酸素不足

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7/23/2024, 8:34:14 AM

『もしもタイムマシンがあったなら』


 タイムマシンがあれば、きみがいた頃に戻れるのに。
 きみを、あんな人間から守れるのに。

 過去に戻って、今のこの状況を変えることができるのに。

7/21/2024, 12:42:01 PM

『今一番欲しいもの』


昔から、欲しいものは何でも手に入ったわ。
綺麗な花、高価な宝石、珍しい毛皮、質の良い洋服、美味しい食べ物。それから、気に入った人間。
欲しいと言えば何でもくれる両親がいて、とても幸運だったと思うわ。
でも、何もかもを手に入れすぎて、欲しいものが無くなってしまったのよね。
欲しいものを聞かれても、何も思い付かないのよ。

だから、今持っていないものを貰うわ。

あなたの命を頂戴?

7/20/2024, 1:20:54 PM

『私の名前』


ずっと独りだった。
みんな、私の体の色だけで、私の存在を不幸なものだと言う。
不幸を運んでなんていないのに。
忌み嫌われるのは、私の体が真っ黒だから。
真っ白だったら、みんなから歓迎されたはずなのに。


「クロー。ご飯だよー」

のんびりした声が、私を呼ぶ。
あの人間に拾われてから、私は独りじゃなくなった。
クロなんて安直な名前を付けたあの人間は、私をたくさん愛してくれる。


大嫌いだった自分の体の色。
大嫌いだった人間。
大嫌いだった黒という言葉の響き。
それら全てを、あの人間は、大好きに変えてくれた。


「今日も可愛いね、クロ」
「にゃあ」

7/4/2024, 12:11:34 PM

『神様だけが知っている』


完璧だ。
これで、僕へと繋がる証拠は全て消え去った。
あとは僕が何も知らないふりをすれば、この事件は解決しないだろう。

真実は、神のみぞ知るってところかな。

7/3/2024, 1:43:52 PM

『この道の先に』


ずっと、ずっと、長い間、暗闇を歩き続けている。
ちゃんと前に進んでいるのか、そもそも真っ直ぐ進めているのか、全く分からない。
けれど、歩かなければならないような気がして、歩き続けている。

前方に、小さな光が見えた。
あの光の所まで行けば、この暗闇から、出られるのだろうか。

小さな光を目指して歩く。
だんだんと光が大きくなってくる。
眩しさに目を細め、顔の前に手を翳す。


まばゆい程の光の先に見えたのは――。

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