作品10 宝物
『あなたは、私の宝物!』
昔、そう私に言ってくれた彼女は、窓から空に向かって、飛び立ってしまった。
目の前にいたのに、私には何もできなかった。私が陶器でできた人形じゃなかったら、止められたのに。
彼女は、ずっと、私を大切にしてくれたのに。
夜空に輝く星が、彼女が気に入ってくれていた私の髪飾りに似ていて、何故か、目が割れたように感じた。
彼女は、空の宝物のほうが、よっぽど好きだったみたい。
胸のあたりから、何かが割れた音がした。
⸺⸺⸺
作品数2桁目いったのに!
なのに勉強が忙しすぎて、短いのしか書けない!
適当すぎる!
自分の頭の中身
…宝物っていったら、何故だか宝石が思い浮かんだので、誰かに愛されていた宝石が、全く関係ない星に、その誰かを奪われたら、なんか良くね?でも、そういう設定は誰でも思いつくから、+α的な感じで宝石がついてる何かを登場させて、そいつに感情を付け足すか。なら、人型のほうが伝わりやすいし人形?宝石ついてる人形はあまり思い浮かばないけど、割れ物系なら、感情入れられるんじゃね?おっしゃ、それでいこう!
と、言う感じでやりました。
作品9 キャンドル
ゆらゆら揺れるきれいな炎。
それを楽しそうに眺めていたあなたの横顔。
私はずっと、愛おしく思っています。
燃え尽きてしまうその日まで、あなたの炎が風に吹かれることのないように。
いつまでも、そう願います。
⸺⸺⸺
テスト勉強が本当にやばいので、詩みたいになりましたすみません。文章を作る練習のためにやってるのに……。
一応設定としては、親が我が子に言ってる感じです。炎はバースデーケーキにさしてあるロウソクです。アルバム見て懐かしんでる的な?
作品8 たくさんの想い出
楽しかった思い出なんて、一つもない。死ぬ間際になるまで、ずっとそう思っていた。
僕は小さい頃から体が弱くて、成人してから一瞬良くなったけど、またすぐ悪くなった。それでもやっぱり長生きしたかったし、健康でいたかった。
そのために、出来る限りのことはした。食べるものも、触るものも、部屋の空気も、何もかも、嘘臭いものでも、全部試して、健康に良いものにしていた。
だけど、無駄だった。
そんな無駄の一つに、散歩があった。
あれは、秋風が強い日。いつもみたいに散歩をしていた。なんとなく、いつもと違う道を歩こうと思い、見知らぬ公園に行った。そこには、大きな木と、たくさんの落ち葉があった。あと何回見れるかわからないから、ちゃんと記憶に残そうと、目に焼き付けているとき。
あの人に出会った。
あの人は、凛としていてすごく美しかった。
僕と初めてあったときの印象を聞くと、『秋風』と答えられたのは、すごい面白かったな。お返しに、想いも込めて『リンドウ』と言ったっけ。
あの人のおかげで僕の記憶は、一気に鮮やかに色づいていった。
ありがとう、人生に色を与えてくれて。
ごめんね、イチョウの約束守れなくて。
僕のことを教えなかったのは、呪いになりたくなかったんだ。
死ぬ間際になって、あの人に送る手紙を書いていると、そんな思いがたくさん溢れてきた。こんなの、だめだ。こんなの、余計あの人を苦しませるだけだ。
もっと別な言い方で、もっと遠回しに、直接この気持ちを伝えたい。
あの人は僕にたくさんの想い出をくれた。走馬灯が豪華になるほど色鮮やかで、それでいて、両手から溢れてしまうほどの、たくさんの想い出を。僕の一生の中で、一番濃厚な時間だった。
ありがとうね。全部を伝えるには言葉だけじゃ足りないから、紙にも工夫した。きっと気づいてくれるはず。
『いつまでも、君を想うよ。』
そう手紙に綴った。
⸺⸺⸺
作品4 秋風より
「あなた」(「彼」)目線
作品7 冬になったら
放課後の空き教室。部室を与えられていない私達は、この使われていない教室を、特別に使わせてもらっている。
キーボードがうまく弾けない。うめきながら机に突っ伏していると、ギターがやってきた。
「だいじょぶかー?生きてる?」
「生きてる……。この曲ムズすぎない?」
「あーね。キーボがめっちゃ前に出てくるから、その分大変そう」
「だよね……。私にゃ荷が重すぎるよ」
ガンバレーと言いながら、ギター男は、隣に座ってギターを弾き始める。なんか音がずれてる気がするけど、かっこいい。楽器やってる姿って、なんでこんなにかっこよく見えるんだろう。
