手紙の行方
世界線はt72「世界線は気にしないでください」
僕はいつもあの子にラブレターを送っているんだ。だけど彼女に届いたことが1度もないんだよね。なんでだろう?
手紙の行方が気になった僕は手紙を送った後その手紙が届くまで見守ってみた。僕の使者が彼女と義兄さんが泊まっている宿に届ける所までは問題なかった。でも届いた手紙を受け取った義兄さんが直ぐ様破って燃やしていた。酷いことするなぁと思いながら「···やっぱり彼女を殺しかけた事がネックなのかなぁ···それとも彼女の首に一生消えない傷をつけたこと?」と小さな声で呟いたのだった。
輝き
世界線はa21「世界線は気にしないでください」
主な登場人物
ストーカー男
ストーカーされている女
聖母の様に美しく輝く女性。
それが最初に彼女を見た時に思った事だった。
見ず知らずの人でも躊躇いなく助ける君は誰よりも美しくて輝いていた。僕なんかが目に入れてはいけないのに見惚れてしまったんだ。
彼女の肌に触れられたらどんなに素晴らしいのだろうか。彼女に愛を囁けたらどんなに幸せだろうか。でもこんな汚れた僕が彼女に触れるだなんて罪深い!!彼女は神聖なんだ。神様よりも優しくて美しくて輝いている人なんだ!そんな人に触れたいと思うなんて身の程知らずが!!
あぁぁぁぁあ!! 気持ちが悪い!!
お願いしますどうかこんな僕を今すぐ救って
時間よ止まれ
世界線はa21「世界線は気にしないでください」
主な登場人物
ストーカー男
ストーカーされている女だと思ってください
今日の彼女はかなり疲れているようだ。
仕事で理不尽なクレームがきたからだよね。そのクレームを言ったゴミは僕が日の目を見れないようにしてあげたけどやっぱり辛いはずだ。
だから僕は彼女を少しでも元気にしてあげたくて彼女が帰ってくる前に贈り物をそっと彼女の家の玄関の前に置いておいたんだ。
あ、彼女が玄関前に置いた贈り物に気づいたみたい。早く開けてみて欲しいな···
彼女は家に入ると直ぐに開けた。ストーカーの僕が言う事じゃないけど誰から贈られたかも分からない物を開けるのもどうかと思う。でもそんな所も彼女の魅力だ。彼女は贈り物をみて喜んでいる。
良かった気に入って貰えたみたい。
「ストーカーさんありがとう!」
彼女は隠しカメラ付きのぬいぐるみに向かってそう言ってくれた。
「···良かった」
僕はモニター越しに彼女の笑顔を見つめる。
いっそこのまま時間が止まってしまえばいいのに
君の声がする
世界線はa21「世界線は気にしないでください」
「ストーカーさん、ストーカーさん聞いてるの?」
「うん、聞いてるよ」
「あら、それならこっちを向いて欲しいんだけど?」
「わかったよ。全く君は僕がいないとダメだね」
「分かりきった事を言わないでよ」
「へへ、ごめんごめん、でも君に呼ばれるの好きなんだよ」
「ふふ、私もあなたに呼ばれるの好きよ。」
「僕も」
「あら、両思いね。嬉しいわ」
「···可愛い」
僕は彼女を抱きしめようとして気づく
「あ、これ幻覚かぁ···」
ありがとう
世界線はa21「世界線は気にしないでください」
今日はバレンタイン。チョコやお花を大切な人に上げるとっても素敵な日。だから私も弟とストーカーさんに何かあげようかと思ったの。
弟はお菓子とかは嫌いな子だから花束を上げたい所なんだけど弟は今絶賛留学中だから千日紅をプリザーブドフラワーにして弟がいるフランスに送りましょう。ストーカーさんは確か甘いものは好きだった筈だからチョコレートケーキでも作りましょう。
思い立ったが吉日とすぐに作り始める。
「えっと···チョコレート···あとは」
材料を揃えると早速チョコレートケーキの生地作りに入るわ。まずは···
4時間後
「···どうしましょうか」私はチョコレートケーキを作ってた筈なのだけれど目の前にあるのは真っ黒焦げになってしまったチョコレートケーキ。
焼いてる途中でうたた寝してしまったのがいけなかったのは分かっているの。でも待ってる時って眠くなっちゃうものじゃない?だからこの焦げたのは私が責任取って後々食べるとして、ストーカーさんにあげるチョコレートケーキをどうするかなのよね···材料は足りないし時間も無い。
「·····ストーカーさん。」私はストーカーさんから貰った監視カメラ付きのぬいぐるみに話し掛ける
「あのね、チョコレートケーキ焦がしちゃったのよ。だからね今から市販のチョコレートケーキ買ってくるわね···良ければ一緒に食べましょう。待ってるわね」私はそう言って外出する準備をする。
けれど私が行く前に玄関のドアが開く。
息を切らしたストーカーさんが私の目の前に来て
「け、ケーキ···チョコレートケーキ買ってきたから···一緒に···」ストーカーさんの顔は林檎よりも真っ赤になっていた。そんなストーカーさんが可愛くて少し笑いながら
「ありがとう。一緒に食べましょう。」
やっぱりストーカーさんは優しいわね。
「ハッピーバレンタイン、ストーカーさん」