【259,お題:遠くの空へ】
遠くの空へ手を伸ばし、考える
『私に翼があったらどんなものか』
自由に空へ飛び立てる翼、色は白がいい
少し大きめで寝むるときにくるまって寝たら暖かいだろう
ふかふかの羽毛で太陽の香水をふんだんにつけた、清く美しい純白の翼
だが私は高いところが苦手だから、翼が貰えるのは想像の中だけでいい
地面を這いずって歩くのも、意外と楽しいものなのだよ
title.拝啓、天使様
【258,お題:言葉にできない】
大事なことほど、言葉では表しにくいように出来てる
【257,お題:春爛漫】
桜 春風 公園 花弁 桃色
お弁当 入学式 出会い
町全体が春色に衣替えをしていくようだ。
どこを見ても『春爛漫』
【256,お題:誰よりも、ずっと】
はじめての出会いは、とうめいなカベのむこうから君がのぞいてくれたんだよね
急にかかえられてビックリして、君のうででおもらししちゃったのは今でもハンセイしてるよ...
君は毎日ぼくのへやの前にやってきて、ぼくのおせわをするお姉さんになにかを言っては
ぼくをだきあげて、まんぞくしたら帰る。みたいなことをずっとやっていたね
ぼくも君がきてくれるのがちょっぴり楽しみだったんだ。
いつの間にかぼく、君のことがこんなにだいすきになってた!
その日は、はじめて君がほかのだれかといっしょにきた日
その日もぼくは同じようにだきあげられて、すっぽり君のうでにおさまった
君のおなかみたいなとこからいつも聞こえる、ドクドクした音がその日はいつもよりはやかったね
君といっしょに来たおおきな人たちは、ぼくのお姉さんといっしょになってなにかを話してた。
何がおこったのかよくわからないけど、その日のうちにぼくはおひっこしをすることになったみたいだ
新しいお家はぜんぶがおおきくて、ぼくは怖がりだから"おしいれ"ってところにかくれて君を困らせたね。ごめんね
でも新しいお家はけっこういごこちがよくって、毎日がたのしい!
何より誰よりもだいすきな君と、ずっといっしょにいれるなんて
うれしくってうれしくって、毎日君をおっかけまわして泣かれちゃったなぁ
ぼくってけっこう"ブキヨー"だから、たまにやりすぎっちゃって君を困らせちゃうんだ...ごめんなさい...
君は大きくなるといろんな所に行かなくちゃいけないらしかった
君がチューガッコー?っていうところに行くときはすごくタイクツだったなぁ...
なにをしに行ってるんだろう?狩り?でもたしか君は狩りが下手だよね...?
仕方がないから君が帰ってきたときは、ボクのおやつを少しあげるね
どうやら僕は君よりずっと早く歳をとるらしかった、その事に気付いたのは
君がコーコーセーになった時で、どんどん大きくなる君に比べて僕は
あの頃みたいなはしゃぎ方は出来なくなっていた、まあまだ全然元気だけどねっ!
でも君がよく付けてる匂いのするすぷれー、あれはちょっとキツいかもなぁ...
君が他の誰かと暮らすことを伝えにきた日、知らない大きな人が君といっしょにいて
びっくりしたのと、君を取られたくなくて吠えちゃったけど、あの人が嫌いな訳じゃないんだよ
君が幸せになってくれるならそれでいいんだよ、君がその人と家から出ていくとき
あの日よりも大きな手で僕の頭を撫でてくれたよね、きっともうお別れの時がすぐそこまで来てるんだ
でも僕は、最後に君に会えたから。幸せだよ
君の声がするなぁ、懐かしい...あの頃みたいな高い声じゃないけど、落ち着いてて
でもあの頃と全く変わらない、僕のことを思ってくれてる...優しい優しい声だ...
『レオっ!レオ苦しいのっ?!レオ...!』
なんでそんなに泣いているの...?...ああ、もうお別れなんだね
...今までありがとう、最後に会えたと思ったのに、最後の最後まで君は僕を心配してくれる
誰よりも、ずっと君のことを見ていた僕だから分かるよ
『レオ...ッ、!...行かないで...』
君はこれからも幸せになり続けてね...!僕のこと...忘れないでね!
また新しい誰かに、僕みたいな幸福の名前を付けてあげて
title.名前はレオ
【255,お題:これからも、ずっと】
私の愛犬が息を引き取った。
家に迎えたのが小学生のころ、私は今成人して今度結婚式をあげる予定だった
そう見えなくても、もうだいぶおじいちゃんだったんだね...
気付きたくなくても、気付かないふりをしたところで、残酷にも時は進んでいく
結婚式、君にも来てほしかった...君も一緒に食べられるケーキを用意するつもりだった...
悔しい...こんなことならもっと一緒に居ればよかった
なんで見ないふりしちゃったんだろう、君の一生は私よりも少ないんだって...
「...お疲れさま...ッ...今まで、ありがとう」
柔らかな毛を手で撫でるとまだ温かい、もしかしたら今にでも飛び起きて
『遊ぼうよう!』と、いつものように鼻を押し付けて来そうな気がした
君はもう手が届かない遠くに行っちゃったんだね、もう2度と会えないと思うと悲しくなる
でも、君がくれたたくさんの思い出たちが何度も何度も浮かんでは消えて、温かい涙が頬を伝った
「ありがとう...ありがとう...、苦しかったね...大変なこともたくさんあったけど
あなたに会えて、家族になれて、数えきれないほどいっぱい幸せを貰ったよ」
この後の人生で今日のことを忘れることはないだろう
大切なあなたがその身をもって教えてくれたことを、これからも、ずっと大切にし続けるから
だから天国で見ていてね、ねぇ
『レオ』