「雨が止むか親の仕事が終わるかを待ってんの」 教室でひとり残っていた彼が窓の外を指差してそう言ったので、咄嗟に「私も」と声をあげた。本当は傘が下駄箱で待っている。なんなら、折り畳み傘だって鞄のなかに入っていた。「そっか。じゃあ、良かったら一緒に待つ?」 けれど、それは秘密にして。笑った彼に「うん!」と勢い良く頷いた。"降り止まない雨"
5/26/2024, 1:19:49 AM