君の背中
世界線はt72(世界線というのはきにしないでください)
兄の背中はいつも頼もしくて優しい。
孤児院に居た頃もからかってくる男の子達から守ってくれたのも、私を処刑場から連れ出してくれた時も、全て兄の頼もしい背中を見た。
でも兄には背中を向けて逃げて欲しかった。
私何かのために立ち向かわないで欲しかった。
私は兄さえ幸せなら自分だって幸せなのに兄は逃げずに私を守るために背中を見せる。
そんな兄が私は大好き。
遠く·····
世界線はt72(世界線は気にしないでください)
俺の夢は妹と一緒に遠い所まで旅をする事だった。こんな孤児院から早く出て妹に色んな世界を見せてやりたかった。
今は望まぬ形で妹と旅をしているが俺は幸せだ。
でも妹はずっと苛まれ続けている。
この旅に終点は無いがもしあるのなら妹が全てを忘れて幸せになれる場所だ。
誰も知らない秘密
世界線(a21)世界線と言うのは気にしないでください
目が覚めた?早速で悪いけど悩みを聞いてほしいんだ。
あのね、僕は彼女の全てを知りたいんだ。
何を考えているのか、過去、未来、今、全てを知りたい。でも僕はまだ彼女の全てを知らない。最近新しく知った事と言えば彼女が小学生の頃に彼女の弟が初めて寝返りを打って嬉しかったと彼女が思った事を調べて知っただけ。
他の事だって知りたいのに。
一体今まで何回呼吸したのかだって知りたい。
彼女が嬉しいと思った事も悲しいと思った事も全て知りたいのに知れない。彼女の過去は知るために、彼女の昔の同級生を脅して話を聞いたりしても何処か断片的だったり、あまつさえ彼女を変人呼ばわりするんだ。すぐに腹が立ってそいつをうっかり殺したちゃったんだよね···もうちょっと彼女の話を引き出してから殺せばよかったって少しだけ後悔してる。
でも僕はとにかく知りたいんだよ。
彼女の全てを、秘密も含めて全てね。
でも彼女の過去のだけは知れない。
彼女もまるで秘密にしたいのか過去、特に小学生の頃の話は絶対に人前でする事もなければ、小学生の頃の思い出の品という物も無い。彼女の家、実家に忍び込んで探したけどまるで無かったことの様に小学生の頃の思い出の品や、ランドセルに小学生の教科書も無かった。売ったり捨てたり寄付した記録もないしで全く知れないのが悩みなんだよ。
ねぇ、どう思う?
そう問いかけてみるがとっくに死んでいたみたいだ。「あー···せめて悩みくらい聞いてから死んでくれても良かったのに····でも彼女を変人扱いする様な人間はいなくてもいいか」
僕は死体になったものを焼却炉に投げ捨てて帰路に着く。
あー、早く全てを知りたいなぁ···
静かな夜明け
世界線はt72「世界線は気にしないでください」
真っ暗な真夜中の森を兄と一緒に駆け抜ける。
追っての兵は十人居る。兵は私目掛けて銃を乱発してくる。でも私の忌々しい体は改造されてるから弾を弾き返す。
「あと少しで森を抜けられる!頑張れ!」
兄はそう言って私の手をさらに強く握って森を走り抜けていく。それでも追っての兵達は構わず乱射してくる。とうとう兄の肩を掠める。
「ちっ···くそ、お前は目をつぶってろ」
私が止める前に兄は兵達に容赦なくマントの下に隠していた銃を撃つ。
バンッ
バンッ
バンッ
数人もの兵が息絶えると他の兵も撤退していく。
あぁどうしようまた私のせいで兄に人を殺させてしまった。
「目をつぶってろって言っただろ?お前はもう血を見なくてもいいって言ってるんだから、こう言うのは全部お兄ちゃんに任せろ」
そう言って私の頭を撫でながら抱きしめてくれる。
でも、私と一緒に居たら兄の命は常に危険にさらされる。兄さんだって本当は辛い筈なんだ。私のせいで兄さんがこれからも苦労するぐらいならいっそあの「兵に殺されてしまった方が、なんて考えは今すぐやめろ」
「······」
「お前は悪くない。あんな体にしたアイツが悪いんだ。」
「·····で··も··わたし····ひとを」
「でもそれはお前が好き好んでやった事じゃないだろ?だから悪くない。お前が罪悪感を感じることは無いんだ」
兄は再び私の手を掴んで森を歩いていく。
なんて温かいぬくもり。
こんなぬくもりを感じていい筈が無い。
罪人は死ぬべきだ。こんな人殺しの私なんて忘れて欲しかった。でも兄が私の為にひとを殺してまで助けてくれる事に嬉しいと思ってしまう自分を今すぐ殺してしまいたい。
でもそんな勇気私に無いからいつも通りに夜明けを迎える。兄と私だけの世界で見る夜明けはとても静かだった。
心と心(Google翻訳でやりました)
世界線t72「世界線というのは気にしないでください」
昔孤児院にいた頃、兄さんが私に小さいハートのガラス細工をくれたの。
「これは俺の心だ。大事にしてくれよ」って。そう言って私にくれたの。私とっても嬉しくて私も心をあげるって言って折り紙でハートを作ってあげたの。兄さんは大喜びしながら私の頭を撫でてくれた。とっても甘くて優しい思い出。
目が覚めると兄さんが目の前にいる。とっても懐かしくて甘い夢だった気がする。
「よく寝れたか?悪いんだが近衛兵に気づかれたかもしれない。今すぐこの村から出るぞ」そう言って私の手を引っ張って宿から出る。空は星が輝く夜空だ。「····に、··さん··ごめ····ん」私が謝ると兄さんは笑って「別に構いやしないさ、寧ろもっと俺が警戒するべきだったな。今度は馬鹿な門番がいる村の宿にでも行こう。」兄さんはそう言って私の手を引っ張って村を出て山道を歩く。
あぁ兄さん。ごめんなさい、私があの時ちゃんと死ねてれば兄さんに迷惑かけなかったのに。
兄さんの手の温もりを感じながらいつもの様に誓う
(絶対に兄さんだけは守るから····だから今だけ甘えさせて)
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妹と山道を歩いて随分経つ。追ってが来る様子はない。妹を見つけた山小屋のベットに寝かせる。
妹の髪は何日もまともにケア出来ていないから傷んでいる。まともに髪も整えてやれず申し訳ない。
妹の髪を撫でながら今度髪飾りでもあげようと考える。妹は可愛いからなんでも似合う筈だ。
そう言えば昔妹に俺の心だとか言ってハートのガラス細工をあげたな。お返しに妹が折り紙でハートを作ってくれてなぁ····嬉しかったなぁ···あの折り紙は貴族に壊されてしまったけど·········そうだ今度の村か街で妹にハートの髪飾りを買おう。妹は可愛い物が好きだからな、きっと喜んでくれる筈だ。
さて、俺もそろそろ寝るか。眠っている妹の額にキスをして「いい夢見ろよ、兄さんだけはお前の味方なんだから·····」
俺だけがお前の味方なんだからな