『「ごめんね」』(創作)
「ごめんね。」
彼女は両手を合わせて可愛い上目遣いで軽く謝った。
「…う…ん、いいよ。全然気にしないよ。」と、私は嘘をついた。本当は腸(はらわた)が煮えくり返っているが、私は自分の感情を他人にぶつけるのが苦手なため、平静を貫いた。平静を貫けた。
彼女とは腐れ縁で、幼稚園から就職までずっと一緒だった。とはいえ、友達でも仲良しでもない。明るくて容姿の良さから人気者だった彼女は、ワガママで軽薄な面があり、寧ろ、私が1番苦手とするタイプの人間であり、軽蔑すらしていた。なので、ずっと関わりたくなかったのに彼女は私を「幼馴染」として扱い続け、私自身もそれを否定する力を持ち合わせずに取り巻きの一人で居続けたのだ。
「ごめんね。」
彼女の言葉が脳内再生される。
仕事を押し付けるのはいつもの事だった。
フッと、悪魔の心が囁く。
「代わりの仕事なんて、やらなきゃいいよ」
心のままに、私は帰宅した。
彼女のパソコンに「ごめんね」と、付箋を付けて。
『後悔』
「反省はしても後悔はするな」
なんて、格言が浮かびましたが、わたしの人生は後悔ばかりです。
自分の無力さは、自覚よりもずっとずっと無力で、運命には抗えないのでしょうけど、「もっと抗っても良かったのかな。」と、流れのままに受け身で生きてきたことに後悔しています。
『風に身をまかせて』(創作)
人生の足跡に生きた香りを残し
風に身をまかせて安らかに安らかに
小さな身体が冷たくて
悲しみの涙の温度は
思い出だけではない温もりを与えた
たくさんの優しさに包まれただろう
潤んだ瞳が愛情を物語る
永遠の別れの悲しみは
生きた香りを辿りつつ
人生の足跡をまた一歩
(身内永眠につき、悲しみの淵より)
『忘れられない、いつまでも。』
もうすぐ母の日です。
私には母が二人います。産みの母と育ての母です。
産みの母は亡くなっていますが、訳あってお墓参りも出来ません。お葬式にも参列できませんでした。
実母と一緒に暮らした、まだ幼かった数年間を、忘れられない、いつまでも。
『一年後』
一年後、また『一年後』のお題に、頭を抱えているかもしれないですね。
(昨年の5月8日も同じお題でしたし)