無音

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【188,お題:ブランコ】

ブランコに乗りながら、夕焼けの空の下公園で1人空をあおいでいた

他に子供はいない、ブランコをギッコギッコとやりながら
ただひたすらに赤い空を見ていた

だんだん高度が上がっていって、だんだんスピードが増していって
ついにくるりと空が回った、上下が回って、ついでに目も回って砂の地面に放り出された

「痛っ...!」

たまらず声をあげ、身を起こすとそこはもう別世界
赤い空はどす黒いワインのように色を深め、木々はザワザワと小さなお客の来訪を囃し立てた

夕暮れ時、この世とあの世の境が曖昧になって
ふとした時に違う世界へ入ってしまうことがある、子供は特に

少年はあんぐり口を開けながら、その場に座り込んでいた。

2/1/2024, 1:37:16 PM