「私が生きてる意味ってなに?」
そう貴方から問われた時私はすぐには答えられなかった。
でも何かしら答えなきゃ貴方は霧のように消えてしまいそうで私は
『生きてる意味なんて私にも分からないよ…
でも私は貴方に生きてて欲しいってずっと思ってるよ』
と答えた。
貴方は涙を流してごめんね、と言ったね。
次の日貴方が救急車で運ばれたのを知った時私は自分を責めたよ。
私は間違った選択をしたのかなって。
貴方は退院してきた後笑いながら
「ごめーん笑笑やらかしちゃった笑」
と言って首の大きな傷跡を見せてきたね。
首を切って自殺未遂
薬の過剰摂取で自殺未遂
腕を深く切って自殺未遂
飛び取りで自殺未遂
貴方はどれだけ私を振り回せば気が済むのかな、
本当はねずっとね貴方に言いたかったの。
『私が貴方のそばに居るのにこんなに心配してるのに、なんで何度も自殺未遂するの?私の事見えてないんでしょ?貴方にとっての私ってなに?』
そんな事言えたら苦労しないや、
生きる意味を聞くたびに
私は答える
私が居るから生きてと
貴方は言う
ごめんね、と
泣くのはなんで?謝るのはなんで?作り笑いするのはなんで?大丈夫って言葉は本物ですか?
生きる意味が私ではダメですか?
それは何気のない日常の中でよくある事だった。
私はその日友達3人でごはんを食べていた。
いつものように今日はあーだったんだよね〜
あの人かっこよくない?
アイドルの〇〇が〜
とか話が盛り上がる中誰かが言った。
「ねぇ、〇〇ちゃんの髪色ダサくない?てか金髪とか似合わんしww」
「わかる〜てか彼氏もかっこよくないしなんかあの子ギャル目指してるらしいけど全然ギャルじゃないよねww」
始まった…と私は思った。
友達同士で集まるとよくある話題『悪口』だ。
友達同士が集まると必ず悪口大会が始まる。
もちろん自分も悪口を言う時があるから人の事は言えないがその時出てた悪口を言われていた子は私の一番仲の良いし長い友達の悪口だった。
私はどう返すべきか分からなかった。
同調したくないけどしなければ仲間はずれにされる気がして怖くて嫌で私は
「だよね〜正直私もそれは思った!金髪は似合ってないと思うし全然ギャルっぽくないもん」
って気づいたら返してた。
言った後悔とか後ろめたさとかそれを言ってた事が本人バレたらどうしようとか私も影で何か色々言われてるんじゃないかとかすごく不安になった。
その子に対しての後ろめたさはいつまでも残って
影て何か言われてるんじゃないかといつまでもビクビクして
気づけばこう考えていた。
同調すれば、、、意見を合わせれば、、
皆と同じようにすればいいんだ。
私は悪くない私は悪くない!!
そう、、、それでいいんだ。
私の答えは正直きっと間違ってるんだと思う。
でもそうするしかないから
それでいいんだきっと。
『大切なもの』
私の大切なものはいつも財布に挟んでいる2枚のチェキカメラで撮った写真だ。
私の15歳の誕生日の前日に撮った最初で最後の家族写真
私の家は家族皆仲が良いって訳では無かった。
祖父と母と私の三人家族。
母と祖父は仲が悪かった。
私と母は仲が悪かった。
母は祖父から逃げるように家にほとんどいなかった。
私は母に会いたくなくて会いに行かなかった。
私が母に会わなくなって一年以上経ったある日母が癌で春まで持つか分からないと言われた。
だから最後に会って欲しいと祖父から凄いお願いされたけど大好きな祖父からのお願いでも私は母と会うのは嫌だった。
私はまだ母を許せていないから、いや許せないから
だから会いたくないんだと思った。
ある日祖父にドライブに行こうと言われた。
私は久しぶりにら大好きな祖父とドライブに行ける!と張り切りっていた。
しかし着いたのは病院で、
お母さんと会いなさいと強制的に病室に連れてこられた。
私の名前を呼ぶ声が聴こえた。
何かを耐えているような弱々しい声だった。
私は病室の前で気がついたら泣いていた
人の目なんて気にしないで病室のドアの前で泣いてひたすら許せなくてごめんなさいと泣いた。
その日はそれで終わった。
祖父が何回も会わせに行くしお願いするから私はついに母に会うことにした。
扉を開けて俯いていた顔を上げてチラッと見てみるとそこには母だけど母では無い誰かが居た。
あれ?
こんなにガリガリだったっけ?
