叶夜

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11/24/2022, 11:16:56 AM

あぁ。君が編んでくれたセーター。

クローゼットから出てきたのは、酷く色が薄くなったブルーのセーター。

愛する妻が編んでくれたセーター。

でも、それはもう着れるものではなくて。
虫食いが酷かった。

もう、君に編み直してもらうことはできない。

この数十年。

僕だけの時間が止まった___……。

コールドスリープから目が覚めると、知らない景色。

僕の奥さんも、知人も。
誰ひとり、見つけられなかった。

でも、ただひとつだけあった。

「___あぁ。君が編んでくれたセーター」

11/23/2022, 10:12:32 AM

あぁ、落ちる。

そう思った時には、落ちていた。

ふわっと巻き上がるような心拍数。

重力をなくしてしまったように身体中が熱くなる。

下を見ることも、上を見ることもできない。

___逆らえない。

数年前、君に恋した瞬間___君におちた瞬間を、

僕は忘れられない。

11/22/2022, 10:56:36 PM

どこかで聞いたことがある。

一緒にいてドキドキするのが恋人。

一緒にいて安心するのが夫婦。

互いを認め合い、愛し合うのが夫婦___……。

「大好き。……またいつか会えるかな」

僕は、目の前の小さな遺影の中に残る、笑顔の妻に手を合わせた。

あぁ、やっぱり。
君と心が通じているみたいで、安心するなあ。

11/21/2022, 10:44:47 AM

"生きる意味がわからなくなった。"


そんな時、僕は必ず大切な友達を思い浮かべる。

母さんの温かいごはんを思い浮かべる。

欲しい物を思い浮かべる。


それだけでじゅうぶん、生きる意味は残ってる。
有り余ってる。

どうしたらいい?そんなもの、君の中に必ず答えはあるさ。

11/20/2022, 10:44:34 AM

彼女が亡くなった。
『命』という炎は、あっけなく煙となった。

「……俺は……こんなものにも気づけなかったのか……」

いつも笑顔でデートの待ち合わせ場所に駆け寄ってきてくれる。

いつも笑顔で僕と手を繋いで歩いてくれる。

いつも笑顔で楽しそうにはしゃいでいる。

気づくのが遅かった。
彼女の笑顔が僕の宝物だと言うことに。


___あなたの笑顔がなくなってしまえば、僕の宝物は何になるのかな。

身近なものに笑顔を魅せることは、時に幸せであり、時に人を苦しませる___……。

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