やわらかな光
黒の中に浮かぶ
ほのかに光る衣のすそからは
ほそくしろい足がのぞき
足首には金の輪が幾重にも巻かれ
ひとつひとつの輪につらなる
鈴の音とともにそっと
地にかがむ
この深い闇の床を
しろく華奢な手のひらがすくうと
手の上でやわらかな光をまとう
しろがねの粒となり
それは
天を貫く塔の真上から
さらさら
さらさらと
星の海へ注ぎだされました
それは
またたく流れ星となり
わたしたちの祈りを受け止めるのです
愛を叫ぶ
今回は、最近始めた
『ヒプノシスマイク オルタナティブラップバトル』という
アプリにハマってしまった筆者の叫び
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ヒプノシスマイク ifの世界愛す
半月で人生 変えるit
時間費やして
伊弉冉一二三に 愛を叫んで
今ある時間を溶かしてしまえ
とりあえずアプリ 冷やかしで入れ
こんなにハマって戻れない可能性
ホントに考えてなかった青いあの頃
ホストキャラの伊弉冉一二三(いざなみひふみ)
彼に褒められ テンション上がるも貢げない天井
原作知って 今日も叫ぶ
天舞う私のひふみ萌を
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韻が踏めてない……
ゲームやってないとさっぱりわからない話ですが
今回ばかりは見過ごして下さい
忘れられない、いつまでも
俺はあの日のことを、忘れられない。
いつまでも覚えているだろう。
こんな強い雨が降る夜にはごくまれに思い出す。
その日は冬のある日の雨が降っている夜だった。
近くのコンビニだからすぐに行って帰れると思い傘を持たずに出ていき、支払いの段階で初めて財布を忘れていたことに気が付いた。
スマホでの決済の最中に、電池が切れた。何も買うことの出来ない俺はしかたなくコンビニを出る。コンビニにいる間に、雨がざあざあと強く降っていた。
仕方なくずぶぬれになって家に帰ってきた俺は、ドアを開けようとして気づいた。
——カギがない。
とりあえず、俺がいない間に兄が帰っているだろうと期待しながらインターホンを押す。
出ない。
もう一回押すが出ない。
何度も何度も押しまくるが、出てこない。
……帰っていないのか。
スマホの電源は落ちているから兄に連絡が取れない。財布もないから缶コーヒーの一つでも買って温まることもできない。
どこで落としたのかと、俺はもう一度コンビニへ向かう道をたどる。
スマホの明かりはなく、街頭だけの暗い道の中、地面を見てもカギらしきものは見つからない。兄のように、小さなテディベアのようなものをぶら下げておけばよかったと、いまさら後悔しても遅い。不幸なことに俺のカギにはキーホルダーが全くついていなかった。
探している間にも、雨は容赦なく俺の体温を奪っていく。コートが雨を吸って重くなる。手はかじかんでいう事をきかなくなってきた。相変わらず、鍵は見つからない。そろそろあきらめて帰ろうかと思ったその時だった。
「ここで何をしているんだ。風邪をひくだろう」
兄の声がして、そっとビニール傘がさしかけられる。俺は兄に身を寄せて、無理やりビニール傘の中に濡れないように体を納めようとあがき、兄に追い出されかけていた。
しかし、スマホも財布も鍵も持っていないことを伝えると、兄は近くの自販機に行って、熱い缶コーヒーを買ってくれた。
兄と二人で、狭いビニール傘の中に押し合いへし合いしながら、家に戻る。その間にも片方の肩は濡れて、体温を奪う。
コンビニから約5分ほどの家は、この時の俺にとってはとてつもなく遠く感じた。
ガチャリと、鍵の開く音がして暗い部屋の中に入る。
俺はすぐに風呂を沸かして入った。その後暖房をガンガンに聞かせた中で、兄の気分の冷製パスタとジャガイモの冷製スープにがっかりしながら熱いお茶を飲んだ。
風呂で暖まったにもかかわらず、翌日俺は風邪をひいて寝込んだ。
俺は忘れない、いつまでも。
この日だけでなく、去年のこのころの雨の日も、散々な目にあい風邪をひいたことを。
