夏色さいだー。 中一

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「子供のままで」

子供のままで。
大人になれずに。
炭酸と夏とお前の中で、静かに泣いていたかった。

−ツラいときは、俺んとこ来なよ。

お前は大人でわかってた。
俺は子供でわかんなかった。
いつかサヨナラするコトだとか。
夏は静かに消えるコトとか。

−ずっと一緒にいてーなあ。

そんな嘘を吐くお前を。
信じた俺は、子供なんだろ。
淋しそうに笑うものだから。
俺は大人に何も言えずに。
お前の胸に、顔をうずめていたかっただけ。

青い夏に酔っていたくて。
青い夏に、酔って痛くて。
本音なんていらなかったから。
嘘だけ吐いて、夏を歌った。

大人のお前がいなくなってから。
俺の心臓は少し痛くて。
青い炭酸に溺れたみたいに。
いつも、ぱちぱち泣いている。

二人で子供のままだったらさ。
炭酸に溶けて、消えていけたか。
何も考えずに、夏になれたか。

子供の俺には、わかんなくって。

5/12/2024, 11:18:05 AM