何で自分の人生に意味を持たせようとするんだろう
芸能人とか、スポーツ選手とか、そういう人じゃなきゃ人生の意味なんて大概の人が無いのに
私も、何で生きてるんだろう
「生きる理由なんて、『死にたくない』で良い」と言っていたのは誰だったか。
死にたくないのかと聞かれると、頷けない気がする。
何なら、今死ぬかと聞かれても「まあいいか」と答えそうな気もする。
ご飯は美味しいけど、生きる理由にはならない。食べるのも億劫な時さえあるし、食べ物の為に生きようとは思わない。
寝るのは好きだけど、死んだらずっと寝られるから、それも生きる理由にはならない。
生きる理由になるほどの好きな物が私には無い。
社会が死なせないようにしているから、死んでいないだけなんじゃないか
行雲流水な価値観だから、進んで死のうとも生きていようとも思わないだけじゃないか
死こそ救いとは思わないけれど、生きることに必死になるわけでもない
それでも、死ぬその時になれば、抗ったりするのかな
どっちでもいいか
お題『生きる意味』
あいつは悪い奴だ、悪魔みたいな奴だ
人を殺すのは悪いと決まっているのに
罪悪感なくやってのける
あいつは駄目な奴だ
悪と言えばあいつだ
だから僕はあいつを許さないんだ
彼はまだ若いんだよ
だからこの世の理で善悪の判断をする
彼の瞳を見たかい
生きる希望に満ち溢れて
濁りがない
あんな人間が、この世にあと何人いるだろう
あいつは妊婦を殺した
あいつは老爺を殺した
あいつは、何人も殺した
なのに誰も何にも言わない
それどころか泣いて悦ぶ奴さえいる
みんな頭が狂っているんだ
うん、狂っているね
ただ、狂いを指摘する人間がもういないんだ
だから狂いが狂いとして認められない
おかしいだろう?
私もそう思うよ
でも仕様のないことなんだ
あいつの元に、人が来た
「殺してくれ」と頼んでいた
僕は必死で止めたけど
手を振り払われてその人は死んだ
励ます僕を睨んだ鬼のような形相が
ずっと、消えないで残っている
この世界もおかしいよ
君がきっと、正解なんだよ
ううん、間違いはないよ
間違いを選ぶように、作られてはいないからね
君のどんな選択も、それは間違いではないよ
正解にたどり着くまでの回り道だ
それで、
正解は見つかったかい?
お題『善悪』
おやすみなさい
おほしさま
おほしさまは、いまからおきるの?
おひるも、ずっといるんでしょう?
みえないだけで、いるんでしょう?
おほしさまは、ねむくないの?
ねむいなら、ぼくといっしょにねてよ
よるはくらいから
ひとりぼっちで、さみしいから
おほしさまといっしょなら、あかるいよ
おふとんも、あったかいよ
ぼくのよこでおやすみなさい
えほんは、まだよめないけど
おもしろいおはなし、がんばってかんがえるからね
お題『星に願いを』
あの子と僕と
二人だけの
二人で決めた
秘密のやくそく
「毎日、さいしょに目に入った花を摘んでくる」
ドクダミみたいなのも?
人の家に生えてても?
なんでも
なんでもよ
人のはこっそり持ってくるのよ
ばれたら終わり ゲームオーバー
花が見つからなかったら?
じゃあ、植物にしましょう
植物だったらなんでもいいわ
でも、二日ともおんなじのはだめ
おんなじ道を通るんだから、おんなじのばっかりになるんじゃないかなあ
ちがう道を通ればいいでしょ、馬鹿じゃないの
花にそっくりなあの子が言うことだから、僕はなんでも聞いていた
見ているだけでどきどきする、話すとトゲトゲしてるけど、そこも素敵な、バラみたいな女の子
次の日あの子は目が痛くなるような花を持ってた
ものすごいピンクって言うと、「これ、ツツジよ」って教えてくれた
僕は三葉のクローバーだった
次の日あの子はナノハナを弄んでた
僕はタンポポを持ってたから、黄色でおそろいだねって笑った
あの子も、春はピンクじゃなくて、黄色いのよって笑ってた
次の日あの子は腕いっぱいに白を抱えてた
なんの花かと思ったら、白色のアジサイだった
めずらしいのよ、きれいでしょ、
お日さまの光が当たったあの子はきらきらしてて、およめさんみたいで、僕のおよめさんになってくれないかって聞いた
プロポーズの花束がシロツメクサなんて、嫌よって笑われた
本当は僕、自分の持ってる花がそんな名前なのも知らなかった。でも、茎を割って指輪にするのは知ってたから、作ってあの子にあげた。
あの子は受け取ってくれたけど、指輪なら左手でしょ、ってまた笑われた
あの子は毎日きれいな花を持ってくるから、「ほんとうに最初に見たのを持ってきてるの?」って聞いたら、そんな訳ないでしょって言った。
悲しくって、僕、「酷い。嘘つき」って泣きわめいた。あの子が僕とのやくそくを破ったのがあんまり辛かった。からかわれたみたいで、悔しかった。あの子は、馬鹿、って一言言って、そのままくるりと向きを変えると走ってどこかへ行っちゃった
うん、どこかは知らないよ
あの子は二度と現れなかったから
今でも時たま、花を見ると思い出すんです
あの子の無邪気な、猫目を半月型に歪める笑顔
あの子は、花じゃなかったんですね
だから、出すのは蜜じゃない
毒なんです
その毒のせいで、僕は今でも、苦しめられている
毒はこの世の何より綺麗です
花よりも、正義よりも、規則よりも。
何よりも。
お題『ルール』
晴れは良いわね、お天気の代表みたいで。
お日さまがぴかぴか眩しくって、嫌になるくらい。
こんなに輝かなくたって、誰もあなたの存在を忘れたりなんかしないのに。
日に焼けるからと、あの子は外には出なかった
雪は嫌いよ、音がしなくって。
耳鳴りが、ひどくなるし。
私の呼吸のひとつさえ、雪が吸い取っちゃうんだわ。
雪の日はあの子もシンとして、何の音もしない中、歩いたの。
台風は好きなの、面白いから。
毛布にくるまって、ぴったり寄り添えば、私たち以外誰もいないの
別世界に、飛ばされてるのよ。
その時誰かが笑ってたけど、あの子じゃないわ
雨は嫌よね、猫っ毛がくるくるして。
見ている分には、面白いんだけど。
ほっぺたを膨らませて、唇を尖らす横顔が、何だかとってもおかしくって笑っちゃった。ごめんなさいね
あの子のこころは、お天気みたいに変わるの
明日のあの子は、晴れてるかしら?
お題『今日の心模様』