無音

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【255,お題:これからも、ずっと】

私の愛犬が息を引き取った。
家に迎えたのが小学生のころ、私は今成人して今度結婚式をあげる予定だった

そう見えなくても、もうだいぶおじいちゃんだったんだね...

気付きたくなくても、気付かないふりをしたところで、残酷にも時は進んでいく
結婚式、君にも来てほしかった...君も一緒に食べられるケーキを用意するつもりだった...

悔しい...こんなことならもっと一緒に居ればよかった
なんで見ないふりしちゃったんだろう、君の一生は私よりも少ないんだって...

「...お疲れさま...ッ...今まで、ありがとう」

柔らかな毛を手で撫でるとまだ温かい、もしかしたら今にでも飛び起きて
『遊ぼうよう!』と、いつものように鼻を押し付けて来そうな気がした

君はもう手が届かない遠くに行っちゃったんだね、もう2度と会えないと思うと悲しくなる
でも、君がくれたたくさんの思い出たちが何度も何度も浮かんでは消えて、温かい涙が頬を伝った

「ありがとう...ありがとう...、苦しかったね...大変なこともたくさんあったけど
 あなたに会えて、家族になれて、数えきれないほどいっぱい幸せを貰ったよ」

この後の人生で今日のことを忘れることはないだろう
大切なあなたがその身をもって教えてくれたことを、これからも、ずっと大切にし続けるから

だから天国で見ていてね、ねぇ

『レオ』

4/8/2024, 11:20:52 AM