喪失感
欲望というのは誰しもが持っている。
金が欲しい、美味いものをたらふく食べたい、生きていたい。ほかにも人の数だけ欲望はある。
欲望が満たされて充足しているはずなのに、
もっと、もっとと飢えてはまた欲しがる。
満ち足りないからその身体の中を満たそうとする。
失って、飢えるから欲しがる。
無くなってから気づくとはよく言ったものだよな。
愛を叫ぶ。
悔しい。
想いなら誰にも負けない、負けてない。
こんなにも焦がれているというのに。
じゃあなぜ、俺は選ばれない。
力がないから?俺は俺のありったけを込めている。
なら、何が足りなくて選ばれない。
悔しい。
あぁ、もっと上手くならなくてはいけないのか。
……時間がたりない。
寝ることも忘れて描かなければ。
でなければ、『選ばれる』ことはない。
悔しい。
明日世界が終わるなら
ねぇ、今日はずっと起きてようよ。
えぇ?眠い?まぁそうだよな、夜だもんな。
でもさー、あと二十数時間しかないんだぜ??
だったら徹夜してでも起きてようぜー
まだ見てなかったアニメとか映画とかドラマとかあったろ??ねー、夜通しでもいいからみよーよー
あいてっ、枕投げんなよー
……あ、じゃあさじゃあさ、今から車乗ってドライブ?いこうぜ、日の出見に行く奴!!!エモくね??
え、お前免許持ってないだろって?
……それも、そうか………
……ねぇ、これでいいの?あと少しの時間の使い方これでいいの???もっとやりたいこととか、なんかこう……
……『終わりかけの時に、慌ててやるのは夏休みの宿題で十分』???
いつも通りに過ごしたいってこと、か。
変わらない自分たちで過ごす方がしあわせかぁ
そうかぁ。わかった。
じゃあ、明日起きたらいつも通り会社に……
え、それは行きたくない??
そっか。
なら家ですごそーな。映画見よーぜ!!!
カラフル
まずは青を使う。
下地に仕込ませるのがよく効くんだ。
知ってる?人の肌って奥が深いんだ。
肌の下には筋肉があって、その下には骨があるだろ?
肌自体は細胞が固まってできてて、
それぞれに色があって。
それが重なって肌って色になってる。
自分の肌を観察しながら色を作って塗っていくのって、とても楽しいんだよ。
単純じゃないんだって発見があるから。
絵画もそうだね。
美術館に飾られているような絵画だとかはわかりやすいかも。
緑の森を塗るだけなのに、
赤色だとかオレンジ色を使ったりする。
近くでみると気づくけど一歩引いてみるとその色が、周りの色と馴染んで完成された絵画になってたりする。
それが不思議でさ、ボクは好きなんだ。
彼らには、他人には、
どんな色に世界は見えてるんだろう。
キミも興味あったら観察してみるといいよ。
空の色、カラスの羽の色、草木の茂みの色、コンクリートの色、とかとか、
周りでよくみるものを改めてみてみるんだ。
おもしろいよー1色で形作られているものはないからさ。
世界は色で溢れてる、とはよく言ったものだね。
もしやってみたら、どんな色があったか教えてくれる?他人がどういう色が見えているのか、興味あるんだ。
ところにより雨
「ーーところにより雨になるでしょう」
いつもこうだ。
自分のお祝いごとの日には必ずと言っていいほど雨が降る。
入学式、卒業式、自分の生まれた日まで雨が降っていたと母親が言っていた。
神様が泣いているから、お祝い事の時に雨が降るのだろうか。
神様まで祝ってくれてんならうれしいねぇ。
だけど、一張羅を濡らすのだけはやめてほしいかな。