山羊野

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4/24/2023, 5:20:45 PM

「ルール」に対してどういう態度をとるかは、文化によって全く違う。
ルーズ/タイトの二種類に分けてその文化の違いを考えることができる。

って内容の本をたまたま読んでいたところだった。ミシェル・ゲルファンド『ルーズな文化とタイトな文化』

「タイト」は従うべきルールが決まっていることが望まれる文化。
「ルーズ」は自由や自律を良しとする文化。
「タイト」な集団は、同調性に優れていて、誠実性が高く犯罪率が低く清潔だ。けれど排他的で因襲的になりやすい。
「ルーズ」な集団は、多様性や変化に寛容で、創造性が高い。けれど協調性に欠け衝動的で無秩序になりやすい。

タイトさとルーズさはトレードオフで、ある集団が、或いはある人がタイト/ルーズになる事には生き残りのための理由がある。
今の自分はルーズ/タイトどっち寄り? 今居る場所はどっちの文化? そうなったのはなぜ? 目の前の問題に対処するのに必要なのはどっちのマインドセット? って考えてみるのも面白いかも。

(ルール)

4/23/2023, 2:31:18 PM

雛罌粟 濁った用水路 豆の蔓の繁る 稚魚の群 晴天 ざらついた白い壁 燕が不在の巣 ビルの奥に見える暗い階段 白昼 錆びたバルコニーの鉄柵 雛罌粟 褪せた緑と赤のタイルの連続 無人 強い日差し 摩耗したコンクリートブロック 雛罌粟 二匹の鴨のオレンジ色の足で掻かれた水 ジョゼフコーネルの伝記 午睡の後の渇き 雛罌粟

(今日の心模様)

4/22/2023, 6:00:33 PM

たとえ間違いだったとしても。
それは覚悟だ。ある種の開き直りでもあり、そして賭けだ。
正しさより優先してもいいと思える何かがある者だけができる賭けだ。間違っているとしても自分はそれを選びその結果を引き受けて先へ進む、そういう覚悟だ。そういう種類の覚悟が必要とされるときが確かにある。

(たとえ間違いだったとしても)

4/21/2023, 11:39:14 PM

 子供の頃、窓につたう雨を飽きずに見ていた、遠出をした日、高速道路の灯りに照らされて、車窓に吹き付ける雨の雫がひかり、したたり、幾筋も川のように流れ落ちていくのをずっと見ているだけの時間があった。夏の日に親戚の家で注がれたジュースのコップにいつのまにか滲み出て、表面の花柄を歪ませながらするりと滑りおち手を濡らした雫を、大人たちの話を聞き流しながらぼうっと眺めていた。降ってくる雨の雫を見るのが心地よくていつも透明のビニール傘を選んだ。最近そんなにじっと何かを眺めたことがない気がして、雨など今でも別にめずらしくないのに思い出すのは昔のことばかりで、同じ眼でも見えるものは随分変わってしまうのだと思った。クープランの墓をきくとき音が雫のようになることがあって思い出すのは昔見たものばかりだ。ありふれたしかしいつまでも飽かず眺めていられる美しい雫で視界が満ち満ちていた時の。

(雫)

4/20/2023, 3:23:42 PM

 じきに夏が来るから白いTシャツほしい。バクラヴァって食べてみたい。あとチキンタツタも。Jhon CageのSocrateのCDほしい。ちょっといいスピーカーほしい。開かれた社会とその敵の新訳ほしい。さよならを教えてやってみたい。たくさん本が入る本棚ほしい。知識ほしい。何も知らずに死ぬのは悔しい。一つでも多く面白いものを知りたい。面白いものを知ることができた人生だったと思って死にたい。本当はどれもこれも、手に入らなけりゃ入らないで、あっさり手放せる程度の欲望だと知っている。それでも手放してしまったら最後、心底退屈しきって動けなくなってしまいそうだから、頭の底を攫って使いものになりそうな欲を浅ましく煽り立て縋って、何もいらなくなってしまう日を先延ばしにしている。いつもほしいものを探している。あれもこれもほしい。ほしくてたまらないものがある。それを手に入れるまで死んでも死にきれない。そんなふりをする。あ、置くタイプの観葉植物用の肥料もほしい、切らしてたから。

(何もいらない)

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