だから俺は本当に雨の日が嫌いになった。
碌な目に合わないのだから。
君と出逢って
「今日は炊き込みご飯と焼鮭と豚汁だ」
「ありがとう兄さん」
そう言いながら、弟はいそいそと食卓についている。気づいてないようだが、好きなメニューだとあからさまに表情が変わるので非常にわかりやすい。
俺は満足そうに頷くと、弟と一緒に席についた。
食事が終わったあと、俺は食後の飲み物を準備していた。弟は砂糖とミルクたっぷりのココア。俺はエスプレッソだ。
するとリビングの方から弟の声が聞こえてきた。
「あれ? これ……アルバムだよな? なんか見たことあるような……?」
弟がリビングのソファテーブルに積んである5冊ほどのアルバムに気がついたようだ。
弟がぱらりぱらりとページをめくっていく。しかしその音もぴたりと止まる。
「どうした?」
何か写っていてはまずいものが入っていただろうか。
俺は疑問に思いながら弟の方を向くと、弟はふるふると震えている。
「兄さん、これ」
そういったきり、何故か弟は言葉に詰まっていた。何かあったのだろうか。弟が生まれてからの年代順に写真を並べていたのだが、順番を間違えていただろうか。
「ああ。あれはお前が生まれてから今に至るまでのアルバムだ」
俺はエスプレッソとココアをテーブルに置いてから、アルバムを開いて中の写真をチェックする。
間違いなく順番に並んでいるはずだが。
2番目のアルバムを見ていると、ぱたん、と弟が5番目、最後のアルバムを閉じてテーブルの上に置く音がする。そしてしばらくしてから。
「おい……昔の写真、全部取ってたんだな!?」
弟が俺に詰め寄ってきた。
「何か、まずいことでもあったか?」
5冊目の中学卒業式の写真がうまく撮影できてなかったからだろうか?
そう俺が返すと、弟はココアの入ったマグカップを持って大きなため息を付いてから、
「なんか恥ずかしいから処分してくれ」と言い残して自分の部屋に入った。
「それは無理な話だ」
残された俺はアルバムの第一冊目を開き、一番最初の写真、弟の生まれたばかりの頃の写真を見た。
「ほら、お兄ちゃんよ」
俺の目の前に差し出された赤ちゃんと会ったその時を。
初めて会ったとき、当時の俺はふーんと思っていたのを思い出したが、そんな俺に生まれたばかりの弟はニッコリ笑いかけて、俺の指を握ってきた。
この子が俺の弟。
握られた自分の指を見ながら、弟の面倒は俺が見ると心に誓ったあの日の事を、鮮やかに思い出した。
優しくしないで
こんな事、許されるわけない。
いつまでもこのままではいられない。
今日もまた、時間が来てしまった。
分かっている。
時間なのだ。そろそろ……。
それなのに、また誘惑に負けてしまいそうになる。
ふわりと優しく包みこまれていると、俺はいつのまにか目を閉じて、その身をゆだねてしまいそうになる。
寒いこんな朝は特にそうだ。そのぬくもりから離れたくない。それでも強い意志を持って、ぐっと身を伸ばして誘惑を克服しようと努力する。
しかし、俺を包むこの温かさは、まるで俺を引き戻そうとしているかのようだ。
いつまでもここにいてもいいよと、言っているかのようだ。
やめてくれ。
こんなに優しく包みこまれたら俺は。
俺はもう、ここから離れられなくなってしまう。
このままでいると、恐ろしいことが起こるとわかっている。
だからこそ俺は身を起こして、ベッドを出なければならない。
けれど最後の抵抗とばかり、俺はぎゅっと枕を抱きしめる。
いやだ、たとえ時間が来ても離れたくない。
俺は何度も時計を見ながら、往生際が悪いとわかっていても包み込むぬくもりにいつまでも身を任せていたいと願う。
俺はそのまま、目を閉じた。
*****
しつこくなり続ける三度目のスマホの音で目を覚ました俺はアラームを止め、時計を見た。
「やばっ! もうこんな時間だっ!!」
あわてて体温で温まっているベッドから起き上がる。
今から出勤しても、出社時刻には間に合わない。
俺は会社に遅刻する旨の連絡を入れてから、慌ただしく準備をして家を出た。