今年受験の私は、自分の将来について考える日々を送っていた。
低学歴の私が国公立なんて行けるわけもなく、せいぜい私立のFラン大学が関の山という現状。
だから私の人生はもう終わったんだと思っていた。
だけどそれを両親に相談したら、呆れたように笑って、生きてさえいてくれれば良いよと抱きしめてくれた。
涙が溢れた。
同時に、自分の不甲斐なさに死にたくなった。
自分には誇れるようなこともないし、両親を幸せにしてあげられるようなスキルもない。
だけど両親がこう言ってくれたことで、安心と不安が半分半分になった。
私は、この家に生まれて良かったと改めて感じた。
私は今日、こんな夢を見た。
世界から感情が消える夢。
最初は嬉しかった。
みんな同じ反応だから、感情表現が苦手な私でもその場に溶け込めて、やっとみんなと同じになれた気がした。
だけど感情がない世界は冷たくて、悲しくて、相手が何を考えているのか分からないから物凄く怖かった。
それで学べた。
感情はあってもなくても人を傷付ける、恐ろしいものなんだって。
だからこんなもの…人間なんて消えればいいって。
もしもタイムマシーンがこの世にあるならば、
私はいつに戻るのだろう。
戻り過ぎたら、人生をもう一度やり直さなくてはいけなくなる。
だからといって、ここ最近に戻っても私の人生は変わらない。
あ、なんだ。めっちゃ良い方法あるじゃん。
そもそも私が生まれないようにすれば良いんだ。
純粋に君を愛していた。
だから君に会いたくて、たくさん無理をした。
たくさんお金もかけた。
それなのに君は僕を無視する。
僕だけが苦しむなんて、そんなの不公平だろ?
許せないだろ?おかしいよな?
だから…
今度は君が苦しむ番だよ。
ほろ苦くて真っ黒な私の過去を紙の上に並べる。
どれも二度と見たくないくらいに残酷で、思い出したくもない。
だから二度と見なくて済むように、鍵付きの日記を焼却炉にぶち込んだ。
これで私の過去が消えたとは思わない。
だけどこの過去を知っているのは私と、この閉ざされた日記だけ。
それがなんとなく、友達ができたみたいで嬉しかった。