「叶わぬ夢」ってのはよ、 時間を巻き戻せねぇってこと みてぇなもんだ。
あの時、もうちょい素直になれてりゃ。
あの時、あと一言だけ伝えられてりゃ。
あの時、違う道を選んでりゃ。
そんな「もしも」ばっか考えて、頭の中で何度もやり直す。けどよ、現実は無情だ。過去は過去、時間は戻らねぇ。どんだけ後悔したところで、そいつは変わらねぇんだよ。
でもよ、不思議なもんで、そういう 叶わねぇ夢 ほど、やけに鮮明に覚えてやがる。叶った夢なんざ、気づいたら当たり前になっちまってんのにな。
だからって諦めろとは言わねぇ。夢は叶わねぇから価値があるんじゃねぇ。叶えるために足掻くから意味があるんだよ。
…って、まぁエラそうに言ってるオイラも、酒飲みながら「ジャンプの発売日が一日早まる夢」見てんだけどな。叶わねぇ夢ってのは、案外そんなもんよ。
春の風に乗っかって、ふわりと漂う花の香りってのぁ、まるで昔の思い出をそっと撫でるみてぇなもんだ。忘れたくても忘れられねぇこと、心の奥にしまったまんまの気持ち、そういうのを一瞬で引っ張り出してきやがるんだよな。
桜の香りにゃ、散り際の切なさってもんが詰まってるし、藤の香りには、誰かを待ち続ける健気さが宿ってやがる。そう考えりゃ、花ってやつぁ、見た目だけじゃねぇ。香りにまで人の心を揺さぶる力を持ってやがるんだ。
ま、オイラはそんな繊細なこと言いつつも、鼻炎持ちだからな。花の香りどころか、くしゃみで全部吹っ飛んじまうけどよ。
…ったく、人生ってのはいつだって皮肉たっぷりだよなァ。
花の香りと共に
別に、会いてぇわけじゃねぇんだ。
ただ、あんたの声が頭ん中で離れねぇだけでよ。
あんたが残した言葉が、
この腐った心ん中にしみついちまってるだけでさァ。
どこにいるかなんて、
もう知りたくもねぇし、
追いかけるほどガキでもねぇ。
でもよ、
気づきゃ目の端であんたを探してる。
あんたみてぇなバカ野郎を、
探してる自分に、笑っちまうんだよ。
…ったく、
しつけぇのはどっちだっつーの。
君を探して
終わりっつうのは、ただの区切りでしかねェ。
人生ってやつは、勝手に幕引きできるほど安くもねェし、
逆に「ここで終わりだ!」って決めたところで、
次の朝にはまた太陽がのこのこ顔出してやがる。
つまりだ、終わりなんざねェんだよ。
あるのは、終わったと“思った”そっからの始まりだけだ。
たとえば、祭りが終わった後の寂しさも、
結局は「また次がある」って思えるからこそ味わえるもんだろ?
燃え尽きるのもいいが、灰になったところで風が吹きゃまた舞い上がる。
んなら、しぶとく生きてみりゃいいじゃねェか。
人生ってのは、続く限り続くもんだ。
だったら、何度でも初めてやりゃあいい。
その度にちょっとずつ違う景色が見える。
だからこそ、生きるってのは面白れェんだよ。
終わり、また初まる、
星ってのは、何かしら「俺様」感を持ってるよな。
遠くから見ると「おぉ、なんて美しい」ってなるけど、実際近づいてみたら、「あ、何もねぇ」ってなるパターンだよな。でも、だからこそあんなに輝けるんだよ、あいつら。触れられないからこそ、手が届きそうで届かない、その微妙な距離感がまた、いい塩梅で魅力的なんだよな。
だけど、俺たちみたいな人間はどうしてもその光に引き寄せられる。こっちが手を伸ばすたびに、星は少しずつ遠ざかる。どれだけ追いかけても、結局その距離は縮まらない。だからこそ、次の日もまた、無駄に見上げてしまう。あいつらがわざと見せつけるその光が、俺たちを試してるみたいで、なんか悔しいけど、ついつい引き寄せられてしまうんだよな。
まぁ、結局星も、俺も、あいつらの光も、遠くにいるからこそ、輝いてる。近くにいたら、ただの普通の「光」でしかない。でもそれを分かってて、毎晩夜空を見上げる。何なんだろうな、あれは。
星