No.9『降り止まない雨』
いつからか、私の心はずっと雨模様だ。
その前までは降っても雨はいつの間にか止んでいた。
だが、今はもう雨は止んではくれない。
時に緩く、時に激しく、雨は私の心を打ち続ける。
当然だ。
私にはもう、雨を晴らしてくれる太陽はいないのだから。
雨が降り続けて、滲んで、ぼやけて、溶けきった時、私はきっとまた太陽に会える。
その時まで傘は差さない。
早く…太陽に会いたいなぁ。
No.8『あの頃の私へ』
自分の選択を間違えていたんじゃないかと悩んでいた、あの頃の私へ。
確かに辛いこともいっぱいあった。だけど、今私は大切な友人たちに囲まれています。
あの頃の私へ。
その選択をしてくれてありがとう。
その選択は間違いじゃない。
No.7『逃れられない』
私たちは何があっても足を止めてはいけない。
ハードルがあるなら飛び越えろ。
壁があるならぶっ壊せ。
生きるものとして死からは逃れられない私たちだが、最期の瞬間まで諦めずにそれから逃げ続けろ。
それが人生だ。
No.6『また明日』
「また明日」
私にとってこの言葉は願いの言葉。
いつ失ってもおかしくない命を持つ生き物だから、いつ明日が来なくなるか分からない生き物だから……
私はもう一度「明日」がやってくることを願う。
どうか、私に、みんなに、「明日」が訪れますように。
また明日──。
No.5『透明』
透明になりたいと思ったことがある。
私は人から向けられる視線が苦手だ。侮蔑の視線も好奇の視線も期待の視線すら苦手だった。苦手というより嫌いの方が近いかもしれない。
そう感じるたび、透明になりたいと思った。
透明になればそんな視線を浴びることはなくなる。
ある日、夢を見た。自分が透明になる夢を。
私が考えていたように、私が嫌いな視線は向けられず、全員が私をいないものとした。
初めのうちは嬉しかった。もうあの視線に嫌な思いをさせられることはないと思ったから。
しかし、だんだん寂しさが込み上げてきた。
親しい人に話しかけようが、相手は私に気づかないまま無言で通り過ぎていく。
家に帰ってもそれを迎えてくれる声はない。
私はここにいるのに…!!
そんな怒りさえ込み上げた。
「っ……!!」
目を覚ますとそこはいつもの私の部屋だった。
家族に挨拶をすればいつものように挨拶を返され、友人に会えばいつものように笑い合った。
私は『いつも』が好きだ。その私の『いつも』に透明はいらない。
どうかこれからも『いつも』の色に染まっていられますように──。