ミロワール

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7/26/2024, 12:04:26 PM

【誰かのためになるならば】

誰かのためになるならばと

自分を引きちぎって奥へ隠した

その鍵すらも壊して手の届かぬ場所へ放った

それから嘘を吐くのが上手になった

以前夢の中で

「ウソをつくのがヘタくそだね」

と言ってきたどこかの誰かに舌を出して

周りが喜ぶのならこれで良いと

自我が生まれる前に自分の存在すらも忘れた

それなのにどうしてきみの声を聴くだけで

こんなに涙が出るんだろう



2024-07-26

7/25/2024, 1:19:17 PM

【鳥かご】

四方を白い壁で囲まれて

規則正しい生活と見えるものを徹底的に管理された小箱

お人形遊びで遊ばれるまま期待通りにのたうち回った

 

ある日見知らぬ声がして誘われた外の世界

声が壁を壊していって広がった視界

その場所も青い壁に囲まれていた

声の主は見当たらない

白い羽を広げて優雅に舞う何かが群れを成していた

「この場所にいるにはあれに混ざらないといけない」

壁を壊した声とは全くの別の声が耳元で音を出した

あんなに高い所に行くすべを僕は持っていない

あの管理された空間での振る舞いしか知らないのだ



でも最初に聴こえた声の主にどうしても逢いたくて

こんな気持ちを初めて持つから

どうしてもそれを伝えたかったのかもしれない

あんな風に高い所からなら見つけられるかもしれない



初めてこんなにも足を動かして

最初に居た場所から見えた一番高い場所に登った

それでもまだあの白いものには届かない

でも僕も地面から足を離せばあんな風になれるのかも

下を見てめまいを起こす動作に身を任せて

そっと目を瞑った



2024-07-25

7/24/2024, 2:10:54 PM

【友情】

おまえの小さい手では持ちきれず

落として割ってしまうだろうと振り落とされた

笑顔を張り付けた裏の表情はわからなかったけれど

むしろ他の場所は荷物で埋まっていて

何かを掴みたかったのか手だけが空いていたけれど

僕の手の中にないものなら必要ないのだと

割れたそれをみて目を濁らせた



ある日飛び込んだ透明なガラスの向こう側

あの日壊れたそれが多分そこには溢れていた

はじめて触れたそれは心地よくて

温かくって大事にしたいと思った


 
それなのにあの日に振り下ろされた手が近づくのが見えた

これがガラスで出来ていることを思い出した僕は

この場所を守るために必死に守りたい想いの分だけ

思いっきり抱きしめた

すると僕の腕の中で何やら音がして

恐る恐る見てみるとそこにはひびの入ったそれが

僕が守りたかったものなのに僕が壊してしまったんだ

ひびが入って光の屈折がきらめくそれの綺麗な絶望を

ただ見つめることしかできなかった



2024-07-24

7/23/2024, 2:23:04 PM

【花咲いて】

(想像の中の話)

白い絵の具で塗りつぶしたキャンバスに

浅い青の風が横切る

見つけた言葉を音色に変えて

目をつむってそこに降り注いで

元の色も忘れてしまうんだ

でもそこにゴロンと寝っ転がると

リズミカルに音が跳ねるのが聞こえた

だからさ、君と僕はここに居たんだ

僕たちはいつもそばにいた

そのはずなのに

妄想の海に浸かってイロカサネテ

おやすみの言葉をたくさん残して

いつも通り眠りにつける

そう言って夢も旅の謳も途中なのに眠ってしまった

 

眠りについたあとのその場所は

I Need You の声も

アンコール! の声も

確かにその場所で響きわたっていて
 
君が降り注いだ分の色とりどりの花咲いて

そよそよと揺れる花の花弁は花丸にも見えるのです

だからいつも「おやすみ」の後に聞こえる

「おはよう」をただずっと待っている



2024-07-23

7/22/2024, 12:39:03 PM

【もしもタイムマシンがあったなら】

きっとタイムマシンの中は

心が浮かぶようなようなギターと

透き通った空のようなピアノが流れていて

そこから見える景色も

同じく澄んだ景色が広がっていることだろう

まだボーカルの居ない音源を握りしめて

未来のきみはどんな歌声で歌うんだろうと想いを馳せ





未来からやってきたきみのハジマリの場所
  
クワガタが絶滅した『無機質な空の色に広がる

未来都市』だったとしても
 
僕のいる世界と変わらない『ささやかな日常の

ぬくもりを少し期待しながら』

もしきみと逢えたなら

『「こんな歌あったね」って君と笑いたいんだ』



そんな妄想を今日も言葉に書き起こして

未来のきみの隣に居られるようになんて

そっとメロディーで包んで
 
やっぱり自信が無くって

ポケットの中に隠した


 
2024-07-22

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