のなめ

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1/23/2024, 5:00:25 PM

こんな夢を見た。
白い砂浜。浅瀬。
海へ顔を向けてまっすぐ立っている。
日は高く、海面が白く光って見える。
「今日の晩ご飯は肉じゃがにしようか。」
隣で男の声がする。
「でも…こんにゃくを紐にするのは大変だし。」
海を見つめたまま、返答する私。
「そんなの、とって来ればいいじゃないか。」
男の声は当たり前のように答える。
「どこから?」
男は耳元で囁く。
「とってきてあげる。」
私の左耳を波飛沫が掠め、海に大きなイルカが跳ねていった。

1/23/2024, 9:22:15 AM

飴玉って
溶けてなくなるタイムマシーンだと思う
いちご味がする間だけ
あの頃に戻れる気がする

1/21/2024, 5:44:30 PM

この夜は2度と帰って来ない、って、君も僕もよくわかってた。

「お前、いつまで卒業証書握りしめてんだよ。なくすぞ?」
「いいじゃん、日付が変わるまではまだ卒業式の日なんだし。」

何度も何度も放課後を過ごした河原。
ゴツゴツした砂利の上に2人でならんですわる。
君が僕の右隣に座るのが、いつのまにかお決まりになっていた。

「今日の家の晩飯、何だったんだろうな。」
「気になってたならお前だけでも帰って家で食べたらよかっただろ?」
「行くわけねーじゃん!クラスの奴らと集るの…これが最後なんだし。」
「最後ってわけじゃないだろ。ほら…同窓会とか。」
「来ない奴もいるだろ、数年経ったら。」

それもそうか、なんてぼんやり返事する。
卒業式にあわせて刈り上げたという、君の襟足が清々しかった。
部活を引退してから伸ばしているらしい、その前髪が風に揺れてきれいだと思った。
この3年間、誰より向かい合ったその瞳に、月明かりが反射して水面のように揺れている。

「俺、お前とバッテリー組めてよかった。」
「…僕だって。」

お互い、もうそれ以上何も言えなかった。
3月のはじめ。特別な夜。
明日君は、この街をたつ。

1/16/2024, 6:18:44 PM

「美しい」という表記には、
美としての確固たる強さが宿っている。
繰り返される直線に、無機質ながら不変な自信を感じる。

「うつくしい」という表記には、
うつくしいものを目にした時の、その人の感嘆のため息が宿っている。
含まれる曲線に、つやつやと光を反射する照明のような役割がある。

私には、時々文字がそんなふうに見える。

1/15/2024, 7:00:03 PM


この世界は
酷く大きく、歴史の深い地球のこと
この世界は
そのごく表面に人間を住まわせている
この世界は
多数人間の共通認識の集合体
この世界は
ひとりの両腕の手の届く範囲
この世界は
わたしの箱庭

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