無音

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11/16/2024, 9:17:14 AM

今朝、道端で子猫を見つけた。

捨て猫だろうか、近くに転がっていた空の段ボールからそう推測する
目は空いている、足取りもしっかりしている。
いつ頃からここにいたのか分からないが、子猫の体調は安定しているようでひとまず安堵した

警戒させないように、ゆっくり手を出してそっと持ち上げる
たんぽぽの綿毛のように軽くてふわふわなその身体の奥で、しっかりと鼓動する命の重さがあった。
すると、急に地面から足が離れたことに驚いたのか
子猫の身体がぐにゃんと捻れた、落としたら大変だ、いくら猫でもまだ産まれたばかりなのだから
慌てて抱え込むように抱き直すと、逃げる選択肢を潰された子猫は小さな歯で僕の手を噛んだ

「いたっ...!」

子猫だがちゃんと痛かった。

7/7/2024, 12:11:16 PM

毎年この時期になると、本格的に夏が来たなぁと思う

もう昔ほどはしゃぐことは出来ないけど
まだ自分は短冊を書こうと思えるし、笹に飾る折り紙を折ることが出来る

まだ、夜空に夏の大三角を探せるし、雨の匂いがする夜風を美しいと思える

ああどうか、来年も再来年もこの平凡な幸せが続きますように

6/17/2024, 2:23:05 PM

いつから物を手放すのを怖がるようになっただろう。


私は物忘れが結構激しい、本とかスマホとか眼鏡とか
よくあると思うけど、話そうとした瞬間何話そうとしたか忘れるやつとか

それくらいなら日常茶飯事だし、物なら何かで代用がきくかもしれない
でも私は、この「覚えていられない」ことに対して人並み以上の恐怖を感じるのだ

それは全ての「覚えていられない」事柄にではなく、「思い出」や「記憶」に限定される。

スマホや眼鏡とは違う、「記憶」には実体がない
実体がないということは、もし忘れた時に手っ取り早く思い出す手段がないのだ

6/15/2024, 1:53:32 AM

調子に乗ってた、浮かれてた、馬鹿だった。

どうにかなるんじゃないかって、きっかけ一つで全てもとに戻るんじゃないかって

きっと2人を笑顔に出来るような完璧な言葉を、この口から吐けると思っていた


  そんなわけないのに


目の前に立って、口を開こうして初めて気付く。声が出ないことに

どうやって話してたっけ、なんて切り出せばいいんだっけ、「凄かった」?「お疲れ~」?

向こうはどう思うかな?変じゃないか?急に話すなんて、どうしたらいい? ...怖い


  息が出来ない


スッと熱が冷める感覚がして、冷たい汗が肌を伝って、夢うつつだった目が現実を見る

                                          ああ、最悪だ。

5/26/2024, 5:11:34 PM

【300,お題:月に願いを】
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