13分前

Open App
5/28/2024, 1:42:12 PM

 あ、と気付く。物販列の折り返しに並んでいた俺と同じツアーTシャツを着た女の子は、いつも教室で物静かにスマホを構っている同級生だった。整列バーを一本挟んだだけの距離は、話しかけるには難しくない。けれど、このバンドが好きだったことを初めて知ったし、そもそも話したことだって必要最低限な連絡事項くらいしかなかった。
 会場中の多くの人が着ているのに、そんな距離感のクラスメイトが自分とお揃いのTシャツなのが何故だか妙に落ち着かなくて。慌てて見なかったフリをして、帽子を目深に被り直した。


"半袖"

5/27/2024, 3:27:08 PM

「オレのために人生まるごとフルスイングしたお前に今さら何言われてもな」
「こちらの台詞だ。俺に殺されたくせに死後もご丁寧に俺を待っていたお前に何を言われても愉快なだけだよ」
 軽口を叩き合いながら、地獄へ続く道をようやく揃ってまっすぐ歩き始めた。


"天国と地獄"

5/26/2024, 1:58:44 PM

「織姫と彦星が今年も会えますように」
 ざあざあと雨音が響く七夕にそう願う女に目を向ける。窓を開けて、ちらとも星が見えない空に真剣に願っているらしい。
「何をわざわざ。放っておいても会っているとも」
「どうして?今年は天の川が見えないわ」
「そもそもだ、宇宙に雨は降らない」
 雨が降るのは星より下である。天の川がこちらから見えようが見えまいが、雲より上の星々には関係ないはずだ。
「…あなたって浪漫がない人ね」
 それなのに、どこか拗ねたような声を出されてむっとする。何も間違ったことは言っていないのに何故批難されなければならないのか。
 反論しようと口を開いた、その瞬間。
「でも、優しい人だわ」
 くすくす笑って付け足された言葉にどんな顔をしていいやらわからなくなって、ぐうと喉を鳴らした。


"月に願いを"

5/26/2024, 1:19:49 AM

「雨が止むか親の仕事が終わるかを待ってんの」
 教室でひとり残っていた彼が窓の外を指差してそう言ったので、咄嗟に「私も」と声をあげた。本当は傘が下駄箱で待っている。なんなら、折り畳み傘だって鞄のなかに入っていた。
「そっか。じゃあ、良かったら一緒に待つ?」
 けれど、それは秘密にして。笑った彼に「うん!」と勢い良く頷いた。


"降り止まない雨"

5/25/2024, 7:08:29 AM

"あの頃の私へ"

 セブンのバナナミルクスムージーは数量限定だったらしいので、またでいいかと思わずに飲みたいだけ飲んでください。

PS.もうすぐスタバでバナナブリュレフラペチーノが始まります。


未来の私より

Next