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6/26/2024, 1:20:18 PM

あの日は確か、なにかの記念日だった。

上手く思い出せないけど、確かにそうだった。

いつもはしかめっ面で、冷たい君は、記念日の日だけは暖かく笑うから。

本当は、人が好きで、話すのが大好きな君は、自分を出すのが下手くそだった。

いや、自分を出すのが怖かったのかもしれない。

どんな事があっても、私のそばにいて話を聞いてくれたから、きっと君は優しい。

そんな優しい君が傷ついてしまうのは、こんなこと言いたくないけど、しょうがないのかもしれない。

君と最後に会った日、きっと君は笑ってた。

そして、泣いていた。

「いつも、傷つけてごめん。ずっと言いたかったのに、言えなくてごめん」

君は、なんだかよく分からない表情で、私に謝り続けた。

いつからか、君は遠い国へと旅立ってしまった。

その日はちょうど、私の誕生日だった。

6/24/2024, 10:53:00 AM

1年後なんて、想像したくもない。

モヤがかかって、見えないから。

明るいのか、暗いのかすらも分からない。何が起こるかなんて分からない。

なにか、とんでもなく嫌なことが起こるかもしれない。いいことが起こるなんて、想像できない。

孤独な未来しか見えない。苦しんでる未来しか見えない。

去年も同じことを考えていた。

今は孤独では無いし、悩んでいることはあるが、取りあえずは生きている。

来年も、そうだったら、いいけどな。

やっぱり、不安は消えないや。

6/21/2024, 11:14:23 AM

小さい頃、好きな色は何?と聞かれた時、私は困ってしまった。

好きな色だなんて、考えたことなかったから。

とりあえず、なんとなく黄色って答えといた。

あれから約10年は経ったけど、いまだに私は黄色が好きと言い続けている。

だんだん、言っていくうちに好きになってく。

周りのみんなも、私に何かプレゼントしてくれる時は黄色のものが多い。

私といえば、というものができて少し嬉しいかも。

6/20/2024, 10:09:19 AM

あなたがいたから、私は色んなことを学ぶことが出来た。

色んなものを手に入れた。

その分、失ったものもきっとあったけど。

それなのに、あなたがいなくなったら、私の手には何が残るのでしょう。

出会いには、別れは付き物。

でも、別れるべき人は、あなたでは無いってずっと思ってたのに。

あなたがいたから、当たり前が当たり前じゃないことに気づけた。

今更気づいても遅い。

私は1人で、あなたと共に歩いた道を、寂しくとぼとぼと歩むのです。

6/19/2024, 12:27:09 PM

『約1時間後に雨は止むでしょう』

スマホの画面にはそう書かれている横に、雲と雨のマークが書かれている。雨が降るのは夜だと聞いていたから、私は傘を持っていない。

1人、教室の隅っこの席で時間を潰していると、その隣の席に1人の女子が座ってきた。

「どうしたの、今日は部活ないんじゃないの?」

ニヤニヤしながらそう言うこの人は、私の友達。多分、私が傘を持っていないということを分かっていて、わざと聞いてきたんだろう。

「別に。そっちこそ、まだ帰ってなかったの?」

「部活あったんだけど、顧問が用事あるらしくて部活なくなってさ。今から帰ろうとしたら、貴方がいた訳」

「ふぅん……」

「で、私に何か言うことあるでしょー?」

いやらしくそういう貴方は、とても可愛らしくて、どこか憎めない。

「傘を貸してください」

「しょうがないなー!じゃあ今日は相合傘だね!」

「小学生じゃないんだから……」

「えー?私は相合傘好きだけどなぁ。青春って感じがするじゃん」

「意味わかんないし。ほら帰ろ」

私はすぐに立ち上がって、荷物を持って教室を後にした。彼女は待ってー!と言いながら後ろから着いてくる。

彼女の手には、私とお揃いで買った色違いの、水玉模様の傘が握られていた。

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