夏色さいだー。 中一

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8/9/2024, 4:00:57 AM

「蝶よ花よ」

蝶よ花よと愛でられたであろうあなたは。
私の心臓をちくちく刺した。
大きい瞳に映った蝿は。
ちょっと素敵な化け物だった。

蝶よ花よと愛でられたくて。
貴方の隣の地位をもらった。
裏ではあなたの悪口がランデブーしてた。
クラスのグルラに貴方はいなかった。

蝶よ花よと愛でられていても。
貴方の心臓は痛がりでしょって。
そんなの貴方が分かっていたから。
そっと涙を少しすくった。

蝶よ花よと愛でられるより。
二人でリボンをゆるく結ぼう。
蝿の私に居場所をくれたから。
私もグルラを抜けてやろう。

蝶よ花よと愛でてやるから。
蝶よ花よと愛でてほしいな。
蝿よ塵よと言うやつなんて。
見ないフリして泣きましょう。

蝶よ花よと愛でられたいなら。
貴方をずーっと愛でてやるから。
二人の低い体温をくっつけて。
指を絡めて遊びましょう。

7/18/2024, 9:58:26 AM

「遠い日の記憶」

思い出したくなくなって。
ぎゅっと頭の隅にしまって。
お前の笑顔が滲んでった。
肺の中がぎりぎりした。

みー。
そう俺を呼ぶ声は優しかった。
おいで。
夜空にふたりぽっち、砂浜に寝転がった。
それだけで良かった。

ゆー。
俺は小さく呟いて。
そしたら空っぽにしてた心が熱くて。
涙腺の蛇口を無理やりしめた。
お前の涙が、脳裏にいた。

ゆー。
泣かないでとお前に言った回数だけ。
俺と一緒に泣いてくれ。
世界不適合者の俺たちだって。
泣いたっていいに決まってる。

みー。
そう俺を呼ぶ声が、夏の奥底に。
細くて脆そうなお前の手が。
今でも頬にいるから。

ゆー。
間違いなくお前は俺を大好きだから。
ふわりと浮かんだ宇宙に逃げよ。
嘘つきで泣けない俺たちだって。
居場所を作っていいに決まってる。

みー。
ゆー。
それだけでなんとなくわかるから。
えすおーえすはいらないから。
いつでも一緒になけるから。
いつでも一緒にしねるから。

そんなこと言ってたのに。
ふたりぽっちまいなすいち。
心臓の隅に乾いた涙がひりついてるから。
もー、いきたくないよ。



そっちいかせろよ。

7/12/2024, 11:28:19 AM

これまでずっと

これまでずっと、ふたりで痛くて。
「ゆー」「なあに」「ううん」
それだけで、心臓が壊れそうで。
夏のフォルダに降下した。

これまでずっと、ふたりで居きにくくて。
どこにも多分、居場所がないから。
サイダーの泡になって、ぱちぱち。
……うあ。うあ、あ。

これまでずっと、ひとりで亡いてて。
きっとどこでも生きていなくて。
「俺はモルテンより、ミカサがすき」
あー、そーいうとこ、嫌いだ。

これからずっと、ふたりでいたくて。
手を繋いでも、意味はないから。
涙を宇宙に還元してみて。
ヘッドフォンの、奥に隠れる。

これからずっと、ふたりで生きたくて。
あー。泣かないで、とは言えないんだろ。
ぶわあ、と溢れた涙は、誰にも見えず。
お前が青く、塗りつぶして。

これからずっと、ふたりで泣いて。
そーすれば、少しは明日を憎めるから。
布団の中で、ふたりで青く。
夏のフォルダに飛び込んで。


「ゆー」
「なあに」
「すきだよ」
「そっ、か」

5/15/2024, 12:20:35 PM

「後悔」

後悔するならやればいい。
面白い方をやればいい。

運動神経学年最下位の私。
バレー部レギュラーになってたし。
頭が悪くてくるくるぱー。
学年一位になってたし。

努力してればなんとかなるさ。
報われなくてもいいんだよ。
後悔するよりずっといいだろ。

やってみるんだ。
とりま、やってみるんだ。
面白い方へと脳死状態で突き進め。
好きな方へと馬鹿正直に突き進め。

後悔してる、場合じゃないだろ。

5/12/2024, 11:18:05 AM

「子供のままで」

子供のままで。
大人になれずに。
炭酸と夏とお前の中で、静かに泣いていたかった。

−ツラいときは、俺んとこ来なよ。

お前は大人でわかってた。
俺は子供でわかんなかった。
いつかサヨナラするコトだとか。
夏は静かに消えるコトとか。

−ずっと一緒にいてーなあ。

そんな嘘を吐くお前を。
信じた俺は、子供なんだろ。
淋しそうに笑うものだから。
俺は大人に何も言えずに。
お前の胸に、顔をうずめていたかっただけ。

青い夏に酔っていたくて。
青い夏に、酔って痛くて。
本音なんていらなかったから。
嘘だけ吐いて、夏を歌った。

大人のお前がいなくなってから。
俺の心臓は少し痛くて。
青い炭酸に溺れたみたいに。
いつも、ぱちぱち泣いている。

二人で子供のままだったらさ。
炭酸に溶けて、消えていけたか。
何も考えずに、夏になれたか。

子供の俺には、わかんなくって。

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