きづいて☆センセーション
なんだか今日も あなたの横顔
見つめてるのに 気づいてくれない
ちょっとした仕草 ただの冗談も
気にしてほしい わたしの気持ち
ピコピコハートが フルパワーで
あなたに向かって 飛んでゆくよ
ちいさなサイン 見逃さないで
ねぇ、わたしだけを見ていて
キラリ☆センセーション はじまるよ
メールの返信 待ってる時間が
まるで永遠 ドキドキがとまらない
ちょっとした言葉 その一言で
天国か地獄か 決まっちゃうの
ピコピコハートが フルパワーで
あなたの心に 届くといいな
些細なことでも 気づいてほしい
ねぇ、わたしのこと見てよ
ドキドキ☆センセーション 感じてる?
なにげない笑顔に 隠してる想い
だけど本当は もっともっと知ってほしいの
ピコピコハートが フルパワーで
あなたに向かって 飛んでゆくよ
ちいさなサイン 見逃さないで
ねぇ、わたしだけを見ていて
キラリ☆センセーション はじまるよ
きづいて、お願い…☆彡
切ない別れ
夏の終わり、蒸し暑い夜風が街を撫でる中、二人は最後の夜を共にしていた。喧騒から少し外れた静かな公園。ベンチに腰掛けると、彼女はポケットから小さな包みを取り出した。
「これ、最後のプレゼント」と彼女は微笑んで手渡した。
「…ありがとう」と彼は受け取りながら、どこか言葉が詰まるのを感じた。彼女の声にはいつも以上に優しさが込められていたが、その裏には別れの予感が漂っていた。
二人の沈黙が続く。夜空に星が瞬き、セミの鳴き声が遠くから聞こえてくる。だが、その音も二人の間には届かず、ただお互いの気配だけが濃密に存在していた。
彼女は深呼吸をし、決意を固めたかのように彼の方を振り向いた。
「ごめんね」と彼女は小さな声で呟いた。その言葉が彼の心に刺さる。何を謝っているのか、彼は分かっていたが、理解したくなかった。
「何が…」と問いかける前に、彼女は一歩近づき、彼の唇にそっと自分の唇を重ねた。驚きと共に彼は目を見開いたが、その瞬間に全てを悟った。彼女の唇は暖かく、切なくも甘い味がした。
キスは短かったが、その中に全ての感情が詰め込まれていた。彼女が彼の唇から離れた瞬間、涙が彼女の頬を伝い落ちた。
「さよなら…」
彼女はそう言うと、振り向かずにその場を去った。彼はその背中を見送るしかできなかった。何かを叫びたかったが、声にならなかった。身体が石のように固まってしまい、ただ見つめることしかできなかった。
彼女が闇に消えていく中で、彼は初めて涙が溢れ出た。目を閉じると、彼女のキスの温もりがまだ残っている気がした。だが、それはもう二度と戻らない過去の一部になっていた。
彼女が残した小さな包みを開くと、中には二人で撮った写真が一枚入っていた。彼女がいつも大切にしていた一枚だった。
「ありがとう…さよなら」
彼は静かに写真を胸に抱き、もう一度彼女の名前を心の中で呼んだ。そして、ゆっくりと立ち上がり、彼女が去った道とは反対の方向へ歩き出した。
それは1900年代初頭のこと。世界は白黒で彩られていた。空は薄いグレー、海は濃いグレー、大地はその中間の色で満ちていた。人々はそれが普通だと思って生きていた。何も疑問を持たずに、毎日の生活を続けていたのだ。
ある日、異変が起こった。最初にそれを感じ取ったのは、田舎の小さな村の老木だった。何世代にもわたり、同じ色で立ち続けていたその木の葉が、ある朝突然、奇妙な色に変わり始めたのだ。葉の一部が、何とも言えない青みがかった色を帯びていた。村人たちは驚き、恐怖におののいた。何が起こっているのか理解できなかったのだ。
その異変は瞬く間に広がり、次第に他の場所にも影響を及ぼした。都市でも、建物の壁が奇妙な色に変わり始め、空はグレーから何とも不気味な青と黄色が入り混じった色へと変化していった。人々は恐慌状態に陥り、街はパニックに包まれた。科学者たちも、この現象の原因を解明しようと必死に研究を進めたが、答えは見つからなかった。
そのうち、人々は気づき始めた。この新しい色の世界は、単に色が増えたというだけではなく、彼らの精神にも影響を与えていた。色とりどりの景色は、初めて見るものだったにもかかわらず、なぜか不快で、落ち着かない感覚を引き起こしたのだ。青空の下でさえ、心は落ち着かず、緑の草原を見ても、どこか不気味さを感じる。人々の心は混乱し、次第に精神を病む者が増えていった。
この異変の原因は、誰も知らない。神の悪戯か、地球そのものが何らかの変化を迎えたのか。あるいは、見えない力が世界を支配しようとしているのか。しかし、はっきりしているのは、この世界が元には戻らないということだった。
物語の中心にいたのは、一人の若い画家だった。彼は白黒の世界で生まれ育ち、絵を描くことに喜びを見出していた。しかし、この新しい色の世界において、彼の描く絵は不気味なほど鮮やかになり、見る者に恐怖を与えるものとなってしまった。彼自身も、その色に蝕まれていくような感覚に苦しむようになった。絵を描くたびに、心は乱れ、次第に筆を取ることができなくなっていった。
彼はある日、決意した。再び白黒の世界を取り戻すために、この色の狂気を止める方法を見つけなければならないと。しかし、どれだけ調べても、方法は見つからなかった。最終的に彼は、画家としての自分の力を捨て、この色の世界に順応するしかないと悟った。彼はすべての色を受け入れ、その色彩に溺れることを選んだ。彼の心は、再び静かになることはなかったが、それでも絵を描続けた。彼の絵は、いつしか世界中に広まり、その不気味さと美しさが同時に称賛されるようになった。
そして、白黒の時代を知る者は次第に姿を消し、色の世界が新たな常識となっていった。人々は、かつての白黒の世界を思い出すことなく、この新しい現実を受け入れて生きていくようになったのだった。
古びた古物店の奥に、埃をかぶった一面の鏡がひっそりと佇んでいた。その鏡は1800年代から存在し、時代を超えて幾度となく持ち主を変えてきたが、いずれも不幸な結末を迎えるという噂が絶えなかった。ある日、店に訪れた若い女性がその鏡に心を奪われ、無意識に手を伸ばした。
「この鏡を…」
店主は無表情で頷きながら、その鏡を彼女に売った。彼女が自宅に持ち帰り、部屋に飾ると、鏡はじっと彼女を見つめ返すように光を放った。その夜、鏡の中から微かな声が聞こえ、彼女は夢の中で昔の風景を目撃する。女性は徐々に鏡に魅入られ、やがて鏡の中の世界に取り込まれてしまう。
次の日、古物店にはまた別の誰かが訪れ、同じ鏡を見つけた。鏡は変わらず、次の犠牲者を静かに待っていた。
別れの後
半年が過ぎた
彼女の笑顔、
二人の幸せな日々
すれ違いの末、
静かに別れた
だが、あのペアリング
どうしても捨てられない
手にするたび
心に蘇る思い出
何度も決意する
けれども
引き出しの奥にそっと戻す
未練の糸が切れぬまま
問いかける
いつかこのリングを
手放せる日が来るのだろうか