こんなに弱弱しい声だったっけ?
こんなに呂律が回らなくなってたっけ?
こんなに無理して笑う人だったっけ…
話してみるとやっぱり母で
ジャニーズが好きで祖父が大嫌いで可愛いものが好きでお菓子が大好きないつもの母だった。
でもトイレもお風呂も自力で出来なくなっていた。
喋るのも一苦労で元々統合失調症でそれが酷かったけどもっとそれが酷くなっていて寝返りも起き上がるのさえも出来なくなっていた。
久しぶりに見た母は随分変わっていた。
話す時久しぶりすぎてどう接していいか分からなかった。
でもその時はまさか次会う時が最後になるなんて思ってもなかった。
12月の初めに私の誕生日がやってきた。
誕生日の前日が日曜日でその日祖父と母と母の病室でお祝いしてチェキカメラを貰った。
さっそく私の誕生祝いという事で撮った。
1枚は3人で撮った写真
1枚は母と私のツーショット写真
次会うのは再来週になった。
来週は修学旅行の準備やらで忙しくて日曜日は荷物検査があったからだ。
「お母さんにお土産買ってくるね」
「ほんと?!待ってるね!!」
そんなやり取りをして修学旅行に行っていた2日目
昼の三時頃私はお母さんに買うお土産を選んでいた。
手がカサカサだったからゆずの香りのハンドクリームにしようと思って買って何事もなく修学旅行から帰ってきたらお迎えの車が叔父さんの車だった。
嫌な予感がした。
母が亡くなった
結局渡せなかったゆずの香りのハンドクリームは棺桶に入れた。
亡くなったのはちょうど2日目の三時頃だったらしい。
私の手元に残ったのは2枚の写真だけだった。
私の大切なものはいつも財布に挟んでいる2枚のチェキカメラで撮った写真だ、きつい時辛い時泣きたい時はいつもそれを見ている。
何故かそれを見ると元気を貰える気がしてくるから。
これは失恋の物語。 はじまりは、星が輝くレストランにて。
星を見る度に
初恋を思い出して泣いているんだ。
貴方を探す度に
どうしようもなく惹かれている自分がバカバカしくなるんだ。
「僕の恋人はあの夏の夜空に大きく見える一等星のアルタイルなんだ。とても神秘的で強く美しいだろう」
そう嬉しそうにレストランで頬杖をつきながらうっとりと星座を魅入る貴方を横目で見て私は重たいため息をついた。
つまらない。
私に関心がない貴方がつまらない。
せっかく夜空の星が綺麗と噂のロマンチックなレストランに連れてきたのに貴方がそんな様子じゃつまらない。
貴方の気を引きたくて必死な私がつまらない。
気に入らないわ。
私の片思いしている幼なじみには同性の恋人がいる
あの子は栗色のふわふわしたくせっ毛に黒曜石のように真っ黒でアンニュイな瞳、化粧してないはずなのに頬はうっすらピンクで形の良い唇は薔薇色、まるで神話に出できそうな美人さんだった。
それで性格も優しくて穏やかで非の打ち所のないからとても憎めなかった。
誰もがあの子に魅入った
私の幼なじみも例外ではなかった。
幼なじみの貴方はすぐあの子に一目惚れして懸命にアタック
私はあの子と仲が良かったから仲介役を頼まれたり食事や遊びのセッティングをお願いされたりで正直きつかった。
でも断れなかったのは貴方との関係が崩れるのが嫌だったしなにより頼られてる感じで少し嬉しかったから…
貴方とあの子はだんだん距離が近くなって私はそれを眺めているだけでとうとう2人は付き合ってしまった。
別れてしまえばいいって私が居て幸せを心から願えない私が居て
吹っ切れたいのに長年の片思いは切れなくて
そんなモヤモヤした気持ちを胸にしまい込んで、忘れてしまいたくて目を閉じていたら通知が1件来ていた
___どこか星が綺麗な所知らないかい?良かったら一緒に行こう。
私は少し時間を置いて
いい所があるよ、一緒行こう。
と返信した。
ちょっとした期待だった。
上手くいってないんじゃないかとか自分にもしかしたら気持ちが行ったんじゃないかとか
そしたらなんだ惚気かよ…
あの子の事を貴方は1番好きな星座の一等星のアルタイルに例えて惚気けだす
聞きたくない、逃げ出したい
本当は
本当は私がその位置にいるはずだったのに
私があなたのアルタイルだったはずなのに
なぜ私は貴方の一等星になれないのでしょうか
なぜあの子なのでしょうか
もうそう願っても遅い