「病室」
消毒液の匂いと、なんとも言えない匂いが漂っている
白くて、殺風景で、静かで
寂しさを、ひしひしと感じる場所
手術後の病室、部屋は真っ暗で静か
どうしてこんな時間に目が覚めたのか、もう一度、目をつぶっても寝られない。
麻酔が完全に切れてないのか
体が自分のじゃない様な不思議な感覚で
気持ち悪さも感じた。
必要最低限の物だけで殆ど何もない
誰もいない
嫌な電子音
おかしな自分の体
自分には大きすぎるベットが体を動かせない事を改めて実感させる。
自分に繋がれた点滴や機械を取ってしまいたくなった。
起きて歩き回りたい。外に行きたい。
自分に繋がれたものを取った所で今の体じゃ走る事も歩くことも出来ないが目に見える物についつい八つ当たりしてしまいそうになる。
早く退院して家へ帰りたい
「澄んだ瞳」
一つの曇りすらない澄んだ瞳も
きっとどんどん汚れていってしまう
燻んでいってしまう
色々なモノを見て、知って
きっと最初のままではいられない
それなのに、澄みきっている訳ではないのに
どうして綺麗だと感じるのだろう。
色々なコトを知って、見ているのに
それでも澄んでいるように、綺麗に映る
あぁ、きっと心が綺麗なんだ。優しい心の持ち主なんだ。と
まるで瞳がその人の心を表しているように感じた。
「どんなに嵐が来ようとも」
どんなに嵐が来ようと
大雨になろうと
地震が来ようと
津波が来ようとも
人は何度だって立ち上がる
どんなに辛い事があっても、折れてしまう人が居ても
誰かが手を差し伸べ、助けられた誰かが
また誰かを助けて、そうやって皆が支え合って
前を向こうと、前に進もうと
一丸となって乗り越えていく
全員が立ち止まったり絶望したりする事はない
誰かが立ち上がるから、前を向いている人が居るから
他の人も前を向こうと思う事ができる。
そういう支えて、支えられての助け合いの関係が普段の日常生活でも、もっと築いていけたら、いいなと思う。
「神様が舞い降りてきて、こう言った」
神様が見えた時、私はきっともう死んでいる。
神様は、そういう存在だから。
だが私は神様をあまり信じていない
神様とは人の想像から生み出された架空の人物だと
そう信じているから
だからもし居るのなら
私の前に姿を見せたなら、
「あなたは神を信じますか」と
そう言われるだろうか。
「梅雨」
梅雨の時期は好きだ。
夏に向かっていると思うと気落ちしてしまうが
梅雨の時期は長引いて欲しいと思う。
梅雨には雨が降る日が増える。
雨が降れば傘をさせる。
傘をさしていると周りを気にしなくて良いし、
視線を感じにくい。匂いも音も雨が掻き消してくれるから少し楽になる。
人と人との距離も空けられる
いっそこのまま降り続けてくれればなんて叶わぬ望みを思ってもいつか雨は上がってしまうし、梅雨も終わってしまう。雨や梅雨があまり好きじゃない人の方が多いだろうが、私は晴より雨の方が好きなので梅雨が終わってしまう時期は少し寂しさと同時に夏がくるのか、という憂鬱な気分になる。
しかし雨よりも晴れを好きでいる人の方が多いのはきっといい事だと私は思う。何故だか聞かれたら、なんと言ったらいいか表現に困るが、暗闇より明るい方が好きなのは明るい方を望んでいるから、明るい方へ向いていきたいと、思えているから。今を生きて光を、未来を感じられる。向き合える。逃げ道が何処かにあると思えているから、明るい方が好きになるのかなと私は思う。だから明るい方が好きな人が多いのはいい事だと私は思う。
私にとってはジメジメも、暗い空も、雨も、雨音も、嫌いじゃない。何処となく心地いいと感じてしまう。重ねてしまう。隠してくれそうで、消してくれそうで、流してくれそうで。
勿論、明るいのも嫌いじゃない。
ただ私には眩し過ぎる気がしてしまう。