『いつまでも捨てられないもの』 165
私は自分を捨てたのだと、そう叫びながら生きている。
自分を傷つけ、蔑ろにし、過去の夢をただの落書きと呼びながら生きている。
私が一番悲惨なのだと、不幸を競って生きている。
生きたくないとほざきながら、結局私は生きている。
どこにいても、何をしても、私が私である限り、私はいつでも生きている。
気付いているんだ。
それを前提として価値をつけるんだ。
最後に残るのは……命だと。
『誇らしさ』
朝目が覚めたらコーヒーを飲みます。
苦いけれどとても美味しくて、それは私の生活に一滴の味わい深さをもたらしてくれます。
毎朝コーヒーを飲みます。
どんな日であっても、それをすることで私の気持ちは少し晴れるのです。
強制はされていません。
責任もありません。
義務感もありません。
飲みたいから飲むのです。
私が、飲むのです。
そんな少しの……贅沢なのです。
『夜の海』
波が立ち
水飛沫が舞う
そうして僅かな海達が
夜空に逃れて光輝く
夜の海は仄暗い
見下ろす月光が与える栄誉は
少ないからこそ価値があるのだ
『心の健康』
「俺って心が病んでるんだ」
『……そうなのね』
「子供の頃から不幸続きでさ」
『……大変ね』
「笑顔でいるのが辛いんだ」
『……可哀想ね』
「君は心が強いよね」
『……そうね』
「何があっても動じない」
『……確かにね』
「本当に君が羨ましいよ」
『……ごめんね。
悪いけど、今から自殺しなきゃいけないの。
またね』
ツーツーツー
「どうして自殺なんてするんだろう?
……まぁ、いいや」
プルルルルル
『……なに?』
「俺って心が病んでるんだ」
『君の奏でる音楽』
──あぁだるい。
イヤホンから流れる軽快な音楽を聴きながら、その心にはドロドロとした惰性が覆っていた。
だるい。何もしたくない。面倒臭い。
だるい。
だるい!
かったるいっ!
仕舞いには怒りさえ湧いてくる始末。何がなにやら自分でも分からない。
ウゥ〜と呻くもおさまらない。
イヤホンからは未だに空気の読めない音楽が流れている。
タッタカタカタン♪タッタッタッ♪
タタッタタンタン♪タッタカタン♪
両手を頭に持ってきて、ズズっと前髪を掻き上げる。頭皮も一緒に持ち上がり、目付きが少し鋭くなった。
少し気になって立て掛けられた鏡をみれば、そこには酷い顔をしたブスが一人、変顔晒してこちらを見ていた。
──あぁ泣きたい。
理由はないが情けない。
なんかもう生きたくない。
死にたいわけじゃない。
生きたくない。
生きたくない。
仕方が無い。
タッタカタカタン♪タッタッタッ♪
タタッタタンタン♪タッタカタン♪
軽快なBGMが流れる中で、思考がクルクル踊り出す。鈍くて重い思考のダンス。
ワン・ツー・ワン・ツー
ドン! ドン! ドンッ!
……醜悪すぎて観てられない。
チクタクチクタク時計が進む。
今日も私は──
「……何してたっけ?」