『ゆずの香り』
湯船に浮かんだゆずを見て
何の気なしに両手で潰す
見た目ばかりが立派になって
中身はまるで未熟者
ゆずの香りが纒わり付いて
鼻腔の奥を突っついた
『ベルの音』
シャン シャン シャン
どこか遠くでベルが鳴る
ここまで音が聞こえる夜に
暗がりの中で独り歌う
When I was just a little girl
《私がまだ少女だった頃》
I asked my mother
《お母さんに尋ねたの》
What will I be
《私は何になるのって》
Will I be pretty
《私は可愛くなれるかなって》
Will I be rich
《お金持ちになれるかなって》
Here’s what she said to me
《お母さんはこう言ったわ》
Que Sera, Sera
《ケ・セラ・セラ》
しん しん しん
外では雪が降り積もる
細かい雪でも積もれる夜に
暗がりの中で独り歌う
When I grew up I fell in love
《大人になって恋に落ちて》
I asked my sweetheart
《恋人に尋ねたの》
What lies ahead
《この先に何があるのって》
Will we have rainbows
《虹を見ることができるかなって》
Day after day
《毎日毎日見れるかなって》
Here’s what my sweetheart said
《恋人はこう言ったわ》
Que Sera, Sera
《ケ・セラ・セラ》
シャン シャン シャン
しん しん しん
どこか遠くでベルが鳴る
外では雪が降り積もる
ここまで音が聞こえる夜に
細かい雪でも積もれる夜に
暗がりの中で独り歌う
Now I have children of my own
《いま私には子供達がいて》
They ask their mother
《その子達は私に尋ねるの》
What will I be
《自分は何になるのって》
Will I be handsome
《自分はハンサムになれるかなって》
Will I be rich
《お金持ちになれるかなって》
I tell them tenderly
《私は優しく答えるの》
Que Sera, Sera
《ケ・セラ・セラ》
"こんな夜なら誰かに届く"
そんな少しの希望を乗せて
暗がりの中で独り歌う
Que Sera, Sera,
《ケ・セラ・セラ》
Whatever will be, will be
《なるようになるわ》
The future’s not ours to see
《未来は誰にも分からないけれど》
Que Sera, Sera
《ケ・セラ・セラ》
What will be, will be
《なるようになるわ》
届いた後の未来など
分からないままただ歌う
『寂しさ』
誰も自分になんか興味ない。
自分が思っているほど、周りの人達は自分に関心なんか持ってないんだ。
だって理由がないんだから。
人に誇れるものなんてないよ。
そんなの持ってない。
持ってないよ。
分かっているつもりなのに、周りの評価が気になるんだ。
自分のことなんて誰も眼中に無いのに、一人で気にして焦ってる。
……馬鹿みたい。
目を閉じて妄想するんだ。
人気者になる夢を見るんだ。
自分の周りには沢山の人がいて、皆が自分に優しくしてくれる。
自分は何でも出来る人間で、皆が自分を頼るんだ。
あぁ……気色悪い。
キモイ。
キモイ。
キモチワルイ。
皆が自分に向かってこう言う。
『あなたは優しい人だから』
偽善的な言葉を吐き散らかして、優しいフリをしてるだけ。
だまくらかして、ほくそ笑む。
何時だってそこに行動は伴わないんだ。
鏡を見れば醜悪で臆病な小物が映る。
何度も何度も呪詛を吐く。
そうして自分を傷つけて、誰かや何かに許しを乞う。
そもそも自分に価値なんてないくせに、価値あるものを傷つけた気になってるんだ。
どうでもよくて、くだらない。
狭い世界でしか生きられない。
そんな……つまらない人間の話。
『とりとめもない話』
つい最近、知り合いの方から小さい観葉植物を頂きました!
自分は趣味で絵を描いたり、ポエムやエッセイなんかを書いたりしています。
ですがリアルで誰にも教えたことがないので、無趣味な奴だと心配してくれたのかも知れません。
名前は【アガベ・チタノタ】というらしいです。
アロエみたいな見た目なんですけどね、どちらかといえばサボテンに近いとか。
……ちなみに自分はノタさんと呼んでます。
観葉植物のお世話なんて、これまでしたことがありませんでした。
ですから少し心配でしたが、どうやらこの子、あまり世話をしなくても勝手に成長してくれるみたいなんです。
手のかからない自慢の子ですね!
この子が家に来てから、今でだいたい1週間ぐらいでしょうか?
植物でも愛着は湧くもので、このまま健やかに育って欲しいな……なんて思うのです。
日当たりと風通しがいい場所に置いてあげるのが適切らしいので、普段は玄関の靴箱の上に置いて、晴れた日は窓際に移動させてあげます。
水やりは殆どしません。
この子は少食なんです……!
こんな感じで、なんだかんだ楽しんで育ててます。
というか勝手に育ってます。
もしや……うちの子天才なのでは??
(´ρ`*)コホン
さて、そこそこの長文を書かせていただきましたが……いったいどれだけの方が、ここまで読んでくれたのでしょうか?
本当に『とりとめもない話』しかしてませんから、途中で脱落してしまった方がほとんどでしょうね。
なんというか……申し訳ないです。
とにかく、これで今回の話は終わりとなります。
最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました!
アデュー!
『雪を待つ』 190
綺麗な葉っぱが枯れて散る。
死体となったそれら葉は、地面の上に積み重なって、土塊となって還るのだろう。
茶色くなった体には、虫食い穴が散見される。
生前の輝きはそこに無い。
人々はそんなものに目もくれず、頭上の綺麗な葉っぱを想う。
落ちぶれた綺麗な《汚い》葉っぱ等は、そこから見える景色を眺めて、いったい何を願うのか?
落ちぶれた汚い《綺麗な》葉っぱ等を、見えないように隠しておくれと、そんなふうに願うのか?
また一枚枯れる。
また一つ重なる。
想いが枯れて願いが重なり、纏う重さが冷たくなる時、望みが叶うことだろう。