『きらめき』 170
心が震え、熱が生じた。
温度は次第に高くなり、ある時を境に火花が散りだす。
きらきら きらきらと輝くそれは、見ていてとても気分が良い。
雅で美しく。
儚くて綺麗だ。
しかし永遠には続かない。
何時かは心の震えも無くなり、熱が冷め、その輝きは過去の栄光へと変わるだろう。
そうして最後に残るのは、焦げ付いた醜い心だけ。
ほらもう……きらめきの残穢はすぐそこに。
『心の灯火』
新涼灯火
本を読む
秋の夜長ということで
灯りの下で本を読む
暗い時間が長いほど
その灯火は役に立つ
月の前の灯火と
侮る前に火を灯せ
月を遮る暗雲を
ものともせずに照らすだろう
私が望んだものを見るには
小さな灯火一つで足るのだ
『不完全な僕』
……これは相対的なものですか?
他人と比べるならば、私はこれまで何かで一番になったことがありませんので、どう考えても不完全ですね。
精神的にも肉体的にも思想的にも社会的にも、上には上がいるものです。
平均値と比べるならば、それはもはや完全ではない気がします。
仮に全ての能力が平均値を超えていたとしても、それを"完全"と言うには違和感がありませんか?
過去や未来の自分と比べるならば、そもそも比べようがありませんね。
というか、未来が分からない限りどんなものでも"完全"とは言いきれない気がします。
……それでは絶対的なものですかね?
絶対的に考えるならば、私は私しかいませんから、ある意味私は何時でも完全な私ですね。
しかしそうなると、逆に"不完全"という意味が分からなくなる気がします。
……なんだか難しいですね。
そもそもこの考え方で間違っていませんか?
それすら自信がありません。
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追記
調べてみたら、分かりやすく「完全」の説明をしてくれているサイトを見つけました!
自分は「完璧」と「完全」の意味を混ぜて覚えてしまっていたようです。
「完璧」は「これ以上ない状態」
「完全」は「全部そろっている状態」
簡単にまとめると、このような違いらしいですね。
……ナチュラルにタイトル回収してますね。
『香水』
香りを纏う。
少しの私が隠れる代わりに、私の好みを周囲に知らせる。
花の香りは益虫を呼び。
ハーブの香りは害虫避けに。
これは一つの選別なのだ。
私にとって益となる人。
私にとって害となる人。
私と嗜好が似た人を、香りを纏って惹き付けるのだ。
『空模様』
杪夏
秒読み
良い酔い宵
空見る君の悪いとこ
空見は気味が悪いこと
執着ゆえに現を抜かし
夢幻へと逃げていく
駆ける足元は薄氷へ
絵空事に夢中な君の
瞳に映る模様は如何に