【188,お題:ブランコ】
ブランコに乗りながら、夕焼けの空の下公園で1人空をあおいでいた
他に子供はいない、ブランコをギッコギッコとやりながら
ただひたすらに赤い空を見ていた
だんだん高度が上がっていって、だんだんスピードが増していって
ついにくるりと空が回った、上下が回って、ついでに目も回って砂の地面に放り出された
「痛っ...!」
たまらず声をあげ、身を起こすとそこはもう別世界
赤い空はどす黒いワインのように色を深め、木々はザワザワと小さなお客の来訪を囃し立てた
夕暮れ時、この世とあの世の境が曖昧になって
ふとした時に違う世界へ入ってしまうことがある、子供は特に
少年はあんぐり口を開けながら、その場に座り込んでいた。
【187,お題:旅路の果てに】
今まで積み上げてきた長い長い旅路の果てに、勇者が掴むのは何だったのか
人は醜い生き物だから、偽りでも綺麗なものにすがりたがる
「勇者様はとても優しく強いお方だ」
そんなこと無いのに、僕だって1人の人間なのに
「たった1人で村を守り抜いたのだ」
そんなこと無いのに、仲間がいなきゃ僕だって戦えないのに
「勇者が様は絶対に負けない、必ず我々に勝利をもたらしてくれる」
そんなこと無いのに、僕はヒーローでも魔法使いでもない
絶対負けない、とかそんなのあり得ないのに
勇者は特別な力を持つ人間、その力が大きくとも小さくとも
他人からすれば、人と違う何かがあるというふうに見えてしまうだろう
人間は自分と違うものにはいつだって線を引いてきた
神のように崇めるか、家畜や奴隷のように蔑むか
長い旅路の果てに、きっと勇者は悪を打ち倒して帰ってくるだろう
だが、語り継がれる英雄と言うのは皆すでに死んでいるものだ
人から尊敬され羨望され、でもその眼差しが自分ではない何かを眺めていると気付いた時
勇者は一体何を得るのか。
【186,お題:あなたに届けたい】
どれくらい距離があるのか、どれくらい遠くにいるのか
姿は見えなくとも、届くまで何度だって叫ぶよ
「ありがとう」と。
【185,お題:I LOVE...】
私のI LOVEは、とある6人組のいちごの王子さまです。
少し前まで2人いなかったんですが、この間戻ってきてくれました
私はもう本当に嬉しくて、冗談抜きで命を救ってもらったので
久しぶりに皆揃っているのが分かって、更新されていく動画に
6人全員映っているのが本当に感動で
「またここから再スタートするんだな」と...
ちょっと語彙力がどっかに行ってしまいましたが
こんなもんでしょう、はい
【184,お題:街へ】
木陰でうずくまっていた私を見つけてくれた
「何してるのー?」って屈託の無い笑顔で笑いかけてくれた
差し出された手は異常なまでに冷たくて
私と同じ「何か」の重圧を抱えたまま生きている人だってすぐ気付いた
「君も、一緒に行こうよ」
それでもその胸の中の冷たさを感じさせない程に、あなたは明るい人だった
私の道を照らしてくれる光、私にとってそうなりたいと思える目標の光
今日もあの屈託の無い笑顔で誰かを元気付けるのだろう
私だけのあなたじゃないのが、ちょっと残念だけど
あなたに救われたこと、一生忘れることはありません。