今朝、道端で子猫を見つけた。
捨て猫だろうか、近くに転がっていた空の段ボールからそう推測する
目は空いている、足取りもしっかりしている。
いつ頃からここにいたのか分からないが、子猫の体調は安定しているようでひとまず安堵した
警戒させないように、ゆっくり手を出してそっと持ち上げる
たんぽぽの綿毛のように軽くてふわふわなその身体の奥で、しっかりと鼓動する命の重さがあった。
すると、急に地面から足が離れたことに驚いたのか
子猫の身体がぐにゃんと捻れた、落としたら大変だ、いくら猫でもまだ産まれたばかりなのだから
慌てて抱え込むように抱き直すと、逃げる選択肢を潰された子猫は小さな歯で僕の手を噛んだ
「いたっ...!」
子猫でもちゃんと痛かった。
僕の手をがぶがぶ噛みながら、らんらんと輝く瞳が僕のことを見ている
子猫は口を離すと、「ここで終わってたまるかー!」と言うように、自分より何倍も大きい人間に向かって、シャーと威嚇をした
「お前、すごいな...」
僕はこの小さな綿毛のような生き物に感心せずにはいられなかった。
昔から面倒事を避けるのが得意で、付かず離れずのちょうど良い距離で何事にも接した
世渡り上手って言われたけど、本気で取り組む勇気が無かっただけだ
馬鹿真面目に全力で頑張っている奴の方が、僕なんかよりずっと楽しそうじゃないか
「んにゃー!シャアアア!」
触れようとした手にペシペシ猫パンチが飛んできた
11/16/2024, 9:17:14 AM