「夢見る心」
夜空に消えれればいーのに。
弾かれものの、魔女のボクたち。
夜空でキミとふたりぽっち。
涙は星へと還元されてく。
夜空の中に飛び降りて。
流星よりも綺麗に笑って。
サイダー、ラムネ、ソーダ。
好きなもの持って、夜空に溶けよう。
サヨナラが簡単にできればいーのに。
この世界が嫌いになれればいーのに。
女の子とか、男の子とか。
リボンとか、ネクタイとか。
スカートとか、スウェットとか。
無かったら、いーのに。
全部、炭酸になればいーのに。
そしたら、もっと生きようと思えたかもしれないじゃないか。
-もうこんなんなら、死んだ方がいーじゃん
なんて、キミが言わなくても済んだんじゃないか。
キミが泣かなくても済んだんじゃないか。
キミはカッコよく、生きれたんじゃないか。
ボクもフリルスカート履けたんじゃないか。
夜空に消えれればいーのに。
ボクら二人以外、消えれればいーのに。
そしたら好きにできたんじゃないか。
ラムネ、サイダー、ソーダ。
なんか無くても、生きれたんじゃないか。
「届かぬ想い」
手を伸ばしても届かなくて。
視界が涙で滲んで。
何も考えたくなくて。
ラムネ色の、想い出が痛い。
満員電車のすみっこで、そっと泣いている。
ボクの電池が切れる前に。
キミに会いたいよ。
キミにメールを送る。
その勇気がボクには無かった。
なのに毎朝、スマホの通知確認してる。
ばかだな。
届かないこの想いを。
どうやってキミに伝えよう?
痛いくらいの炭酸で、今日も思い出を忘れて。
毎日、メールに打っては消去する。
す、き。
の2文字をキミに。
送れたら、いいのにな。
ぽち、ぽち、ぽち。
さ、い、き、ん、ど、う、?
届かない何かを抱えて。
今日もメールを消去する。
"神様へ"
なあ、神様。
アイツを笑顔にしてやってくれ。
アイツが泣かなくていい世界にしてくれ。
アイツが嘘をつかない世界にしてくれ。
-消えたいなあ
アイツがそんなことをぽつりと。
窓から夕陽が優しくきらめいて。
お前の瞳は痛いくらいに冷たくて。
-死にたいなあ
ちょっぴり淋しそうな顔をして。
瞳は炭酸が抜けたみたいに。
窓からの夕陽は、心を刺してくる。
真っ黒な心は練り消しの中に閉じ込めて。
真っ白なフリしてる。
そんなお前が大嫌い。
そんなお前が愛おしい。
すき。
って言えば、お前は笑ってくれるかな。
お前はサイダーになれるかな。
-生きたいなあ
って言って、くれるかな。
“快晴”
空は痛いくらいに青くて。
キミの瞳が少し大人に見えて。
ボクの心はちくっと揺れる。
可もなく不可もなく。
首元のネクタイがただ邪魔で。
ボタンを上までしたくなくて。
塾の先生が嫌で。
ただそれだけで、逃げ出して。
「一緒にどこまで行けるかな」
キミとならどこでも行ってやる。
一緒にサイダーに染まってさ。
500mlの現実逃走作戦だ。
ラムネと十円ガム買って。
自転車で海に飛び込んで。
観覧車で見つめあって。
ただそれだけだった。
キミと死にに行くんだ。
キミを世界から逃すんだ。
世界で一番綺麗な。
快晴と一緒に死ぬんだ。
行方不明で存在不明。
そんなボクら二人で。
快晴に染まれ。
何気ないふり
何気ないふり
辛くて怖くてたまらない
寂しくて悲しくてたまらない
でも、何気ないふり
「微笑」「苦笑」「優しい笑み」「暖かい笑み」という仮面を付けて
本当は、誰かに抱きしめてほしい
大丈夫だよと、安心していいんだよと
淡くて儚い空に手を伸ばす
その手は何もつかめない
意味もなく、メリットもなく
ああ、疲れた
仮面じゃなくて、心から笑えるようになるその日まで、私は何気ないふり
何気ないふり