気合を入れ直し、ギターにあわせて何度もキーボードを弾いてみるが、上手く行かない。
しばらくすると、先輩がやってきた。
「おーす。頑張ってんね」
「せんぱーい助けてださーい弾けませーん」
「それをベースに言われても……」
うう。それもそうか。
「ほら、たまには休憩も必要だよ。」
そう言いながら先輩が、温かい飲み物を渡してきてくれた。
「かみさま?」
ありがたく私達は頂戴した。
「あざーす!」
ギターが飲み物の蓋を開け、グビグビっと飲み干す。
「飲むのはや」
そういった先輩は、ふははと笑っていた。
三人でくっちゃべていると、先輩が思い出したように、私達に聞いてきた。
「そういえば二人は、何で軽音入ったの?」
特に理由はない。けど、それで返すのは少し失礼だと思い、理由を考えていると、ギターが先に喋りだした。
「俺はっすね、好きなアニメがあるんすけど、それに出てくる主人公が、ギターやってるんすよ」
「ほうほう?」
「それ見て俺ギターに興味持って、受験生でありながらもギター買って、練習し始めたんすよ。そしたら、誰かと合わして弾いてみたい!って思い始めて」
「うんうん」
「それで高校では絶対軽音にするって決めて、今こうしてやってます!」
「なるほど、いいね。」
先輩が嬉しそうに話を聞いたあと、こちらを向いた。
「君は?」
「もう少し時間をください……」
そんな悩むことか?とギター男が喋る。それを無視して考えるが、なかなか出てこない。
「俺、先輩の話も聞いてみたいっす!」
ナイスフォローだギター男。
「私も気になります。先話してくれませんか?」
「え、僕が?」
そうだなーと、先輩は少し考えたあと、長くなるよと前置きしてから、話し始めた。
僕ね、あんまり音楽が好きじゃなかったんだ。家族がみんな音楽好きで、それなりに実力もあって、音楽に関しては結構恵まれた環境だったにも関わらず。
いや、だからこそなのかもしれない。身近だからこそ、そんなに魅力を感じなかったんだ。
そんなある日、中学卒業してからちょっと経った日。家族が音楽番組を点けてて、なんとなく観てたら、とある曲に出会ったんだ。その曲は別れの歌だったんだけど、ちょうどその時卒業に伴って、親友と離れ離れになっててさ。メンタル的に弱ってて。だから、その歌詞がすごい心に沁みて。その曲にも人たちにも、僕は虜になったんだ。
行動力は人一倍あるから、その人たちについて調べると、作詞したのはベースの人だった。
「まあ、あとは単純だよね。この人と共通点が欲しい!なんていう理由で、ベースを始めようと思って。その結果こうやって軽音してる」
長ったらしくてごめんねと、先輩が申し訳なさと喋りすぎたことを恥じるように、そう謝った。
「さあ、次は君の番だ」
聞きながら、何を話すか考えていたから、準備はできている。
「私はですね、そんな深い理由はないんですけど、強いて言うなら、冬ですかね」
「冬?」
ギター男が不思議そうに聞いてくる。先輩もどういうことだ?と考えている。
「冬って言ったら、楽器にはちょっときつい時期だけど……。それと関係ある?」
「あるっちゃありますね。私、実は高校入学するまで、九州とかあっちらへんに暮らしていて」
「へー初耳」
「冬はちゃんとあるんですけど、そんなしっかりしてないっていうか。だからこっち来て、そういうのも大事に見たいなって」
なるほどーとギターが頷く。
「けど、どうしてそれが軽音につながるの?」
「それが、さっき言った楽器です。冬になったら楽器は手入れが特に大事になる。その時を合図にして、外を見ようっていう心算です」
「……独特な理由だね。でも、それなら吹奏楽部とか、ギターとか、キーボードみたいにあまり必要のないやつじゃなくても、他に道、あったんじゃない?」
「それはですね、」
少し間を開けてから、言う。
「単に手入れするのがめんどいからです」
ギターがはあ?と声を上げた。
「君のことが、よくわからなくなったよ」
先輩が、すごい困惑した表情になっていた。
「なんか、すみません」
ちょうど飲み物がなくなったところで、先輩が立ち上がる。
「ま、いいや。聞かせてくれてありがとう。それじゃ、練習頑張ってね」
先輩が教室を出たあと、私は練習を再開した。四回くらい弾いたあとでガッツポーズをする。やった!うまく弾けた!
