魔法
世界線はa21「世界線は気にしないでください」
兄さんは魔法が使えるんだと思う。そう思ったのは兄さんと孤児院にいた頃だ。兄さんは他の子よりも頭も良くて走るのも孤児院の中でいちばん早くて、私が何も言わなくても私が思ってる事すぐに当てるんだ。私がお腹減ったなって思ってたらお菓子持ってきてくれて、私が眠いなって思ったら私を兄さんの膝の上で寝かせてくれた。もうこれは魔法じゃないと説明出来ない。そう思って兄さんに聞いたんだ、「兄さんは魔法使いなの?」そう聞いたら兄さんは少しキョトンとした後笑って「そうだな、お前だけの魔法使いだよ」そう言って私の頭を撫でてくれたんだ。兄さんの手はいつも通り暖かくて優しい···これも魔法なのかなぁ?
でも兄さんは魔法使いじゃなかった。
魔法なんてある訳ないし、それに魔法使いなら兄さんはもっと幸せになれは筈だもん。···兄さんは魔法使いみたいに凄い人なんかじゃないんだから、私の事なんて放っておいて幸せになってくれればいいのに。そう思っている私に兄さんは「また変な事考えてるな?」何時も通り私の考えを見抜いてきました。
君と見た虹
世界線t72(世界線は気にしないでください)
登場人物
ストーカー男
ストーカーされている女
「みて、虹!」そう言って彼女が送ってきたLINEには虹の写真が。これをストーカーに送ってくる彼女の無垢さに心配になるが普通に彼女からの連絡は嬉しいし、なんなら毎秒送ってきて欲しいくらいだ。彼女が送ってきてくれた虹の写真を見つめる。彼女のはきっと嬉しくて堪らなかったのだろう。少しだけ写真がブレているのがその証拠だ。きっと早く撮らないとと焦ったんだろう。おっちょこちょいな彼女もとても可愛らしい。
あーもう××××××××××して×××××しまくって×××××××××××××××したいなぁ·····
欲望に任せて妄想に浸る。ごめんねこんな汚いことを考えてしまって。でも彼女の事を思うと止められないんだ。だから許して。この気持ちは妄想の中だけに留めておくから、だからお願い許して。
スマホに写った虹の写真を見ながら僕はいつもの様に妄想に浸るのだった
夜空をかける
世界線はa21(世界線と言うのは気にしないでください)
兄さんとの逃亡生活も半年経った。毎日男の子がプロポーズしてくる事を除けば特に変わる事のない日々だった。でも何処からか政府の軍隊に見つかって逃げる羽目になった。真夜中に私と兄さんは密林を駆け抜ける。兄さんの荒い息遣いと追ってくる何十人もの兵隊達が追ってくる足音と兵隊達が打ってくる銃器の発砲音が聞こえてくるだけだ。兄さんは私を抱き上げてくれて絶対に離さず私を守ってくれているが私が自分の脚で走れると行っても兄さんさ露骨に嫌がる。兵器にされた私の方が兄さんよりも怪我しにくいのに···
けれど兄さんは私を守ろうと必死に走ってくれる。でも訓練された何十人もの兵隊に段々と追い詰められていく。兄さんも最終手段で拳銃を持ち出す。
兄さんは何人もの兵隊を打ちながら密林を駆け抜けていく。でも段々と林が無くなってきて足場もゴツゴツとしてきた。兄さんはこのままではこっちが不利になると気づいたのか少し焦っている。私は自分が兄さんを持ち上げて走った方がいいと提案するけど兄さんはそれを頑なに拒否する。そうして逃げ続けていると崖に直面する。ジャンプして飛び越えられる距離でもなく、近くにも他の道は無い。私が兄さんを抱えて飛び降りようと提案する前に兄さんが私を抱えたまま助走をつけて空高く飛び上がった。全てがスローになった気がした。気づけば遠くの地面に兄さんが足をつけておりどうやら無事な様だった。でも兄さんも上手くいったが安心したのかヘロヘロと木に寄りかかった。もう追っての兵隊達もまけたしこれで一安心だ。
「····かっこ···よかったよ··」
私がそう言うと兄さんはいつもの笑顔で
「当たり前だろ?お前のお兄ちゃんなんだからな」
そう言ってくれた
ひそかな想い
世界線はa21(世界線は気にしないでください
私は私が殺しかけた男の子に毎日プロポーズされています。なんでプロポーズされるのかは分からないけど、いつも断っても翌日にまた花束をもってプロポーズしにくるのでもう日常の1部になってます。でも兄さんは男の子が来るのがとても嫌なのかいつも男の子が来る度に拳銃で追い返そうとしてます。流石に武器はダメだと止めているのですが兄さん曰く「人の妹傷物にしたやつに掛ける慈悲は無い!」と言って乱射しながら追い返そうとしてきます。男の子は私と同じ兵器人間だからか弾を跳ね返して私の元に来ます。ハッキリ言って弾を弾き返しながら私の元に来てプロポーズする姿は怖いです。でも毎日プロポーズされてると少し意識しちゃうんです···こんな人殺しの私が誰かに恋するなんて許されないことなのに。だからこの想いを打ち明けることはしない。絶対に
だからあなたも私なんかにプロポーズなんてしないでもっといい人を見つけてね
あなたは誰
世界線はa21(世界線と言うのは気にしないでください)
兄さんが貴族の夫婦の養子になった。お別れは寂しかったけど兄さんが幸せなら私も幸せだった。でもその後私はその貴族の男によって奴隷商に売られた。その後私を買っていったのは真っ白な研究者だった。その人は美しい容姿と裏腹にとても怖くて酷い人だった。その人好みにお腹を改造された。その人の望む兵器にさせられた。変な薬を打たれるたびに自分がおかしくなってまるで自分じゃなくなるみたいになっていったんだ。
逃げることも考えたけどもしも私が逃げて兄さんに何かあったらどうしようって考えると逃げる事はしなかった。そして何回も注射を打たれて変な実験をされる日々が唐突に終わった。私は兵器として戦場に駆り出された。私の意志とは反対に人々を殺していく私の体。逃げ惑う親子も私が殺して、守ろうとした男の人も私が殺して、幼子を私が殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して、殺してしまった。
誰なの?一体、私の体をおかしくさせたあなたは誰なの?
疑問を考える暇なく私の体は人々を殺していった