13分前

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8/27/2025, 1:40:39 PM

「恋人の誕生日プレゼントの相談、乗ってほしいんだけど」
 私が「いいよ」ということしか想定されていない言い回しにひくりと頬が引き吊る。ただでさえ減っている私との時間にあんなぽっと出泥棒人間の話をよく出来るものである。全くもって信じられない。あり得ない。勿論、ただの友達である私は「いいよ」という他ないのだけれど。
「ありがと!初めての誕生日だからやっぱりちゃんと喜んでほしくてさ」
 あーあ、嫌いなあいつの話より小学生の頃みたいに好きなポケモンとかの話とかしたいのになあ。

7/15/2025, 12:37:37 PM

「ね、天気がいいから遊びに行こうよ」
 そう笑っていたあの子の声を忘れたくなくて、今日も真っ暗な部屋の窓を開けた。

5/31/2025, 12:35:03 PM

「あの人、好きな人いるんだって」
 今にも死にそうな絶望的な顔でそう溢した彼女に「お前だよ」と言うのを我慢して「え!そうなんだ!?」と白々しく返す。私の技術レベルなしの演技にも気付かず彼女はそおなの…とやはり死にそうな顔で呟いた。
「その人、真面目で何にでも一生懸命なんだって」
「聞いたの?」
「聞いたの…。それで、ちょっと鈍感で抜けてるとこもあって、そういうとこが可愛いんだって」
 特徴言い過ぎだろと思いつつも顔には出さずそうなんだ~とやはり白々しく返す。そんな私の声が聞こえているのかいないのか、彼女はさめざめと顔を覆った。
「だってさぁ、それって絶対みなちゃんじゃんね…」
「ヴァ」
 馬鹿かよ、と嘘だろ、が混ざった私の奇声にやはりやはり気付かない彼女はちょっと鈍感なんて可愛いもんではないのである。

5/30/2025, 12:03:32 PM

 いいこだね、えらいね、すごいね、かわいいね、とひとつ下の幼馴染みを大事に大事に扱ってきた。
 驚くくらい真面目で、いつもたくさん頑張ってて、それなのにどこか報われなくて、綺麗なのにどうにも目立たない、そんな子だった。立派なご両親ととっても器量の良い兄弟に囲まれてることもあって不出来だと周りに責められる子だった。そんなことはないのに、真面目すぎる性格のせいでその全てを真正面に受け止めるので自己肯定感がやたらと低かった。それが歯痒くて腹が立って悲しくて。
 いいこ、いいこ。いつも頑張っててすごいよ。俺はちゃんと見てるからね。真面目にやっててえらいね。そう誉めて誉めて誉めそやして、その結果。

「俺、アイドルになろうと思うんだ」

 何でそっちにかっ飛んじゃったかな。

5/18/2025, 12:58:18 PM

「ねえ待って無理しんどい」
「その台詞オタク以外から出ることあるんだ」
 一緒に走ろうね、という約束を守るべく私の腕を掴んだ友人を見ながらそう呟いた。

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