ギター男の方を見てみると、チューニングをしようとしていた。うるさいから静かにしろと怒られる。チューニングが終わると、きれいな音に変わっていた。通りでずれてる気がしたわけだ。
他の楽器も、今まで以上によくやっている。外を見ると、イチョウが風に吹かれていた。
『冬になったら』まで、あとほんの少し。
⸺⸺⸺
作品6 はなればなれの、ベースやり始めた方の、1年後くらいのがでてきます。つまりは、作品3 また会いましょうのやつと、ちょうど同じ時間くらい。
それはさておき、テスト勉強がやばいです。
作品6 はなればなれ
「離れ離れになってもいつか必ず会いに行く」
親友が泣きながら、そう言っていた。
そんな懐かしい夢を見た。といっても、中学校卒業式の日だから、言うて半年くらい前。
親友とは気が合って、いつも一緒だったから、当然高校も同じだと勝手に思っていた。結果からいうと、違うどころか、お互い地元から遠く離れた高校に行くことになった。泣きながら、いつか会う約束をしたのを覚えてる。
ムクリと起き上がり、時刻を確認する。八時少し前。今日はこれから、ちょうど夢で見た親友と、会う予定だ。
顔を洗い、歯を磨いてから、朝食のパンをモソモソと食べる。高校から一人ぐらしはちょっときついな。特に、土日ご飯でないのが。
メールアプリを開き、親友にメールする。
『今起きた。ご飯食べてる』
すぐ、既読がついた。
『遅うございます。遅刻するなよ?』
『多分だいじょぶ。十一時に〇〇駅集合だろ?』
『“((・-・*)コクリ』
『んじゃ、間に合うわ』
『遅れても適当にそこら辺で時間潰すから安心しなされ』
『うわぁいっけめーん』
『いいからさっさと飯を食う』
あいよと返して、3枚目のパンを食べ終わる。テレビをつけると、ちょうど9時になっていた。
服は昨日の夜選んだし、持ち物は服同様、昨晩に完璧に準備したから、あとは身支度だけか。楽しみすぎる。
なんかデートみたいだなと、少しニヤつく。
あーあ。早く会いたいなー。
どうせあいつのことだからパンでも食ってんだろうな。ちゃんと栄養摂ってんのか?と送りかけて、おかんかよと思いやめる。
あいつと最後に会ったのはいつだっけ?確か卒業式だから、半年ちょっと前か。久々だな。
そんなことを考えながら、ゆっくり服を選んでいると、もう十時になっていた。今から駅まで歩いて行けば、電車降りて〇〇駅つくときにはちょうどだろう。
母に行ってきまーすと声をかけ、中学の頃から気に入ってる靴を履き、玄関の扉を開けた。
「おーす、久しぶり!」
突然後ろから声をかけられ、バッと振り返る。立っていたのは、懐かしの親友だった。
「何だ、お前かよ。久しぶり」
「ちゃんと時間通り来れたな。偉い偉い」
髪をワシャワシャとされる。犬じゃねーよと返すと、親友は中学の頃から変わらない笑い声で、ふははと、わらった。
「とりあえず腹減ったし、飯行こ」
「賛成。今朝パンしか食べてないんだよなー」
「やっぱり?」
「やっぱりってなんだよ」
おかんかよ。
歩きながら互いの学校について話し合う。
「担任がまじ当たりでさ、しょっちゅう席替えしてくれるんだよね」
「いいなうらやまし。こっちはテスト終わってからじゃないとしてくれないよ」
「かわいそうに」
「思ってないだろ」
「てか、部活なにやってんの?」
「フッフッフッ、当ててみよ」
こいつのクイズで当たったことないんだよな。
それなりに熟考してから答えてみる。
「……帰宅部?」
「ざんねーんちがいますー」
「は、うっざ。なんだよ答えいってみろよ」
「アニメ研究同好会( -`ω-)✧ドヤッ」
「会話でもドヤった絵文字使ってんのが分かるわ。」
「そういう君は?」
「軽音。ベースやってる。指めっちゃ痛い」
ほれ見てみと左手を出すと、うわーいたそーと、あいつはうめいた。
昼食はハンバーガーにしてもらった。流石に朝食パンだけはきついなと思いながら、ハンバーガーにかじりつく。ちらりと、自分の知ってる手ではなくなった親友を見る。
自分が知ってる親友は、音楽そんな好きじゃなかったんだけどな。
昼食はあいつの要望でハンバーガーにした。中学の頃のように、大きな口で食べるそいつを見ながら、こういうところも変わんねーなと思いつつ、別のことを考える。
自分が知ってるこいつは、アニメそんなに好きじゃなかったんだけどな。
もう、あの頃みたいには、戻れないんだな。
ご馳走様でしたと手を合わせ、店を出る。
その後は、中学の頃みたいに、ゲーセンに行ったり、本屋に行ったり、駄菓子屋で買ったお菓子を公園で食べたり、ふざけ合ったり、過去の出来事を、自分たちなりに沢山なぞった。
そしてまた、別れの時間が来る。
バイバイと言い合い、また会おうねと約束する。沈黙が続くとき、自分は、知らないかつての友人を、もう見たくない。そう思った。
電車が来る。
彼が乗った瞬間、自分自身に宣言するように、大きな声で叫ぶ。彼もこちらを振り向いていた。
「「絶対、次も会おうね!知らないのはもう嫌だ!」」
まさかの二人、同時に全く同じことを言い合ったのに気づいて、思わず吹き出す。
離れ離れになってても、やっぱり似てるな。だからこそ、親友なんだ。
ドアが閉まる直前、約束と、呟いた。
ドアが閉まった後、かすかに微笑んで、大きく頷いた。
離れ離れなんて関係ない。
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作品3 また会いましょうの「俺」がでてきます。
いわゆる過去編ってやつです。