いつもの日常には戻れなかった。
彼は目を覚まさず、彼女は辞職し、僕は異動となった。

※ ※ ※
やっと戻った日常。だがそれもまた一瞬で、また僕の大切な人たちは僕を置いていこうとする。
まって、僕を置いていくな…!!

身を殺して仁を成す。

…だから僕は自分の身を賭して、彼らの元へと向かった。

※ ※ ※
今度こそ僕は大切な人を守れた。
ボロボロの幼馴染たちを眺めて思わず笑みをこぼす。
「なに笑ってんだよ」
「どうしたの?」
「知恩報恩。君たちとの出会いに僕は心から感謝していますよ」
「はあ?」
「??」
意味が分からないという表情を浮かべる2人に笑いかけ、僕はこの気持ちを噛み締めた。

5/17/2025, 8:50:16 AM

No.317『手放す勇気』

夢を手放す勇気が欲しかった。
夢なんてものはどうせ叶わないんだってこれまでの人生で思い知らされてきたから。だから、あらかじめ捨てておけばそれが叶わなかった時の傷の方が浅いと思った。
…だけど私は夢を捨てられなかったよ。
夢を捨てようと決めたのに、私は今もまだその夢を持ってしまっている。
覚悟はあった。なかったのは勇気だけ。

5/16/2025, 9:55:43 AM

No.316『光輝け、暗闇で』

どうか、この暗闇を照らす光が私の元に訪れますように。
私には光を発せるだけの元気も勇気もないから、だから元気が有り余ってる人に光を照らしてもらいたい。

5/14/2025, 9:41:01 AM

No.315『記憶の海』

辛い記憶の海に飛び込んだらそこから出られなくなった。
冷たく暗い海の底でただひたすらに自分を責める。
きっと助けを待っても誰もきてくれない。
私たちは、自分でその海を抜け出さないと光を掴めないらしい。
とりあえず少しだけでももがいてみようと思う。

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