✝しがない高校生✝

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12/2/2023, 11:29:49 AM

光と闇の狭間で

僕にとっての光は貴方が居ること。
僕にとっての闇は貴方を失うこと。

貴方の居ない世界なんて
考えられない。

悲しくても生きるっていうのは
相当勇気がいることだと思う。

楽しくない、苦しいって思うのは
まだ生きたいと思っているから。

理由なんて要らない。

貴方が居て頑張れるのも
貴方が居なくて人生が色褪せるのも
全てこれが僕だから。

人生の別れ道にぶつかっても前を向くのは
思いっきり笑える時を待ってるから。

12/1/2023, 11:10:51 AM

距離

「クロ物語」

───グゥー…お腹が空いたにゃー

「何か食べたいにゃー」

あ、おいらはクロだ!
全身真っ黒で美しいにゃー!
でも今お腹空いてるんにゃー…

そうだなぁ…何を食べるか迷うにゃ。
ここはやっぱり魚か…?
いや、やっぱり肉か…?

おいらは、じっくり焼いた魚が好きなんにゃー。
いつもご飯を分けてくれるおじさんが居るんにゃー。
おいらが可愛いから当然だけどにゃ!ふん!

生意気そうなクロはいつものように
おじさんの家に向かっていく。

あのおじさんは、いつも縁側に座って
お茶を飲んでいるんにゃ
おいらがやって来ると眩しい笑顔で
ご飯を分けてくれるんにゃー

今日はどんなご飯かにゃー?
ワクワクするにゃ!

「お、おはよう!クロ、今日の飯はこれだぞ!」

出されたのはふっくら焼いた秋刀魚だった。
高めの机に並んであって秋刀魚は遠い。

まぁ、おいらにとっては楽勝だけどにゃ!
ぴょんぴょんと静かに跳び、1口かじり

う、美味すぎるにゃー!
今日も秋刀魚が美味いにゃー!

11/30/2023, 11:53:19 AM

泣かないで

───ふわっと強く香るラベンダーの花束。

花屋に寄り道する時君は必ず呟くんだ。

「特に深い意味は無いけれど、元気になれるから好きなんだ~」

ラベンダーの花を蒸留して作るアロマオイルに
乾燥させたものをお湯で入れたハーブティー。

ラベンダーの花を粉砕して石鹸や入浴剤に混ぜたり
乾燥させたものをドライフラワーにすることも出来る。

リラックス効果や眠気を誘う効果で
君はいつも緊張ばかりの僕にピッタリだって教えてくれた。

そうだ、今日は君の誕生日だったよね。
プレゼント沢山迷ったけれどきっとラベンダーが喜ぶと思って
実は沢山買ったんだ。

でもすぐに枯れても嬉しくないからと
ドライフラワーにしようと数日前から準備しては
喜んでくれるかなと期待を膨らませた。

───トゥルルルルル…

ん?なんだろう…電話がなっている。
出てみると友達からの電話だ。

「どうした?そんなに慌てて…」

「どうした?じゃないよ!結菜が事故にあった!」

衝撃受けた僕は動揺を隠せず全力で走り事故現場に向かった。
警察と救急車がファンファン…ピーポーピーポーと音が鳴っている。

嘘だろ…結菜は無事なのか!?と
頭がいっぱいで呼吸も荒くなり僕は気を失った。

ごめんね…結菜………

────あの事故から1年経ち、周りも落ち着いてきた頃

あの日君に渡せなかったラベンダーのドライフラワーを
遅めの誕生日プレゼントと墓の前にそっと置いた。
スゥーと涙が零れ、止まらなくなり
子供のように泣きじゃくった。

ぶわっと風が吹いてラベンダーの香りと共に聞こえてくる。

「泣かないで」

11/29/2023, 10:28:10 AM

冬のはじまり

車内の窓から眺めていると
向こうの山の頂点が白く染まっている。

フー…と息を吐いてみると
雪を吐いたかのように白いモヤ。

美しく咲き誇っている椿は
暖かい色に控えめな優しさで溢れている。

炬燵でぬくぬくと温まっていると
肌がじんわりと熱に溶けていく。

冬って寒くて嫌かもしれないけれど
実は気付いていないだけで
暖かいものが沢山詰まっているんだ。

あちらこちらと視界を広くすれば
心まで暖かくなるんだ。

君もきっと冬を好きになる。

11/28/2023, 10:58:41 AM

終わらせないで.1

────雨が降っている。
酷く煩い雨の音は僕の嗚咽を掻き消す。

あぁ、もう一度君に会えたら…
なんて心の中で何度も願っても

戻って来ることの無い君の無邪気な笑顔
何度も助けられた暖かい君の声、
僕が作る黒く焦げた卵焼きを
いつも美味しそうに食べる君も
こっそりサプライズで嬉し涙を流した君も、
喧嘩したらスイーツを一緒に選んで
食べて仲直りした思い出も

全部失ってしまった。

「私が居なくても生きて」

終期に君が囁いだ約束。
呪われたかのように僕にまとわりつく。

君が居ない人生は息が詰まりそうで苦しいんだ。
周りの景色は色褪せて生きることさえ辛いんだ。

泣いても戻らないのに涙が止まることはなく
いつもより暖かい朝日が顔を出した。

「終わらせないでよ」



終わらせないで.2

───強く美しく咲き誇っている向日葵。

向日葵を眺めているとふと思い出す。

大きな庭のガーデンからひょっこりと
現れる眩しい笑顔の少年。
あなたはいつも元気に走り回っては
綺麗な景色があると連れていってくれる。


ある日、明日で引っ越すと言われて泣きそうな私は
君と指切りげんまんをした。

「秘密の約束だよ、大きくなったら迎えに行くね」

向日葵と初恋を残して遠くに行ってしまう。
終わらせないでよ…もっと一緒に居たかったよ。

──数年経った今も思い出す。

君にサプライズで思い出の向日葵を買った。

「ただいま~向日葵だよっ!」

家の鍵を開けるとあの頃より低い甘い声で返事が聞こえる。
あぁ幸せだな


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